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昨日の続きです。
第四・五・六の男として『新・三人の石工』を創作してみました。



4.「自分の成長を実感・予感できる」第四の男


「自分の成長が感じられて楽しい」という第四の男を考えてみます。

「仕事をしていると、自分の技術が高まっていくことが実感できるんだ。親方や依頼主がいいねってほめてくれるし、喜んでくれる。先輩たちみたいにうまく作れるようになってきて、もっと成長したいって思うんだよ。」

マネジメントの視点では、まだ本当の顧客を理解できていないかもしれません。しかし、目の前の人を喜ばせたいという思いと、自分の努力が成果として認められ、評価されることに幸せを感じています。

また、自分の成長を実感できているとともに、先輩のようにと自身の成長を予感するロールモデルがいることも大切です。

特に若いときのキャリア形成では、ロールモデルの存在はその後のキャリアに大きな影響を与えます。「わたしも○○先輩のようになりたい」と思えるような職場や、「○○さんのようなスキルを身につけたい」と思えるような仕事ができる環境が重要だと思います。



5.「感謝の心を大切にしている」第五の男


「あらゆることに感謝をしている」という第五の男を考えてみます。

「縁があってこの仕事をしているんだ。自分に仕事を与えてくれた人に感謝しているし、自分が仕事をすることで喜んでくれる家族や仲間にも感謝しているよ。こうして積み上げるレンガを作ってくれた人も、ここにレンガを運んでくれた人も、水を汲んできてくれた人も、みんながいてくれて仕事ができているからね。本当にありがたいよ。」

いまに感謝し、人に感謝し、物に感謝できる人です。積み上げているレンガは“物”ですが、思いを馳せてレンガに“人”を重ねて見ることができる想像力豊かなタイプです。

例えば、農業や食に関わるお仕事をされている方とお話しすると、ただの食材ではなく命をいただくという意識をお持ちの方に出会います。田畑や土、水、太陽など、あらゆること(特に自然に対して)感謝の言葉を口にされるように感じます。

「ありがとう」「うれしいよ」「助かるわ」など、第五の男の周りにはいつも笑顔が溢れ、きっと楽しく仕事ができているのではないでしょうか?



6.「歴史に残る建物を作っている」第六の男


「長く愛され歴史に残る建物をつくる」という第六の男を考えてみます。

「わたしはこの教会が長く人々から愛されるようにと思って作っているんだ。きっと何百年後もたくさんの人がここを訪れて、歴史に残る建物になっているはずだよ。だからやりがいがあるし、自分の子どもや孫の代まで語り継がれるような仕事だと思うんだ。」

自分が何かを成し遂げたという達成感を得たい気持ちがある一方、一生の間でそう何度もあるわけではない大きな仕事をしていることに喜びを感じています。

そして歴史に残ることが自分の誇りであり、子や孫にも胸を張って言えるような素晴らしい仕事をしたいと思っています。「これをつくったのはあなたのおじいちゃんなのよ」なんて語ってもらえたら、きっとうれしいでしょうね。

後世に何が残せるかを意識し、自分の人生の意味を考えて仕事をする、そんなキャリアの築き方です。これは建物だけでなく、みなさんのお仕事にも通じるものがあるのではないでしょうか。

エリクソンの発達課題でいえば、壮年期の「世話」、老年期の「英知」にあたります。人生の歩みを何かしら形として残したい、意味を見出したいという思いが、「歴史に残る建物」に表れているともいえます。



今回のまとめ


今回はキャリアの視点で新しい三人の石工を創作してみました。
いかがでしたか。思い当たる部分はありましたか。

どれが良い/悪いではなく、人生のステージによって働く目的や意義が変化するものです。

わたし自身は第五の男の働き方が好みです。ですが若手時代は第四の男だったこともありますし、これからの残りのキャリアは第六の男の働き方にシフトしていくのかなと予感しています。



最後に


三人の石工は、たまたま通りかかった旅人の問いかけによって、自分の働く目的を口にした---そんなお話しです。

三人はその後、働く目的を言葉で表したことによって、どんなことを考えるようになったのでしょうね。もしかしたら自分の働き方を改めて見つめる機会になり、そこから新しい価値を見出したかもしれません。


立場や視座の違い、知識や技術の習熟度、成長の度合いによっても働く意義は変わります。ですから人生のステージにおいて、自分が『何を大切にして働いているのか』を定期的に見つめ直す機会が必要ですよね。

人間ドッグに倣って「キャリアドッグ」と名付けられていますが、わたしたちCDAは『キャリアの定期健診』を行うための役割も担っています。
いまの生き方・働き方を見つめ直し、充実したキャリアを築くためのお手伝いも行っています。
よろしければキャリアカウンセリングを受けてみませんか?




明日も素敵な一日でありますように。

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