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「シルバーデモクラシー」に "静かな反乱" 。 ー 「お金」の ”脱・日本” 。

 「* ”レバナス" 死亡…。」(*ナスダック指数にレバレッジをかけた投資信託。 e.g. 投資元金×3倍、5倍)「何があってもビットコインは ”ガチホ” 」(=ガチでホールドする ≓ 最後まで売らない)

 史上最大の「過剰流動性」解消を迎えるこの局面で、こんな高値のナスダック(それもレバレッジをかけて)やビットコインを買い向かう "若者" の勇気は凄い。臆病な筆者には無理(苦笑)。どこかの社長が「45歳定年説」を唱えていたが、早く「お金」をためてFIREFinancial Independence, Retire Early、経済的自立を伴った早期退職)を目指す向きもある。

 だがそういう「野望」以外にも「外貨投資」には別の側面もある。「お金」の ”脱・日本” だ。直近30年のパフォーマンスの圧倒的な差を見れば、日経平均よりもNYダウやナスダックを選ぶのはごく自然の流れとも言える。

 いよいよ「大転換」? 日本も「利上げ」シフト。 ー 「外債投資」から 円へ「お金」が逆流する可能性。|損切丸|note でも言及したが、財務省が出している「対外証券投資」のデータを紐解くと、直近7年間で100兆円もの個人の「お金」が ”脱・日本” (半分はドル建)している事が判る。これが115円までの「円安」の原動力になったのは間違いない。

 昨今 "若者は内向き志向になって海外に出なくなっている” とのやや批判めいた言説を見聞きする。確かに積極的に海外で活躍する機会を探そうとする ”行動” は少なくなっているが、「お金」の動きは全く逆だ。

 「1人の高齢者に3人の看護婦が付きっきり」「看病と言うより介護」

 新型ウイルスの感染者増加に伴って高齢者の重傷者が急増。筆者にも田舎に高齢の母がいるので、治療をして下さっているお医者さんや看護婦さんには頭が下がる。息も絶え絶えの "ご老人" を目の前にすれば放っておけないのも人の情だろう。

 だが最近筆者の胸にはひしひしと ”違和感” が広がっている。

 「飲食店は8時まで、お酒は9時まで」「2歳以下のこどもにもマスクを」「飛沫がかかる可能性がある部活は自粛を」

 肺炎で死亡する確率が高かった第5波までは「しょうがないかな」という感じもあったが、感染者数が増えてもほとんどが軽症の第6波では風向きが変わってきた。短期間ならまだしも、5回も6回も続けば我慢も限界。

 この2年間、政府・自治体が取ってきた政策は:

 「 "ご老人" を救うためにみんな我慢しろ!」

 平たく言えばこういうこと。だが、これは「選挙」を軸に考えれば当然のこと "ご老人" の票で ”当落” が決まってしまうのだから。政治家自身も多くが50歳以上だし、今話題の(苦笑)「日本医師会」が束ねている開業医もそう。「団塊」8百万人を含む、いわゆる「昭和世代」だ。**「シルバーデモクラシー」ここにあり、である。

 **現状では例え20~30代が半分以上投票に行っても50代以上の票を上回れない。だから投票に行かない、という事もあるが、そもそも彼らは与党だ、野党だということに関心が無い「団塊」8百万人が現役引退しても、選挙における「50~80代 > 20~40代」は当面変わらないからだ。

 そこで起こした "ささやかな反乱" が「お金」の ”脱・日本” である。

 例えば有力大学卒業者の希望就職先1位が外資系のコンサル会社だったりするのも一種の ”脱・日本” 。筆者もイギリスの投資銀行に勤めたからわかるが、給与は欧米の基準で決まるし、福利厚生もそう。能力さえ伴えば海外と同じ待遇が受けられる(もっとも駄目ならクビ。苦笑)。日本の "若者" が「日本の外」を求めるのは当然だろう。

 そしてこの ”作戦” の肝が「円安」+「インフレ」

 外資系への就職が増えて国内の労働力が不足すれば「人件費」には上昇圧力がかかるし、「外貨投資」が増えれば「円安」になる「選挙」で戦うより余程分が良い"直感" なのだろうが、 "若者" は結構わかっている

 引退した "ご老人" は "円” の「貯蓄」「年金」で暮らしている「インフレ」は全てをひっくり返す。今でも月7万円程度の国民年金では暮らせないのに、物価が上がればまさに「令和の姥捨て山」これ以上増税して "若者" → "ご老人" に「お金」を流すわけにもいくまい国民が背負う「荷物」。|損切丸|note もこれ以上は無理!

 日本はこんなことを続けていて大丈夫か

  "ご老人" は行く行く "若者" のお世話になる。50代の筆者も、ヨボヨボになってから娘に捨てられたらと思うとぞっとする(苦笑)。こじつけになるが、国外に逃げる「お金」を引き留めるには日銀の「利上げ」が必要手遅れになる前に、今こそ Forward Looking (先見的)な政策が求められる

 とにかく今日本で行われている政策は「バランス」が悪過ぎる この ”違和感” がいつ消えるのか。おそらく ”答え” は「選挙」などではなくマーケットが示すだろう。もう ”動き” は始まっている。

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