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「損切丸」-「日銀」編

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「損切丸」が20年以上 ”お付き合い” させて頂いた「日銀」に関するより突っ込んだ記事をご紹介。
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2020年1月の記事一覧

「ワールド・デジタル通貨構想」 ー 日銀のワーキングペーパーから論点を紐解いてみる。

「ワールド・デジタル通貨構想」 ー 日銀のワーキングペーパーから論点を紐解いてみる。

 一時加熱していたフェイスブックによる「リブラ」については、銀行界を中心にした様々な既得権益からの圧力により一旦頓挫した格好になっている。一方で中央銀行等では「デジタル通貨」発行の機運が高まっており、IMF(国際通貨基金、International Monetary Fund) やBIS(国際決済銀行、Bank for International Settlements )が共同で世界統一の「デジ

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「お金」の価値とは何か ー 「中央銀行」と「金利」の役割。

「お金」の価値とは何か ー 「中央銀行」と「金利」の役割。

 「日銀についてはもうわからないな...」

 2016年1月29日、日本銀行がマイナス金利政策を発表した直後「損切丸」が思ったことだ。欧州中央銀行(ECB)は実行していたものの、まさか日銀はやるまい、と予想していたので、持っていたポジションから出た損失と同時に大きな「虚脱感」を覚えたのを記憶している。

 それまで大損したことはあっても何度も取り返してきたが、この時の「虚脱感」は格別だった。銀行

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「異次元緩和」の功罪 其の2 ー ついに日・独で変化の兆しか。

「異次元緩和」の功罪 其の2 ー ついに日・独で変化の兆しか。

 全く予想外の「イラン空爆」で波乱の幕開けとなった2020年だが、気がつけばNYダウは史上最高値更新、ドル円は110円をあっさりと突破。昨年と同じパターンに戻りつつある。これもまた「トランプ劇場」の一幕だったというのだろうか?(しかし内実を知らないととても手は出せない)

 特にマイナス金利政策や「異次元緩和」を進める日本、ドイツで変化の兆しが見える。まず株価(日経平均、DAX指数)を見てみよう。

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「異次元緩和」の功罪 ー 買占め効果と金余りが生み出す「取引の超短期化」

「異次元緩和」の功罪 ー 買占め効果と金余りが生み出す「取引の超短期化」

 予想外のイラン空爆とトレーダー達のスタートダッシュが相まって、暴走状態で始まった2020年のマーケット。ようやく一息ついたようにも見えるが、果たしてこれで収まるのか大変疑わしい。今回はこの高い変動率(ボラティリティー)の要因を「異次元緩和」の技術的側面、特に「買占め効果」に焦点をあてて分析してみようと思う。

 1.債券、金利市場

 まずは「異次元緩和」の直接ターゲットである債券、金利市場。実

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