「東京」は別世界? ー もはや「日本」の物差しでは測れない。
「コロナ規制」が解除されて初めてのG.W.(ゴールデンウィーク)。国内、海外向けの旅行が急増する流れに乗って、筆者も自宅から少し離れたところに出てみた。
まずは「新宿」。大学生時代には良く来たものだが随分久しぶり。人出が多いのはもちろんだが驚いたのがその ”中味” 。飛び交うのは日本語より英語、中国語、韓国語、そしておそらく東南アジアの国々の言葉。歌舞伎町に「ゴジラ」が登場してから久しいが完全に観光地化しており、 ”日本率” は50%を切っているのではないか。感覚的にはまるで「香港」。
"北の国" から第2の「日本開国」。ー 自分の頭で考える「Z世代」との共鳴。|損切丸|note で「ニセコの外国化」について書いたが、どうもこれは北海道に限ったことではなさそう。「新宿」をはじめ東京の主要ターミナル、e.g., 「渋谷」「原宿」「東京」etc.、では同じ現象が起きていそうだ。
「もうこれじゃ日本人には買えない...」
→ だからマンションは "バブル” と言いたいようだが...。筆者には ”デジャブ がある。およそ20年前のロンドン、向こうの同僚が全く同じ事を言っていた。結果どうなったか。その後10年でロンドン中心部の不動産価格は3倍以上に高騰。原動力は中東の王族をはじめとした「お金持ち」だ。
ロンドン出張の時にいつも感じていたのが、その ”多様性” 。もっとも分かり易いのが地下鉄の乗客で、生粋のイギリス人と思しき人は30%もいなかった。イタリアなどラテン系やアフリカ等の黒人、アジア系もかなりいて、つまりロンドンは既に ”イギリス的” ではなくなっていたのである。
こうなると全てのビジネス ー 観光、金融、不動産、飲食などサービス業、は ”イギリス基準” ではなくなる。その結果が不動産価格の高騰だった。中東の王族などは有り余る「お金」を "世界基準" に照らして振向けてくるため、NYなど他の地域とのアービトラージ(裁定取引)が活発になる。平たく言えば「安く買って高く売る」。
ロンドンとは随分違うと思っていた「東京」も気が付けば今のような状況。山の手線に乗っても外国人の姿が目立つようになった。まだ ”多様性” とまでは言えないが、既に「変化」は始まっている。バフェット氏が着目したのも案外こういう部分かも。もはや「日本」の物差しでは測れない。
実際「本物のバブル」を経験した「損切丸」に言わせると、今の日本はとても「バブル」と言えるような状況には無い。当時の「買わない奴はバカ」と言わんばかりの熱気など全然無いし、文句ばかり言っている ≓ 全く買えていない。1,000兆円も「預金」があるのが強力な「証拠」である。
データで見ても、首都圏の中古マンションの在庫は「コロナ前」の水準さえ回復しておらず ↓ 、「崩壊」するような "需給" ではない。
*「インフレ」突入を反映するように価格もジワジワ上昇 ↓ 。1,000兆円の「預金」という強力な ”購入予備軍” が控えている以上、値下がりの可能性は薄い。「押し目待ちに押し目無し」(=値段の下がった所を買おうとすると値段は下がらない)。「見ているヤカンは湧かない」か(苦笑)。
今後の日本を占うと①アルゼンチン②スペイン③イギリス・ロンドンの3パターンが想定される。かつて世界第5位の経済大国だった①アルゼンチンはその後産業育成を怠り、ついにデフォルト常連国に落ちぶれてしまった。②スペインは「安さ」を売りに「観光立国」で生計を立てるようになったが、現状は見ての通り。政治的に右傾化したり日本との共通項も多いだけに注意が必要だが、勤勉な国民性を考慮すると、ここまでは行かないだろう。
この状況下、1年半の猶予。ー 対称的に「利上げ」を続ける「借金大国」アメリカ。|損切丸|note で「円安」が進めば「お金」が国外から入ってくる可能性は高まる。願わくば**③イギリス・ロンドンの再現と行きたいところだが、あとは規制緩和が上手くいくかどうか。
アニメに日本食など魅力的コンテンツが残るうちは「お金」は入ってくるだろう。ただ、***ビジネスは「日本人向け」ではなく、価格設定は「ニセコ」のように「外国人向け」なっていくだろう。その間、何もしなければ日本人は「スタグフレーション」に悩まされる事になる。
イギリス同様、おそらく鍵は「雇用」、特に解雇規制の緩和。逆説的だが「首切り」をしやすくすることで「お給料」は上がるようになる。政府も国民も「日本病」克服にはその "覚悟" が必要。
「ニセコ」や「新宿」だけでなく、今度は「京都」「広島」「福岡」とかも行ってみようと思う。いずれも「外国人」の増加で不動産価格が上がっている地区。血眼になって投資先を探している外国人に遅れを取ることなく、きちんと見ていきたい。おっと、純粋に「国内旅行」もしたいけど(笑)。
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