年々希望者が少なくなっている学校教師の現状を岡本数春が考えてみた!
こんにちは、岡本数春です。
近ごろ先生同士でのいじめ問題など、学校教育における問題が多く取り上げられるようになりましたね。
公務員の一員として学校教育を担っている『教員』という職業ですが、年々その希望者が少なくなっていることはご存知でしょうか?
本日は、年々希望者が減っている教師の、特に小学校の教師の現状を岡本数春が紹介させていただきます。
減少する小学校の教師
文部科学省の発表によると、平成30年度の公立学校教員採用選考試験の競争率は、4.9倍となり18年連続で低下しています。
中でも小学校の競争率は、それを下回る3.2倍となり7年連続で低下しているのです。
特に九州や東方地方の競争率は低く、昨年の競争率は福岡県1.4倍・山形県1.7倍ともはや壁は低いものになっています。
なぜそのような現象が起きているのでしょう。
現役教師の高齢化
九州や東北地方では50代の高齢な教師が多く、しばらくの間は定年退職の波は続きます。
このことにより少子化の影響はあるものの、採用予定者数は多いままの状態が続くと予想されます。
ちなみに首都圏の受験者数はやや減少していますが、採用者数がかなり減っているため、競争率はアップしています。
特別支援学校の増加
あまり知られていない特別支援学校ですが、2007年までは「盲学校」「ろう学校」「養護学校」に別れていたものが統合されたものになります。
その数は全国で1,130校以上あり、生徒数も増加しています。
障害を抱える子供のための教育が必要なことから、1クラスあたりの生徒数は3人と少なく、特別支援学校の教員は、通常の教員免許に加えて特別支援学校の教員免許も必要とされます。
女性教員の穴埋め
昨年度の小学校における女性教師の割合は約6割です。
中学校が約4割、高等学校が3割弱と、比較すれば明らかに小学校に占める女性教師の割合が多いことがわかります。
理由は単純に女性の受験者が多いことによりますが、小学校は一人で全科目を担当することが多く、ピアノが必要な音楽の授業、料理や裁縫などが含まれる家庭科は、男性よりも女性の方が得意とする傾向が現れています。
女性教師は出産前後に休職する必要があるほか、一般的に育児で休職を願い出るケースが未だ男性よりも多い傾向があります。
休職の穴を埋めるためには、採用試験で不合格となった者が登録する講師バンクに要請することになりますが、競争率が低いために不合格となる者が少なく、講師バンクも自転車操業の状態です。
過酷な労働環境
毎日のように起こるトラブルは、子供が幼いこともあり生徒同士では解決ができないため、教師が間にたつ必要があります。
またモンスターペアレントも、少子化が進むにつれより深刻な問題になっており、ただでさえ忙しいカリキュラムの上に重くのしかかる状況になっています。
それらの原因で、年間約5,000人がうつ病で休職している状況です。
小学校の灯りが夜遅くまで灯っていることから、その労働環境の過酷さがうかがえます。
岡本数春のまとめ
小学校教師の平均年収は554万円と言われています。
労働の対価としては、かなり安い賃金で働いているといえます。先生と慕われる教師を生み出すためには、今こそ抜本的な構造改革が必要なのではないでしょうか。
以上、岡本数春でした!
参考:教員採用選考試験における競争率の低下 ― 処遇改善による人材確保の必要性 ―
https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2019pdf/20191101018.pdf
参考:学校教員統計調査-平成28年度(確定値)結果の概要
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kyouin/kekka/k_detail/1395309.htm