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辛い、苦しい、きつい、大変、悲しい、悔しい、寂しい、つまらない・・・などなど、抱えてしまったネガティブな感情を表すために様々な言葉を使っています。

わたしは普段からこれらの言葉に敏感であろうと意識を向けているのですが、中でも気になる表現の一つに「しんどい」という言葉があります。

【しんどい】

しんどいとは、肉体的・精神的な負担を感じ、その負担が長く続くのはいやだと感じられるさまを表す形容詞である。

「しんどい」は、「しんろう(心労ないし辛労)」の変化した「しんどう」がつづまった「しんど」を形容詞化した語であると考えられる。もとは関西方言であるが、今日では全国的に用いられる。

「しんどい」の類義語に「つらい」がある。「つらい」はその要因が漠然としている場合にも用いることができるのに対し、「しんどい」はその要因がより明確である場合に用いる。「彼と離れて暮らすのはつらい」は自然だが、「彼と離れて暮らすのはしんどい」といえば何か具体的な負担の要因が暗示される。また、「つらくあたる」のような、「仕打ちがつめたい」という用法は「しんどい」にはない。

また、「しんどい」の類義語に「きつい」がある。「きつい」は、「きつい酒」「きつく叱る」のように、程度がはなはだしいこと全般に用いることができる。心身の負担についていう場合、「きつい」にはきびしい制約のために負担があったり、実施するのが難しかったりするという客観的な価値判断があるのに対し、「しんどい」は主観的な気分を表している(「今日中に仕事を終わらせるのはきつい/今日中に仕事を終わらせるのはしんどい」)。

「しんどい」は、ネットスラングとしては、「イケメンすぎてしんどい」のようにたかぶった感情をおさえがたい意でも用いる。

用例:「しんどい仕事」「熱で体がしんどい」「坂道がしんどかった」

名詞形は「しんどさ」。

(執筆:稲川智樹 2018年9月28日更新)

出典:実用日本語表現辞典

つまり「しんどい」とは、「具体的かつ主観的な心労であり、肉体的・精神的な負担」を表しているわけですね。

確かに、大量の仕事に追われているときや、微熱続きで心身ともに悲鳴を上げているようなときに、思わず「しんどいなぁ・・・」と口にしているイメージがあります。
「心労」あるいは「辛労」を語源としていると聞いて妙に納得したのは、まさに上記の経験がわたしにもあったからなんでしょうね。


一方で、相手の話を聴いている最中には、「お辛いですね」「それは苦しいですね」という受け答えをしている印象があります。なかなか「しんどいですね」と言葉を掛けることがなかったような・・・

これは、相談者の語る経験が「主観的な経験」として入ってきていないからかもしれません。さらに「具体的なイメージ」が抱けていない可能性も示唆しています。

いうなれば、「辛いですね」「苦しいですね」と口にしているうちは、相談者の悩みを「他人事として聴いている」のかもしれない・・・わけです。

もしわたしが本気で、相談者の目で見て、耳で聞いて、靴を履いて、同じ経験を十分に追体験できていたら、きっと出てくる言葉も違ってくるはず。その一つに「それはしんどいですね・・・」という表現があってもよいわけです。


また、仮に相談者が「しんどい」と口にしていたら、それは「具体的かつ主観的な負担」を感じるような経験をしていて、明確なイメージが出来上がっている状態だとも捉えられます。

「何があったんですか?」と問いかけるチャンスでもあり、その経験のどこにどのようなしんどさを感じているのかを、本人が言葉にしやすい可能性があります。
(絶対ではないけれども)「しんどい」の原因は本人がうすうすわかっていると捉えると、もしかしたらカウンセリングの方向性は定まりやすい・・・のかもしれません。


知らず知らずのうちに、わたしたちは言葉を使い分けているのでしょうね。ここに言葉の奥深さと面白さが潜んでいると感じます。

あなたにとって「しんどい」という言葉は、どんな印象がありますか?
一度考えてみると、誰かの「しんどい」という言葉に思いを馳せることができるかもしれませんね。




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