国民が背負う「荷物」Ⅲ ー 今度は「インフレ税」という "重税"
国民が背負う「荷物」。|損切丸 (note.com)
続・国民が背負う「荷物」。|損切丸 (note.com) からの続編
税金+社会保険料を合わせたいわゆる「国民負担率」が50%に達し重税苦に喘ぐ日本国民だが、財政赤字を加味すると「6公4民」という試算もある。ここまで来るとさすがに政府もこれ以上負担を引き上げるのには無理があり、選挙で負けるなど政治的に難しくなってきた
そこで浮上したのが「円安」を起点とする「インフレ税」。全ては「国債の利息を払いたくない」≓「財政健全化至上主義」という財務省の "省益" に起因している
* ”ザイム真理教” なる言葉が巷で囁かれるようになってきたが、 ”霞ヶ関の論理" は一般世間では理解し難い。苛烈な出世競争が根底にあるが「国民のため」などと綺麗事を言っているようでは生き残れない世界。特に官僚のトップ財務省は「財務省栄えて国滅ぶ」とぐらいの覚悟が要る
そもそもCPI(消費者物価)の+2%が定着した今、いくら「マイナス金利解除」したとは言え、政策金利@0.10%は異様。10年国債の「実質金利」が▼1.83% ↓ と大きくマイナスなのは先進国では日本だけ。競争相手としては▼40.48%のトルコぐらい。市場流動性を考えると、ファンドやトレーダーが大量に余った円を借りて「キャリートレード」に向かうのは自然な動き
そんな事は名だたる大学を出ている日銀・財務省の官僚なら重々承知。トップの財務官や日銀理事も同様で判って今の政策を遂行している。つまり意図的に「円安」を起点とする「インフレ税」を国民に課している
確かに植田総裁の言うようにドル円が2年間で@110円→@160円と▼50円近く「円安」になったからといって+50%物価が上がったわけではない。だが円資産の価値減少による「購買力」の低下は深刻でそれが「インフレ税」の正体。特に**1,000兆円もの「預金」は相当「損」をし、その反対側で「インフレ」による「借金」の目減りで「得」をしたのが財務省。「財務省栄えて国滅ぶ」の典型である
もっとも財務官僚に言わせればそういう政治家に投票して国の「お金」にすがって生きてきた日本人が多いのも事実。” No Risk, High Return" (国のお金でボロ儲け)を望んだのは国民自身であり、東京オリンピックも万博も同じ構図。国民の要請に基づいて「借金」=国債を膨らまし「お金」を配ってきただけ。それが30年以上続いた結果が現在の「円安」「インフレ」であり、政治家・官僚だけ悪者扱いは筋違い
ただそういう「昭和」的な政策運営は終わりを迎えつつある。***日本人は今 "何かを捨てる選択" を迫られている。これ以上の「円安」がしんどければ最低限+2%程度の「利上げ」は不可避で、結果低金利で生き延びてきた中小の "ゾンビ企業" や無理な住宅ローン借入者は犠牲になる。社会保険の負担が重すぎると言うなら「国民皆保険」は諦めざるを得ない
「日経平均」の頭が重いのも日本がどういう ”変化” を展望しているのか見定める動き。それは「ドル円」≓「円安」も一緒。日本人の "何かを捨てる覚悟" を瀬踏みしている
「国家の運営」というと政治家とか霞ヶ関が遂行していると勘違いしがちだが、とんでもない。「お金」を出しているのは「納税者」であり、その使い道にはもっと厳しくあるべき。最終的にはそういう ”風向きの変化” を「日経平均」も「ドル円」もJGB(日本国債)も反映する。円マーケットは我々日本人自身でもある
そう言う観点から選挙の投票行動が変わってきたのはいい兆し。闇雲な「清貧思想」に囚われることなく 日本人はもっと「お金」に拘っていい。 ー 「清貧思想」の呪縛からの開放。|損切丸 (note.com) 「投資」は "体" を張らないとわからない事がある - 最後は「自分」との対話|損切丸 (note.com) 「お金」に対する見方を変えるいいきかっけにもなろう。もう「現状維持」からは抜け出す時期にきている
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