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続・国民が背負う「荷物」。

 ”2021年度の税や社会保障の国民負担率、過去最大の48.0%の見通し”
 (内訳)税 28.7%、社会保障 19.3%
 (参考)フランス 67.1%、ドイツ 54.9%、アメリカ 32.4%

 国民が背負う「荷物」。|損切丸|note(2021.9.14)を思い出した読者の方もいるかもしれない。約半年前の note. では2018年度の負担率@44.3%を参照したが、その時点でも「財政赤字」込みの負担率は@56.5%と推計。そのまま単純計算すると、2021年度の「実質国民負担率」は@60.2%となり、お給料の6割が「使えないお金」となる。

 これではいくら選挙前に候補者が「少子化対策拡充」「社会福祉の充実を!」と叫んでみても実体が伴っていないことがわかる。「夢の年収1,000万円!」実際に使える「お金」は400万円程*多くのサラリーマンはこれ以下であり、これで子供を2人以上育てろというのは無理がある

 *日本で抜け道になっているのが法人を優遇した税体系法人ならスーツを新調しても「経費」で落とすことが可能「車」なら「減価償却」税金を圧縮できる。だから零細でも「社長」はベンツを数年毎に買い換えて乗り回す一番割を食うのは「経費」が基礎控除48万円に限定されるサラリーマン町医者や飲食店やがべらぼうに多い ↓ のもそのためである。

 北欧も含め、フランスドイツ「国民負担率」は高いように見えるが、問題は「税・社会保障費」の使い道ドイツでは大学の学費が無償(一昔前は国外からの留学生もタダだったらしい)、フランスでは「少子化対策」に手厚く、北欧はご存じのように「高福祉国家」だ。つまり払った分、国民に還元される「お金」がまだ実感できる

 ところが「高齢化社会」を先んじて迎えている日本では「学費」「少子化対策」などに "振る袖が無い"「年金」や国民皆保険からくる「医療費」の多くが20%に満たない「65歳以上の世代」に振向けられ80%以上の国民が還元される「お金」を実感できない

 しかもこの「65歳以上の世代」が選挙投票者数の4割を占め次の "年金暮らし予備軍" 50代を合わせると6割を超える ↓ 。まさに圧倒多数による「シルバーデモクラシー」。これが日本の現状だ。

 母 「また介護保険料上げられてやんなっちゃう」
 筆者「でもおばあちゃんの暮しは(孫の)OOちゃんの "借金" で賄われているんだよ」
 母 「…。」
 

  ”介護保険料の引き上げなど微々たるもの” 。筆者は母にそう伝えたかったのだが、もう ”不満タラタラ" (笑)。確かに40年以上真面目に働いてきて老後は「悠々自適」のはずだったのだから、気持ちはわからなくもない。ただ自宅もあって郡山(福島県)の田舎なら十分暮らせるだけの「年金」も貰っているのだから、こちら側の世代にしてみれば「勘弁して」が本音孫世代が感じている ”プレッシャー” など知る由もないのだろう。

 (筆者自身も含め)人間というものは本当に「自分本位」な生き物だとつくづく思う。「シルバーデモクラシー」も「既得権益」の塊。いわゆる「世代間闘争」だが、負担を強いられる今の40代以下の世代もそろそろ限界。やっと「損切丸」に半年遅れて(苦笑)今回のような「国民負担率」の記事がでかでかと新聞に載るようになった

 既に「お金」の面では 「シルバーデモクラシー」に "静かな反乱" 。 ー 「お金」の ”脱・日本” 。|損切丸|note が起き始めているが、**「パンデミック」→「インフレ」が世の中を大きく変えつつある。よくよく考えてみれば、高齢者は子、孫世代にお世話にならなければ生きていけないのだから、「既得権益」も程々にしないと元も子もない

 **「コロナは100年に一度の危機。今から必ずスタグフレーション(景気悪化とインフレの同時進行)や、社会的・経済的問題が出てくる」「ユニクロ柳井氏、京大・本庶氏、山中氏の医療研究に100億円寄付を即決」に思うこと。|損切丸|note(2020.6.26)で引き合いに出したコメントが思い出されるが、やはりあのクラスの「お金持ち」は ”見えている風景” が違う。ほぼ2年前の ”預言” 通りになっている。

 それでも日本のように蓄積された「国富」が大きい国なら、まだ ”不満タラタラ" で済む。一方 ”蓄え” のないベネズエラやトルコ、レバノン、アルゼンチンでは通貨が暴落したり年率+30%を超えるような暴力的な「インフレ」が起きる「インフレ」は責任の矛先が ”外” に向かい、おおうにして人を「暴力」に駆り立てるその最大値が「戦争」であり、ロシアがウクライナに突っかけているのも同根。国内経済がかなりヤバイのだろう。

 「お給料」の下がる「デフレ」は逆に責任が ”内” に向かうため「自殺」が増える30年も自分を責め続けた日本人には、この ”外” に向かう「暴力」「戦争」がまだピンと来ないのかもしれない。だが「インフレ」の目覚めは確実に起きつつある一度方向転換すると「同調圧力」で一気に同じ方向に動き出す国民性だけに、日本社会やマーケットがどう "急転" するのか、期待もあるが同時に怖ろしくもある。

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