奥村 ひろ

「トランスジェンダー役はトランスジェンダー当事者の俳優に」をコンセプトに、トランスジェ…

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「トランスジェンダー役はトランスジェンダー当事者の俳優に」をコンセプトに、トランスジェンダー当事者による、トランスジェンダー俳優モノローグを執筆、公開しています。 上手くなるのを待っていたら、作品なんて生まれない。
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奥村ひろ　モノローグ台本目次

「トランスジェンダー役はトランスジェンダー当事者の俳優に」をコンセプトに、トランスジェンダー当事者による、トランスジェンダー俳優モノローグを執筆、公開しています。 上手くなるのを待っていたら、作品なんて生まれない。 ☆ トランスジェンダー女性俳優モノローグ台本 ☆ １．お風呂入ろ！ 2021/12 ２．Café de renversement　カフェ ドゥ ランヴェルスマン 2022/01 ３．ズッ友あーちゃん　つらいのはどっち？ 2022/01 ４．ボサノヴァの調べに、

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    • 『11月20日』

      トランスジェンダー女性俳優モノローグ（一人芝居台本） 『11月20日』本文作：奥村ひろ （三脚に固定したスマートフォンに向かって話す） え～っと、ふぅ。よしっ。 「お互いに生き延びましょう！」 私たちトランスジェンダー当事者同士では、よくある別れの挨拶です。 頭に、「次に会う日まで」が省略されています。 何を大袈裟なと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちからすると全くもって冗談ではないのです。 目の前にいる友人と別れる時、もうこれが最後かもしれない、

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      • 『サービスエリアにて』

        トランスジェンダー女性俳優モノローグ（一人芝居台本） 『サービスエリアにて』本文作：奥村ひろ （高速道路を走行中の車内。夫が運転している助手席で、横目で後部座席を確認しながら） ちょっとたけぴー、あんまり飛ばさないでよ。 後ろでお義母さんが寝てるんだからね。 …。 ねえ、この間の話どうなった？ やっぱそうよねぇ。 そんな簡単には納得しないわよね。 この可愛い可愛いひとり息子がけしかけられて、同居を解消しようってんだからね。 で、どうする？ もう勝手に部屋決めて、強

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        • 『守るべきもの』

          トランスジェンダー女性俳優モノローグ（一人芝居台本） 『守るべきもの』本文作：奥村ひろ （深夜。コンビニの駐車場。車中） おおー、ありがとー。 ここのアイスカフェラテ好きなんだ。 甘いものも、あーいいね。 で、どうだった。初めてのおつかいは！ ヤバかった？うん、どうヤバかった？ 心臓バクバク？ そっかー。 女性の恰好で外に出て、ひとりで歩いて、コンビニに入って、人と話す。 今日のこの初めてづくしの行動がしょこちゃんにとって、大きな一歩になるんだよ。 今はまだウィッ

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          『麻雀の作法と、おばちゃんと』

          トランスジェンダー女性俳優モノローグ（一人芝居台本） 『麻雀の作法と、おばちゃんと』本文作：奥村ひろ すんませーん、アリアリふたつと、あつしぼふたつ。 いや、ふたりだけ、三麻（サンマ）ですらないねん。 今日はおばちゃんとイケメンで雀荘デート。 はい、お願いしますぅ。 久しぶりやん。ちょっとあんた、もう普通に男やん。 かっこようなったわ！ 前おうた時は、もうちょっと女の子っぽかったもん。 そう、おばちゃんもおばパスしてるやろ。 めっちゃ楽になったわ。 もうあんまりジロジ

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          『罰ゲーム』

          トランスジェンダー女性俳優モノローグ（一人芝居台本） 『罰ゲーム』本文作：奥村ひろ　　原案：河上りさ あいつは悪魔だ。 友達だと思っていたのに。 確かに私は勝負に敗れた。 ここは地獄だ。 照り付ける太陽がまぶしすぎる。 敗者は勝者の指示に、何でも従わなければならない。 そして今から処刑だ。 我が人生、今日が最後の日となることだろう。 しかし大抵はとんでもないことを命令されて、「いやいや、ちょっと勘弁してよ～」「えっ？だって何でも言うこと聞くんじゃなかったっけ？」

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          『自信が無いなんて、最高じゃん！』

          トランスジェンダー女性俳優モノローグ（一人芝居台本） 『自信が無いなんて、最高じゃん！』本文作：奥村ひろ みなさま、はじめまして！ 森原芽子と申します。 えー、なぜかYouTubeチャンネルを開設してしまいました。 お芝居未経験の、高齢のトランスジェンダー当事者が、トランスジェンダー当事者役の演技の勉強をしていこうというチャンネルです。 普通はチュートリアルとか、面白い話をするとかなんだろうけど、私が勉強していこうっていうチャンネルだから、別にこれを見ても何かの役に立つ

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          『めぐりあい』

          トランスジェンダー女性俳優モノローグ（一人芝居台本） 『めぐりあい』本文作：奥村ひろ ある夏のことでした。 真夜中に散歩をしていると、小さな女の子が、公園の砂場で泣きながら山を作っていたんです。 砂場のすみの方でスコップで小さなバケツに砂を入れて、真ん中に作ってある山にバケツをあける。 またすみっこに行く。バケツをあける。 そしてスコップの背中でペタペタ山を固めていく。 ずっと泣きながら、女の子はそれを繰り返していました。 私は何か話しかけようと、砂場に近寄りました。

