旅行に行くなら「日本」。ー 貿易赤字解消 → ≓ 「円安」に歯止め?
「海外から観光客が殺到する前に京都に旅行したいね」
こんな話を夫婦でしていたが間に合わなかった(苦笑)。「コロナ規制」解除後のインバウンドの回復は目覚ましく、国内の旅行・観光業者はほっと一息。もっとも「人手不足」や観光ゴミの増加など様々な問題が山積しているようだが、それでもお客さんは来ないより来た方が良い。
英銀で勤めた「損切丸」的感覚でいうと、もし筆者がイギリス人なら間違いなく日本に旅行に行く。ロンドンやNY、香港、シンガポールに行って思ったが「東京」のような都市は世界のどこにもない。歓楽街も銀座に新宿、渋谷、池袋、観光地も浅草に原宿、おまえけに横浜や吉祥寺もある。広範囲に渡って一定レベルの "飲み食い" を提供できる巨大都市・東京。それで*これだけ「円安」なのだから行かない手はない。
”日本旅行” も商品の1つだから「円買い」の需要が増している事になる。
時を同じくして相場の転換点になり得る経済指標が発表になった:
貿易収支が黒字に転換するのはなんと2021年7月以来、23カ月ぶり。貿易赤字が「お金」の垂れ流し≓「円安」の主因と論じてきた「損切丸」的には要注目の変化ではある( ↓ 記事参照)。
供給制約の緩和に伴い自動車中心に欧米向け輸出が回復した事に加え、@70ドル台まで下落した原油等、エネルギー価格の下落が大きい。一方景気減退が見える中国、アジア向けは鉄鋼や半導体関連が振るわず減少。対照的な動きとなっている。
割と素直に反応したドル円は@139円近辺まで下落。年初から**対ポンド、ユーロで「ドル安」傾向が鮮明になっていたが、防波堤となっていた「円安」が崩れると流れが一気に変わるかもしれない。日経平均は「円安」の嵩上げ分が下落したと想定されるが、これも悪い傾向ではない。
「東京」は別世界? ー もはや「日本」の物差しでは測れない。|損切丸 (note.com) や "北の国" から第2の「日本開国」。ー 自分の頭で考える「Z世代」との共鳴。|損切丸 (note.com) でも書いたが、外国人だらけの日本を見ていると20年前のロンドンを想い出す。
出張してまず驚いたのが地下鉄の乗客のほとんどがイギリス人ではなかった事。そして「お金」も "外" 、特に "オイルマネー" が流入して不動産価格が2倍以上に急騰した。差し詰め日本なら "チャイナマネー" 。東京23区のマンション平均販売価格が@1.2億円に乗せたと話題だが、これもロンドンそっくり。「値段が高すぎる!」と文句が出る間は値は下がらない。そういう声が止んだ時 ≓「バブル」に下落が始まるものである。
マックの値上げ ↓ が典型例だが「価格の国際化」が進んでいる。
"ビッグマック" の国際価格 ↓ で見るとそれでも「値上げ」が十分とは言えない。これは株価や不動産も一緒。やっと訪れた「人手不足」→「人件費上昇」が続く限り、多少「円高」に戻しても「インフレ」は収まらない。
(参照) モノの「値段」って何だろう? ー 「卵」価格高騰に思う。|損切丸 (note.com)
「XX政権に殺される」なんて騒いでいる割には国内の「貸出」にも変化が見られる。個人消費の拡大を背景に消費者ローンなど資金需要が伸びており、「インフレ」対策に乗り出す人が増えている。
いわば素人の「損切丸」でさえここまで見通せている。山ほど資料を集めている日銀、そのトップの理事に見えていないはずがない。もういつ動いてもおかしくない。あとは選挙を見据えた政治要因。バブルの発生もそうだったが打つ手が遅れるほど対応が難しくなる。「インフレは一時的」と言い放って大きなツケを払わされたパウエル議長の "轍" を踏まないで欲しい。
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