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旅行に行くなら「日本」。ー 貿易赤字解消 → ≓ 「円安」に歯止め?

 6月の訪日外国人客(インバウンド)が207万3300人、新型コロナの感染拡大前の2019年同月比で72%まで戻った。1ヶ月の訪日客が200万人を超えたのは20年1月以来3年5カ月ぶり。1~6月の半期でも1,000万人を超え、2019年比で64・4%まで回復。
(国・地域別)韓国55万人、台湾39万人、米国23万人、中国21万人

 「海外から観光客が殺到する前に京都に旅行したいね」

 こんな話を夫婦でしていたが間に合わなかった(苦笑)。「コロナ規制」解除後のインバウンドの回復は目覚ましく、国内の旅行・観光業者はほっと一息。もっとも「人手不足」や観光ゴミの増加など様々な問題が山積しているようだが、それでもお客さんは来ないより来た方が良い。

 英銀で勤めた「損切丸」的感覚でいうと、もし筆者がイギリス人なら間違いなく日本に旅行に行くロンドンNY香港シンガポールに行って思ったが「東京」のような都市は世界のどこにもない。歓楽街も銀座新宿渋谷池袋、観光地も浅草原宿、おまえけに横浜吉祥寺もある。広範囲に渡って一定レベルの "飲み食い" を提供できる巨大都市・東京。それで*これだけ「円安」なのだから行かない手はない

 *1ドル=@90円台でハワイに旅行した日本人の感覚に近い。日本にもあるDX-Xズに朝食にいったが、でっかいパンケーキが3枚でたったの@3ドル≓@270円。おまけにコーラとか飲み放題であまりの安さにビックリ。今なら@5ドル≓@700円(@140円)といったところか。

  ”日本旅行” も商品の1つだから「円買い」の需要が増している事になる。

 時を同じくして相場の転換点になり得る経済指標が発表になった:

 6月貿易収支 +430億円の黒字
 (輸出)前年同月比+1.5%(前月+0.6%)
 ・米国向+11.7%(21ヶ月連続プラス)、欧州向+15%(28ヶ月連続)
 ・アジア向▼8.4%(6ヶ月連続)、中国向▼11%(7ヶ月連続)
 (輸入)原粗油等資源を中心に▼12.9%(前月▼9.8%)

 貿易収支が黒字に転換するのはなんと2021年7月以来、23カ月ぶり貿易赤字が「お金」の垂れ流し≓「円安」の主因と論じてきた「損切丸」的には要注目の変化ではある( ↓ 記事参照)。

 逃げ出す「お金」。向かう先は...。|損切丸 (note.com)
 
「貿易赤字」→「円安」→「貿易赤字」の "無限ループ" 。|損切丸 (note.com)

 供給制約の緩和に伴い自動車中心に欧米向け輸出が回復した事に加え、@70ドル台まで下落した原油等、エネルギー価格の下落が大きい。一方景気減退が見える中国、アジア向けは鉄鋼や半導体関連が振るわず減少。対照的な動きとなっている。

 割と素直に反応したドル円は@139円近辺まで下落年初から**対ポンド、ユーロで「ドル安」傾向が鮮明になっていたが、防波堤となっていた「円安」が崩れると流れが一気に変わるかもしれない日経平均は「円安」の嵩上げ分が下落したと想定されるが、これも悪い傾向ではない。

 **面白いのはポンドの動き。6月のCPIが+7.9%(<5月+8.7%)と「インフレ」にピーク感が出てきた。@6%まで覚悟していた「利上げ」も@5%台まで押し戻され、一時@1.3100台まで買われていたポンドドルも@1.2800台まで急落。今年に入ってから突出して強かったが、そのお陰で輸入インフレが和らいだのだろう。こちらも転換点を迎えそうだ。

 「東京」は別世界? ー もはや「日本」の物差しでは測れない。|損切丸 (note.com) や "北の国" から第2の「日本開国」。ー 自分の頭で考える「Z世代」との共鳴。|損切丸 (note.com) でも書いたが、外国人だらけの日本を見ていると20年前のロンドンを想い出す

 出張してまず驚いたのが地下鉄の乗客のほとんどがイギリス人ではなかった事。そして「お金」も "外" 、特に "オイルマネー" が流入して不動産価格が2倍以上に急騰した。差し詰め日本なら "チャイナマネー" 東京23区のマンション平均販売価格が@1.2億円に乗せたと話題だが、これもロンドンそっくり「値段が高すぎる!」と文句が出る間は値は下がらないそういう声が止んだ時 ≓「バブル」に下落が始まるものである。

 マックの値上げ ↓ が典型例だが「価格の国際化」が進んでいる。

 日本マクドナルド:7/19から「都心型価格」の適用を拡大し値上げ。対象店舗は185店舗。
ビッグマック 通常店450円 準都心店470円 都心店500円
ダブルチーズバーガー 通常店400円 準都心店420円 都心店440円
フライポテトM  通常店330円 準都心店340円 都心店370円
マックシェイクM  通常店220円 準都心店230円 都心店250円

  "ビッグマック" の国際価格 ↓ で見るとそれでも「値上げ」が十分とは言えない。これは株価や不動産も一緒やっと訪れた「人手不足」→「人件費上昇」が続く限り、多少「円高」に戻しても「インフレ」は収まらない

 (参照) モノの「値段」って何だろう? ー 「卵」価格高騰に思う。|損切丸 (note.com)

 「XX政権に殺される」なんて騒いでいる割には国内の「貸出」にも変化が見られる。個人消費の拡大を背景に消費者ローンなど資金需要が伸びており、「インフレ」対策に乗り出す人が増えている

 7月主要銀行の貸出動向調査(日銀):
 消費者ローンDI +13 前回(4月)+4
 ー 2014年4月以来の高水準
 ・貸出動向アンケート調査:6/9~7/10 50の銀行、信用金庫が対象
 企業向け資金需要DI +4 前回 +7 3ヶ月後 +7
 個人向け資金需要DI ▼2 前回 ▼2
 3ヶ月後 ▼1

 いわば素人の「損切丸」でさえここまで見通せている。山ほど資料を集めている日銀、そのトップの理事に見えていないはずがないもういつ動いてもおかしくない。あとは選挙を見据えた政治要因。バブルの発生もそうだったが打つ手が遅れるほど対応が難しくなる「インフレは一時的」と言い放って大きなツケを払わされたパウエル議長の "轍" を踏まないで欲しい


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