日本人はもっと「お金」に拘っていい。 ー 「清貧思想」の呪縛からの開放。
日本の「インフレ」の正体。|損切丸|note 等の note. で、世界の「ベビーブーマー」引退(日本では「団塊」)に伴う「人手不足」が「インフレ」の根源的要因と主張してきた「損切丸」。新たな確認材料が出てきた。
2023年4月卒の大学生の就職戦線が「売り手市場」らしい。一時悪化していた2021年度卒と比べ、昨年12月時点の内定率が前年を+1.4%上回る84.4%。大分回復してきており、相変わらず「理系」人気が高い。
ただこれも総花的に良いわけでは無く、大企業と中小企業とでは状況が大きく異なる。得に苦境に立たされているのが中小・零細企業。求人倍率は+6倍近く ↓ 、つまり6つのオファーに対し1人しか応募がない状況だ。ちなみに「コロナ前」2018年は+9倍近くなっており「人手不足」の芽は既に出ていたと考えられる。
では大手は "左団扇" かというとそうでもないようだ。驚くのは「内定辞退率」( ↑ 標題添付)。約65%というから10人出した内定者の内、6~7人は断ってくるということ。これは人事の採用担当者は頭が痛い。当然「条件」のいい会社に行くことになる。
これは良い傾向だ。日本人はもっと「お金」に拘っていい。何もクソみたいな給料でこき使われることはない。終身雇用などとっくに崩れているのだから、実力を付けていつでも転職できるようにすべき。
もっとも「受験」と一緒で、一人で7つも8つも「合格」を貰う学生もいれば、何十社回っても1つも貰えない人もいる。ただそれも現状を鑑みれば、高望みさえしなければ食ってはいける。そこは "Best" を目指すのではなく条件の良い "Better" を追及すれば良い。「お金」は大事な要素である。
↑ は1994年10月に邦銀を辞めようと思った時にさる知人が筆者に教えてくれた「転職の3大要素」。筆者は①②だったが*③お金が決め手になる人もいる。「清貧思想」の呪縛で、とかく日本人は「お金」に拘ることを忌み嫌うが(特に高齢の昭和世代)、現在のように「インフレ」になると「お金」の大事さが身に染みる。
またも「インフレ」について "数十年振り" が賑わしているが、皆さんの「体感物価」と本当に合っているだろうか?
細かい事を言うと「GOTO」に伴う "給付金" 効果が「宿泊・旅行」を▼18.8%、全体を▼0.3%押し下げている。これだけで "リアル" は+4.3%。その他にも「新商品評価」などで様々なCPIの「低め誘導」が行われており「体感物価」とのギャップが大きくなる。おそらく+7~10%が「実感」。
ちなみに来月からは「エネルギー補助給付金」が発動されるため、**CPIを▼1%下げると試算されている…。??? 何度もいうが「給付金」で見た目のCPIを下げる事は「インフレ」抑制にはならない。本来「物価上昇率」から除外され、JGBや金融政策には正しく反映されなければならない。そうあってこそ本当の「正常化」になる。
労働需給のタイト化を客観視すると、多々の「低め誘導」にも関わらず、引き続きCPIには上昇圧力がかかる。今でも "リアル" で+5%を超えているはずだが***2年間で+2%台におとなしく落ち着くとは思えない。
日本の若年層は遠慮する事などない。堂々と「お金」を主張すれば良い。野球やサッカーのプロ選手では珍しくもないし、それがグローバルスタンダード。「お金が全てではないが、全ての事にお金がかかる」。あって困るものではないし、相場と一緒で行ける時には行っておくべきだ。
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