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【定期】最近の恋愛データまとめ「告白は男からバイアス、ナルシストと恋愛、義理の親子、出会い系で恋愛の仕方が変わる?エゴ・エフェクティブで関係ブースト」

最近出てた恋愛系のデータをまとめておくコーナーです!

「愛の告白は男性から!」は万国共通?

女性は感情的な一方、男性は感情表現を躊躇いがちっていうステレオタイプがある一方で、告白をするのは男性からみたいな風潮もあるわけです。

最近のアバーティ大学などの研究(R)では、この「『男性の告白バイアス』は世界共通で見られることなのか?」、また「女性よりも男性の方が先に強い愛情を感じがちなのか?」といったところを調べてくれておりました。男の方が先に告白する傾向があるなら、男は女性よりも「付き合いたい!」って気持ちになりやすいのではないか、ってわけっすね。

具体的には3大陸7か国から1,428人の参加者を集めて、全員の人口統計学的な指標と愛着スタイル、現在および過去の恋愛における告白に関する経験をチェックしてます。今回調査された中にアジアとアフリカの国は含まれてないんで、集団主義の強い国とかではどこまで当てはまるかはわかりませんが、それなりに参考にはなるんじゃないかと。

結果的に何が分かったかといいますと、

  • どの国でも大体男性の方から告白する傾向が強かったが、その際の記憶に関しては男女で違いが見られた(7か国中6か国)

  • 交際中に初めて相手に”I love you”と伝えようと思った時期、交際何日前に告白したか、告白を聞いたときのうれしさの点では男女で違いは見られなかった

  • 男性よりも女性の方が多い国に住んでいる場合、男性の方から告白する確率が高かった

  • 回避型のパートナーは告白を聞いた時の喜びの度合いが低かった

って感じだったそう。つまり、実際に男性の方から告白することは多いんだけど、気持ち的には女性も同じくらい相手を好いていることが多いんだ、と。

チーム曰く、

"恋愛 "と "情熱 "は文化的な普遍性があり、愛を感じることも表現することも、良質な人間関係において重要であることが分かっています。同時に、『愛している』というような発話行為によって部分的に表現されるであろうロマンチックな愛に対する傾向は、予測可能な形で、人によって異なります。

とのこと。愛情表現がコミットメントや長期的に良好な恋愛関係をもたらすってのはよく確認されてるところ。「今すぐにでも告白したい!」って思った時点で相手も自分に告白したいと思ってる可能性が高いってのは、なかなか勇気が出る話ですねー。


ナルシストの中でも特に恋愛に悪影響をもたらす要素ってあるの?

「ナルシストは恋愛関係にネガティブな影響をもたらす!」とはよく聞く話ですが、テキサス大学の研究(R)では「ナルシストの中でも恋愛で特によくないタイプってあるの?」ってところを調べてくれておりました。

ひとえに「ナルシシズム」といっても心理学的には多次元的な特性と考えられてまして、大体以下の3つに分類されたりします。

  • 尊大型ナルシシズム:アプローチ関連の動機で高まる自己中心性。つまり、何かを達成したい!成功したい!っていうポジティブなモチベーションから生じる「自分は人より違うんだぜ!」って感覚

  • 脆弱型ナルシシズム:回避関連の動機で高まる自己中心性。つまり、失敗したくない!リスクを最小化したい!ってモチベーションから「自分は特別な扱いを受けるべき人間だ!」と感じるタイプ。メンタルが不安定で問題を抱えやすい

  • 権利型ナルシシズム:動機のタイプとは無関係に認められる「自分はすごいんだ!」って感じる特性

どのタイプのナルシストでも「自分はすごい!」「他人よりも優れてて特別の扱いを受けて当然だ!」って考えるんだけど、その考えを抱くまでのモチベーションが違ってるってわけですな。

で、この研究ではこれらの特性が恋愛関係にもたらす影響を調べるため、3か月以上付き合ってるカップル108組を集めて、7日連続の日記型のアンケートを実施してます。測定項目には関係満足度、嫉妬心等が含まれてまして、各パートナーのナルシシズムの尺度と比較した結果、以下のような傾向が確認されました。

  • いずれのナルシシズムも性的な嫉妬心とは無関係だった

  • しかし、権利型のナルシシズムスコアが高い人は非性的な嫉妬心を感じる傾向が強く、参加者またはそのパートナーの脆弱的ナルシシズムが強い場合にも非性的な嫉妬心が見られる確率が高かった

  • 尊大型ナルシシズムはカップルの関係満足度とは無関係だった。一方、脆弱性の高さは関係満足度の低さと関連していた

  • 権利型ナルシシズムの強い人は「今付き合ってる人のほかにもパートナーはいる!」って感覚を強く感じていた

だったそうです。一般的なイメージ通りのナルシストが恋愛関係において不適応な結果をもたらす可能性は低くて、むしろ防御的な動機に基づくナルシストや特定の動機を持たないナルシストの方が恋愛関係にダメージをもたらしやすいってわけっすね。

サンプル数も大きくないし、もっと長期的にみれば結果が変わってくる可能性は十分ありそうですけど(特に性的嫉妬心とか)、パートナーを評価するときに「ナルシスト」とひとくくりにしちゃうのはやめたほうがいいかもしれないですねー。


義理の親子は血のつながった親子よりも対立しやすい。その進化的なわけとは?

血のつながった親子間の関係性に関する研究は多いんですが、新たに「義理の親子間での協力・対立関係」を調べた研究(R)が出ておりまして、特にその進化的な考察が面白かったです。

これは308人の参加者を対象にしたアリゾナ州立大学などの研究で、全員の年齢、性別、学歴、配偶者の有無等の人口統計学的な指標をチェックしたのち、様々な領域(資源、社会的関係、安全とか)における親族との協力・対立のレベルに関する質問に答えてもらったらしい。

そこでどんなことが分かったかといいますと、

  • 男女ともに、本当の母親よりも義理の母親との間で強い対立を感じていた

  • また、母親側も実際の娘よりも義理の娘との間に強い対立を感じていた

  • 父親も実際の娘よりも義理の娘に強い対立を感じていた

  • 参加者が最も対立を感じていたのは物質的資源と親族ケアの分野だった

ということで、親も子供も結婚によって発生した関係においては協力よりも対立の感覚を感じていたみたい。実感としてもなんとなくわかる気がしますねぇ。あと、もしその親族が死んでしまった時にその印象がどう変わるのか?ってところも少し気になりました。生前いくら対立が激しくても死後はいうほど非協力的ではなかったって印象を感じる場合は少なくないですからね。

では、なんでこのような結果が見られたか?って点についてですけど、進化的に以下のような説明がなされてて面白かったです。

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