続・米「インフレ」の粘着力。ー 日本では「タクシー行列」に "異変" 。
米「インフレ」の粘着力。ー 「株価」と「個人消費」の関係。|損切丸 (note.com) の続編。
ヨーロッパもそうだが、弱めの景気指標が出る度に亡霊のよう出て来る ”狼少年” 化する「FRBの利下げ」。ー ビットコイン等 ”煽り運転” も縮小へ。|損切丸 (note.com) 。ただ昨日(8/31)のPCE価格指数 ↑ などを確認する度に「人手不足」→「人件費」上昇圧力を痛感する。結局金利は押し返される展開が今年に入ってずっと続いている。まずは本日(9/1)の米雇用統計 ↓ の結果を待ちたい。
アメリカの「インフレ」の正体。|損切丸 (note.com) でも少し解説したが、「ドル高」 ≓ アメリカの「需要」が強い、ということ。自動車労組(UAW)が時給2万2千円(!)を要求したとか、年収2,500万円のトラック運転手(!)がいるとか、それだけ「需要」が強い証。
それを端的に現したのが「金利」だ。10年国債で米@4.12%ー日本@0.63%=3.49%も「金利差」があるのは、それだけ「需要」に差がある事を示唆している。当然「人」も「お金」も "磁力" の強い方に寄っていく。
しかし最近日本で "異変" が起きつつある。タクシー乗り場に行列が出来ているという。
10年程前にシンガポール出張に行って一番困ったのがタクシーが掴まらないこと。だからみんなスマホで乗車予約をして確保するのが常だった。それも早く下に降りて予約タクシーを捕まえないと、他の人が勝手に乗って行っちゃったりする。まさに ”仁義なき戦い” 。香港も同じ様な状況だった。
「デフレ」期には繁華街やホテル前でタクシーが2重、3重にとぐろのように列をなして「お客さん」を待っていたのを強烈に覚えているが、今や様変わり。「お客さん」が列をなしている。スマホアプリが普及するなど、やっとシンガポール等の諸外国に追い付いており、今度はライドシェア(相乗りシステム)まで取り沙汰されている。 ”コストプッシュ” などとんでもない。「需要」が引っ張る本格的「インフレ」の始まりだ。
「需要」といっても車が足りない訳ではない。タクシー会社に走らないタクシーが多数放置されているらしい。足りないのはドライバーだ。これはアメリカ同様典型的「人手不足」であり、時給2万2千円や年収2,500万円は無理でも「お給料」は上げざるを得ない。そうしないとタクシー会社が潰れてしまう。実際、淘汰は始まっている。
ここではたと気がついたことがある。「金利」と「円安」である。
まず "金利 ≓ 需要ー供給" の公式に沿えば、「需要」の高まり(あるいは「供給」の減少)は「金利」の上昇を意味する。 日本国債(JGB)入札の異変。ー ”禍転じて福と成す” 精神が肝要。|損切丸 (note.com) 等、JGBが高めの金利提示になって住宅ローン金利(固定)の引き上げが続くのはこのプロセスが始まっているから、と推定できる。
そして「円安」。アメリカの "金利 ≓ 需要ー供給" は、まあ行くところまで行ってしまった感が強いので、これまで相場を引っ張った「ドル高」にも陰りが見えてきている。2023年に入ってその雰囲気はチラチラ見えていたが、植田総裁就任の騒ぎなどで「円安」が「ドル安」を阻止していた側面もある。ここからは追いかける「円」の方が有利。
昨日(8/31)もそうだが、時々明確な理由もなく急落するドル円を見ていると、そういう思いが強くなる。「需要高」≓「通貨高」の「損切丸」方程式が当てはまるか(苦笑)。強い日経平均も裏付けになる。
どうする?「外貨投資」。ー 「イールドカーブ」の形状が変わる米国債。|損切丸 (note.com) でいくつかシナリオ提示したが、さてどう動くか。色々な事を言う日銀理事もいる様だが、世の中の趨勢には逆らえない。 ”無理は通っても無理” 。金利や株価を人為的に操作しようとすればかえって反動を増幅させるだけ。「インフレは一時的」と言い放って大きなツケを払わされたFRBが良い例だろう。さて今度は日本の番。面白くなって来た。
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