写真展『街と人と / four identities』を見に行く/雨だから行けたかもしれない
先週金曜に、新宿四谷のトーテムポールフォトギャラリーで開催されていた写真展へ行ってきた。
4人の写真家さんによる「街と人と」シリーズの第4弾。800枚以上のプリントが空間を埋め尽くす迫力の展示。レギュラーの4名のほかゲスト作品もいくつか展示されていて、実はその中でdaikonflexさんも出展されると聞いてこの写真展に興味を持った。
daikonさんの写真はtwitterで知った。いつもは京都で活動されていて、個展なども主に京都開催。今はなかなか京都まで行けないしなあと思っていたところ、daikonさんが東京在廊の日があるという! チャンス!!
大雨だから行ける、という選択
正直、横浜から都心の人混みに行くとなると少し緊張する。そこで行くのを迷ったのも事実だった。でも天気予報を聞くと「金曜は東海から関東にかけて大雨」という。大雨。余計行きにくいな。いや待てよ。
雨だったらきっと外に出る人の数は減るに違いない。平日昼間だったらあまり混んでいないだろうし、雨のピーク前後だったらもっと行きやすいかもしれない。偶然だけどこれもチャンスなのかも。いそいそとワークマンの防水リュックとジャンパーを用意して雨の中出発した。
人相も分からないままお話を聞く
開場は12時、私が着いた13時過ぎはまだ人がおらず、主催者でもあるヤスダイサオさんとdaikonさんが在廊だった。ご本人だ!!
壁一面に写真、写真、写真。
後で自分が写っている写真を見たら、顔がほぼマスクで表情どころか人相すら分からない状態でした。すみません。この状態で長くいろいろとお話をしてくださったヤスダさん、daikonさん、本当にありがとうございました。
▲ほぼマスク
ちなみに14時過ぎから大雨の中どんどん人が訪れていて、自分が帰る頃は大盛況になっていた。土日もたくさんの来場者があったそう。
やっぱり人が写っていると惹かれる
テーマは「街と人と」で、いろんな人が壁一面に「いる」。モデルさんのいる作品もあれば、街なかのスナップショットもある。どちらにも共通して思ったのは「たぶん本人も覚えていない顔がこうやって残るんだな」というところ。
はい撮りますよ、という顔ではなく。生活の通過点でたまたまシャッターが切られて焼き付けられている。特に道ゆきの人たち、誰かを待ったまま立ち尽くしている顔、急いで歩いている途中の真剣な顔、友達と笑い合っているリラックスした顔。1つ1つはもう絶対再現されないと分かっている、でもここにある不思議。
プリントだから見えること
額装されているもの、剥き出しに貼られているもの、ちぎったり切られたりして置かれているもの。画面だと絶対に「その四角」なのだけれど、大きさも形も自由にできる紙はまだまだ面白い。
L判ばかり見ている目には、やっぱり六つ切りや四つ切りのサイズには迫力を感じる。小さく写っている人物も大きな判だと表情や状況までもが分かって、画面で見るのとは違うストーリーを感じる。
それに、1枚の紙になると(撮影者も鑑賞者も)その景色と長く向き合わざるを得ない。どちらも真剣になる。
デジタルとフィルム
展示されていたのはフィルム写真だったけれど、「そうか」と思ったのはdaikonさんの「日常で撮る写真はほぼiPhone」というお話。
それこそiPhoneで写真を撮る人は世の中に何千万人、何億人もいる。でもいつも思うのがdaikonさんの世界の切り取り方で、これを真似ようと思っても絶対にできない。道具じゃなくてその人の意思と視点が写真になる。
個人的にはフィルム写真のヌルッとした滑らかさや柔らかさのほうが好きではある。でもデジタルはデジタルの攻め方というかやり方があって、毛嫌いしてそこから離れるのも勿体ないなあと思った。
観ると撮りたくなる
来場したいろんな方がツイートしていたのと同じで、行くと刺激を受けて、観ると撮りたくなる。もっと意識的に人が入る構図で撮ってみようかな。コンデジをモノクロ機にして、まだ現像が安いカラーネガをフィルムにあてようかな。でも自分で現像したくなったらモノクロが扱いやすいのかな。
いや、迷っているより先にシャッターを切ったほうが早いかも。
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