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スキルとはどんな意味でしょうか?

能力?知識?技術?技能?
日本語訳を考えてみると、人によって違いがあったりします。あえて曖昧な使い方をして、様々な意味を込めているとと考えられます。

ちなみにわたしは以前このように書いています。

スキル【skill】
手腕。技量。また、訓練によって得られる、特殊な技能や技術。

デジタル大辞泉 小学館

今回は、スキル=鍛錬によって身につける熟練の技能というイメージで捉えておきましょう。




ところでスキルには2種類あることはご存知ですか?

必要な時に必要なスキルを活かすという積極的・能動的なスキルと、気がつかないうちに活かされ続けているというスキルです。これをそれぞれ【アクティブスキル】、【パッシブスキル】といいます。

もともとはゲームから生まれた言葉ですが、アクティブ=積極的・能動的、パッシブ=消極的・受動的という意味合いで対比される言葉であり、ITや音楽、投資の世界まで幅広く使われています。そこにスキルを組み合わせることで、常に発動している状態を示したり、敵キャラクターの習性を示したりする言葉として使われています。

アクティブモンスター : プレイヤーが攻撃を仕掛けないでも攻撃してくる。
パッシブモンスター : 攻撃を仕掛けないと攻撃してこない。
アクティブスキル : 自分の操作で発動させるスキル。
パッシブスキル : 取得するだけで常に効力が発揮され続けるなど。

オンラインゲーム用語:オンラインゲームFAQ

では、この2種類のスキルをビジネスの場面やキャリアカウンセリングの視点で捉えてみます。


1.アクティブスキル


自分の意志で活用するスキルと定義します。

活用するには、研修や訓練によって事前にスキルを身に着けておく必要があります。また、自分以外の人に明示でき、言葉で説明したり実際にやって見せたりして、そのスキルを使って何かを解決できることが必須です。

例えばプレゼンテーションスキル。誰かに何かを説明する必要がある場合、単に言葉を並べればよいわけではありません。効果的に情報を伝え、相手が納得し、要求を受け入れてくれるような伝え方が必要です。
こんなとき、数々の鍛錬によって身に着けたプレゼンテーションスキルを自ら発揮して説明の場に臨むはずです。無意識ではなく、自分がその場にあった表現方法を考え、そのために事前に資料を作りこみ、最も効果的な伝え方を意図して行うでしょう。

例えばカウンセリングスキル。わたしたちキャリアコンサルタントは、相談者の悩みを聞く際に意図をもって問いかけ、自問自答を促す関わりをしています。それは資格取得の過程で学び身に着けた専門的なスキルであり、傾聴の3要素である受容・共感・自己一致の基本姿勢や、スーパー・サビカス・ハンセン・クルンボルツ・ホール・シャインなどのキャリア理論を活用し、キャリアコンサルティングを展開していきます。相談者あるいは相談内容に応じて活用するスキルを組み合わせてカウンセリングを実施します。

もちろん、それぞれの業務の専門性や特殊性に応じたスキルも必要ですし、それがなければ進められない仕事においては少なからずアクティブスキルを活用して働いているといえるでしょう。


2.パッシブスキル


その人が持ち合わせている汎用的なスキルと定義します。

意図して活用するのではなく、自分にとっては当たり前に行っていることの中に潜んでいるスキルです。日常的な行動や習慣の中に現れ、その人らしさや人柄を構成する要素も含みます。

例えばコミュニケーションスキル。相手の話だけでなくその人自身にも興味関心を持って会話し、相手と打ち解けることができる能力などは、意識して発揮するというよりも自然と醸し出すものだと思います。その中には笑顔で接することや適切なあいづち、返事、うなずき、質問などの関わりがありますし、話を要約する力やまとめる力なども含まれてくるでしょう。

例えば人間力。人柄や魅力と呼ばれるものです。よし、人間力を発揮しようと思って接する人はいません。何気ないやり取りや言葉に現れるもので、その人の振る舞いから滲み出るようなものです。気づかいや気配りは意識してできる部分もありますが、そもそも人を慮る心は資格を取得したからと言って身につくものではありません。日々の積み重ねで習慣化することでしか身につけられないスキルと考えれば、パッシブスキルに含まれることは自明でしょう。

どちらかと言えば、よりベーシックなスキルに分類されるようです。どこの組織でも、どんなコミュニティでも通用するような人間的なスキルと考えると、イメージしやすいかもしれません。


キャリアコンサルティングの視点で捉えると、一般的にはアクティブスキルに目が行くでしょう。どんな資格を持っていて、どんなことができて、どんな実績があるかということから、「わたしは○○というスキルがあります」と履歴書に記載したり面接で話したりします。もちろんこれは大切なアピールポイントですし、相談者自身が気づいていない場合もありますので、アクティブスキルとして必ず言語化しておきたいところです。

一方で、パッシブスキルはおろそかになってしまうことが往々にしてあります。特に自分では気づけない場合が多いため、他者からのフィードバックでぜひ意識化・言語化しておきたいところです。例えばキャリアカウンセリングを受けている最中に、キャリアカウンセラーが感じた相談者ならではの人柄などはぜひ言葉にして伝えてほしいですね。相談者が自身のパッシブスキルに気づくうえで貴重な機会になるはずです。


ちなみにわたしは、アクティブスキルでもありパッシブスキルでもあるスキルを磨いています。それはファシリテーションスキルです。
意図して場をコントロールする技術・技能である一方、ファシリテータが醸し出す雰囲気などは意図せずとも出てしまうことも。もちろん悪い印象だったら困るのですが、「なんだか安心して話せそう」「落ち着いて参加できそう」という良い効果を生む印象は、パッシブスキルとして大いに活用したいと思っています。

ぜひあなたもご自身のアクティブスキルとパッシブスキルを一度考えてみてはいかがでしょうか?
もちろん身近にいるキャリアコンサルタント・キャリアカウンセラーがお手伝いさせていただきますよ。



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