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          『私の価値と条件』

          トランスジェンダー女性俳優モノローグ（一人芝居台本） 『私の価値と条件』本文 作：奥村ひろ 早速ですが、私の条件をお話ししますね。 私はトランスジェンダーの俳優ですから、オネエタレントの扱いはしないでください。 ドッキリで驚かして、野太い声を笑い者にするとかは無しです。 三人称を使う場合は、「彼女」でお願いします。「彼」や元男性という表現はNGです。 男性時代の名前も写真も公表はしません。 はい？ 私の経歴ですか。 未経験です。 続けていいですか。 体の状態を公表す

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          『ズッ友あーちゃん2　隣の芝は・・・』

          トランスジェンダー女性俳優モノローグ（一人芝居台本） 『ズッ友あーちゃん2　隣の芝は・・・』本文 作：奥村ひろ うわ～、あーちゃんの美味しそう。 やっぱり私もハンバーグにしとけばよかったなぁ。 あーちゃん、一口ちょうだい。 おー、ありがとう。 私もエビフライあげる。 はい、身のぶっといところ。 この間さ、経理の山本さんに、一口ちょうだいって言ったら断られてさ。 「私、そういうのちょっと苦手なんで」つって、眼鏡キラーンてさせて。 もう、気まずくて気まずくて。 それ以来

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          『エイチ氏の一年』

          トランスジェンダー女性俳優モノローグ（一人芝居台本） 『エイチ氏の一年』本文 作：奥村ひろ （手鏡を持ち、覗き込む） わー、素晴らしい！ まさに私のなりたかった女性の顔です。 先生の手にかかれば、何でも叶うのですね。 ありがとうございました。 これでもう容姿で悩むことはありません。 （暗転） 先生、就職の面接を受けているのですが、新たな悩みができました。 この声のままでは、見た目と合いません。 私が話すたびに、周りの人が驚いて私を奇異な目で見るのです。 ぜひ、こ

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          『ボサノヴァの調べに、企みを添えて』

          トランスジェンダー女性俳優モノローグ（一人芝居台本） 『ボサノヴァの調べに、企みを添えて』本文 作：奥村ひろ （妻、リビングのソファに座っている） （夫、コーヒーを運び、女の隣に座る） いつも、すみませんね。 （妻、コーヒーに口を付ける） あぁ、あなたが淹れてくれる、このコーヒーが一番美味しいわ。 いつもの良い香り。 いつものボサノヴァ。 そして、いつもの私たちとこのソファ。 このふたつは、少しくたびれましたけどね。 でもちゃんと保湿クリームを塗ってるから、まだひび割

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          『ボサノヴァの調べに、企みを添えて』

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          『ズッ友あーちゃん　つらいのはどっち？』

          トランスジェンダー女性俳優モノローグ（一人芝居台本） 『ズッ友あーちゃん　つらいのはどっち？』本文 作：奥村ひろ あ～、最悪！ やらかした！ マジでやらかした！ （手を掲げながら） さっきオフィスで、1年ぶり2回目のくしゃみをした私ちゃんで～す。はぁ… うん、この会社に入って2回目、はっきりと覚えてる。 ちなみに我慢した回数は覚えてない…数えきれないくらい我慢してるから。 もう、嫌なんだよ。特大級のおっさんのくしゃみを聞かれるのは。 分かってるって、こうやってあーち

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          『Café de renversement　カフェ ドゥ ランヴェルスマン』

          トランスジェンダー女性俳優モノローグ（一人芝居台本） 『Café de renversement　カフェ ドゥ ランヴェルスマン』本文 作：奥村ひろ 大変お待たせいたしました～、カプチーノでございま～す。 ごゆっくりどうぞ。 はい、お手洗いは、お店を出ていただいて…あっ、あ～…あの…お客様は… このビルの1階に誰でもトイレがございますので、そちらをご利用くださいませ。 いえ、この階のお手洗いは、男性用と女性用でして… お客様は、失礼ですけど…シスジェンダー…男性でいら

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          『Café de renversement　カフェ ドゥ ランヴェルスマン』

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          トランスジェンダー俳優モノローグポリシー

          奥村ひろは、以下のポリシーに従って、モノローグ、台本の執筆を行います。 今後、このポリシーに抵触する作品や表現が見つかった場合は、その箇所を吟味し、必要に応じて作品の削除や表現の訂正を行います。 このポリシーは随時追加、更新予定です。 1.トランスジェンダーを性的倒錯者役や殺人鬼役にしない。 ・シスジェンダーがこれらの役を演じた時に、「これは役だよね」「他の人は違うよね」と認識されるように、トランスジェンダーも同様の認識をされるような世の中になるまでは、扱いません。 2.

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          トランスジェンダー俳優モノローグポリシー

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          『お風呂入ろ！』

          トランスジェンダー女性俳優モノローグ 『お風呂入ろ！』本文 作：奥村ひろ （ベンチに座っている女を、男が撮影している） そうですね…私にとってホームレス支援とは… ん～、一言で言うと…罪滅ぼし…ですかね。 （早口で） 存在してはいけない自分が存在していることに対しての罪滅ぼしと、許せない相手を許せない自分に対しての罪滅ぼし… あぁ、やっちった。ここカットで… 今私の生活は恵まれていて…でも、なぜかそれがいけないような気がして… うまく言えないですけど、何か人の役に立

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