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日本人はもっと「お金」に拘っていい。 ー 「清貧思想」の呪縛からの開放。

 大学生(国公私立大62校抽出、今春卒業)就職内定率 84.4%(2022.12.1時点、前年比+1.4%)
 男女別:男子82.8%、女子86.5%。
 文理別:文系83.9%(+1.8%)、理系86.7%(▼0.6%)

 日本の「インフレ」の正体。|損切丸|note 等の note. で、世界の「ベビーブーマー」引退(日本では「団塊」)に伴う「人手不足」が「インフレ」の根源的要因と主張してきた「損切丸」。新たな確認材料が出てきた。

 2023年4月卒の大学生の就職戦線が「売り手市場」らしい。一時悪化していた2021年度卒と比べ、昨年12月時点の内定率が前年を+1.4%上回る84.4%。大分回復してきており、相変わらず「理系」人気が高い。

 ただこれも総花的に良いわけでは無く、大企業と中小企業とでは状況が大きく異なる。得に苦境に立たされているのが中小・零細企業求人倍率は+6倍近く ↓ 、つまり6つのオファーに対し1人しか応募がない状況だ。ちなみに「コロナ前」2018年は+9倍近くなっており「人手不足」の芽は既に出ていたと考えられる。

 では大手は "左団扇" かというとそうでもないようだ。驚くのは「内定辞退率」(  標題添付)。約65%というから10人出した内定者の内、6~7人は断ってくるということ。これは人事の採用担当者は頭が痛い。当然「条件」のいい会社に行くことになる。

 これは良い傾向だ。日本人はもっと「お金」に拘っていい。何もクソみたいな給料でこき使われることはない。終身雇用などとっくに崩れているのだから、実力を付けていつでも転職できるようにすべき

 もっとも「受験」と一緒で、一人で7つも8つも「合格」を貰う学生もいれば、何十社回っても1つも貰えない人もいる。ただそれも現状を鑑みれば、高望みさえしなければ食ってはいける。そこは "Best" を目指すのではなく条件の良い "Better" を追及すれば良い「お金」は大事な要素である。

 人が会社を辞める時に決め手となる3大要素:
 ①人(上司、同僚などの人間関係)
 ②仕事の内容
 ③お金
 このうち1つの不満では辞めないが、2つ重なると辞める

  は1994年10月に邦銀を辞めようと思った時にさる知人が筆者に教えてくれた「転職の3大要素」。筆者は①②だったが*③お金が決め手になる人もいる「清貧思想」の呪縛で、とかく日本人は「お金」に拘ることを忌み嫌うが(特に高齢の昭和世代)、現在のように「インフレ」になると「お金」の大事さが身に染みる

 英銀に転職して驚いたのが、ボーナスなど「お金」に対する拘り。前年比で▼1円でも減ろうものなら怒濤の抗議。特にアメリカ人の拘り方は尋常では無く「お金」≓「評価」、つまり「お給料が減る」≓「お前は駄目」「 "損切丸" さんにはとてもお世話になったけどOO銀行の方が1万ドル給料がいいので...」香港支店でローカルスタッフが涙ながらに "別れ" を告げたが、あちらでは「お金」>「人」「仕事」が常識

 ”2月の消費者物価指数+4.0% 41年ぶりの高い伸び”

 またも「インフレ」について "数十年振り" が賑わしているが、皆さんの「体感物価」と本当に合っているだろうか?

 細かい事を言うと「GOTO」に伴う "給付金" 効果が「宿泊・旅行」を▼18.8%、全体を▼0.3%押し下げている。これだけで "リアル" は+4.3%。その他にも「新商品評価」などで様々なCPIの「低め誘導」が行われており「体感物価」とのギャップが大きくなる。おそらく+7~10%が「実感」

 ちなみに来月からは「エネルギー補助給付金」が発動されるため、**CPIを▼1%下げると試算されている…。??? 何度もいうが「給付金」で見た目のCPIを下げる事は「インフレ」抑制にはならない本来「物価上昇率」から除外され、JGBや金融政策には正しく反映されなければならない。そうあってこそ本当の「正常化」になる。

 **東電は「規制電力料金」の再値上げを申請しているから、CPIは▼1%下がらないかもしれない。これは電気自動車(EV)補助金や「GOTO」でも同じ「仕組み」だが「給付金」がゴッソリ「企業収益」に化ける。いわば ”ミルク補給” という奴だ。金融も然りこの国はこういうカラクリばかり。忖度するメディアもこういう「利権構造」には総じてダンマリ。そう言う点からも、早く「世代交代」する必要がある。

 労働需給のタイト化を客観視すると、多々の「低め誘導」にも関わらず、引き続きCPIには上昇圧力がかかる。今でも "リアル" で+5%を超えているはずだが***2年間で+2%台におとなしく落ち着くとは思えない

 ***2年半前 「ユニクロ柳井氏、京大・本庶氏、山中氏の医療研究に100億円寄付を即決」に思うこと。|損切丸|note で「必ずスタグフレーションになる」と断言していたユニクロ・柳井社長。だから「+40%賃上げ」を断行したものと筆者は確信している。やはり世界を相手にしている人、特に「お金持ち」には全てが見えている

 日本の若年層は遠慮する事などない堂々と「お金」を主張すれば良い。野球やサッカーのプロ選手では珍しくもないし、それがグローバルスタンダード「お金が全てではないが、全ての事にお金がかかる」。あって困るものではないし、相場と一緒で行ける時には行っておくべきだ。

 

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