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今、自分は人生を豊かにするために何をすべきなのか考えてみた話。または物欲の脆弱性とアリになろうとする話。


初めまして。現在某外資系IT会社に勤めております、岡林晃嗣(おかばやし こうじ)と申します。
私の自己紹介はこちらをご覧ください。

0.まえがき

最近、僕はとあることに悩んでいる。
それは「自分は何をするべきなのかわからなくなってきたこと」である。
前提として自分はとても今幸せだ。ただなんとなく毎日面白くない

この悩みは自分が30代に突入してからずっと抱えている悩みである。
先日別のnoteでも書いたのだが、自分は毎年年始に「今年1年間で達成したいことリスト」をiPhoneのメモ帳に記入して、年末に紅白をみながら何ができたかな?何ができてないかな?を振り返ることが日課?年課?になっていた。そして毎年それを振り返ることはとても楽しみな瞬間だった。

なぜかというと、自分の成長や掲げた目標を振り返って出来たことを見ると「前に進んでいっている感覚」があったからだ。

自分はこの「前に進んでいっている感覚 ≒ 成長欲」を常に浴びながら、生きていくことに快感を覚える人間なんだと20代の終わりに自覚した。
自分で自己分析をしっかり出来て、大事な価値観を自覚できて、とてもいい20代だったなと心の中では思っていた。

しかしびっくりした事件が起こる。
30代に突入して、最初の年に習慣になっている目標メモを作ろうと思った時に一切手が進まなかった。
目標を立てられなくなっていた。
自分は当時深く考えず、「あー、1年間程度の時間で達成できるような簡単な目標はもう立てられなくなって、5年間とか長い時間をかけて達成できるような大きな目標を掲げていかないといけないのかー、まだそんな先のことわからないし、数年かけて考えていけば良いか」と安直に考えていた。

そして、先日32歳の誕生日を迎えてふと思い出した。
今でも目標を立てられないし、30代になってからずっと立ち止まった感覚がある。ただ、成長していないわけではない。むしろ自分の中ではたくさんいろんなことをやってきたという自覚もある。

そしてその日の夜にふと思った。

「自分は今何をするべきなんだろう?」
2年間、行き先がない中で走り続けているのはとても辛かった。だからといって無理矢理目標を作り出してもしっくり来ないし、何より20代の時は一度もそんなことをしなかったのでやはり何かが違う。

ずっと悩んでいて、だけど全然答えが見つからなかった時に何となくみていたNetflixの新番組「LIGHT HOUSE」のおかげで、一気に自己理解が進んで、この2年間の問題に終止符が打てそうだと思い、見た記憶が薄れないうちに勢いでこのnoteを書き始めた。

2023/8/22に始まったオードリー若林さんと星野源さんのトークバラエティ番組

1.2種類の人間

この番組は、日本を代表する人気クリエイターのオードリー若林さんと星野源さんのお二人が月に1度集まって、1ヶ月の間に考えた悩みや思いをトークテーマとして話をする番組である。
そのテーマのほとんどが内に秘める悩みを吐露しながら、それに対してお二人の考え方を笑いも交えながら話すのだが、3話で12/25に集まって話している会がまさに今自分が抱えている悩みについての話だった。

その中で星野さんがおっしゃっていたことに落雷に打たれた感覚があったので引用する。

「自分は『小さく飽きて、違うところに行こう』を細かく繰り返してきた人生だったんじゃないかと思っていて、今まで行ったことがない場所へ行きたい。『同じことを繰り返せる人』と『繰り返せない人』がいて、僕は行ったことのない場所に行かないと生きていけないんですよ。ずっとループの中にいると壊れちゃう」
「社会人として責任が生まれてくる、手放せない人たちが出てくる、家族もいる。新しい場所に行けない要素で固められてくるんですよ。だから苦しい。」
「忙しい毎日で全部埋っちゃってて、本当に体にきてる。それって忙しい辛さ行ったことがない場所に行けてない不調の二つがあるんじゃないかなと思います。」

「LIGHT HOUSE」第3話より

この話を聞いて、20代の最後に自覚していた自分にとんでもない誤解があったことに気付いた。
自分は「成長欲」がモチベーションややる気になる人間じゃない。「小さい変化」を繰り返していくことで生きることが出来る人間なだけだったんだ。

改めて自分の過去の目標メモを見直してみたら、その中に「福岡旅行に行く」というものが入っていることに気付いた。
冷静に考えるとこんなのは目標ではない。福岡に行ったことないからただ行きたいというだけの願望である。
そういう意味では、自分が今まで目標と呼んでいたものはTargetではなく、New Placeだったんだと思った。New Placeに行くことが自分にとって必要不可欠で、それを求めているだけだったんだと気がついた。

2.自分がやってきた過去の変化を起こす2つのアプローチ

そういう意味では今まで自分を振り返ると、常に新しい場所へ行くためにたくさんの変化を繰り返してきた人間であることは間違いないと思う。

社会人になる前に一度内定をもらった会社をお断りし、本当にやりたい仕事を見つけるためにわざわざ大学を卒業できないよう単位を少しだけ取りこぼして、就活を2回してみたり、転職も2回して様々なジャンルの会社で働き、それぞれには2~3年程度しかいない。副業もやってみたりして、法人まで設立して事業もやってみたりしてる。
プライベートでは自宅を35年ローンを組んで購入したかと思えば、2年で売るし、麻雀のプロテストを受けて、今でもプロ雀士として大会などに参加させてもらっている。
周りの人からは「多動すぎていつ寝てるのかわかりませんね」って言われるくらいにはちょこまかといろんなことをやってきたかと思っている。

いろんな変化を起こすという意味では今までの自分の変化の生み出し方には2つのアプローチがあった。

1つ目は「環境」に変化を加えてみること。ここでいう環境というのは、会社や仕事を変えるだけでなく、住む場所を変える、新しいことに挑戦してみることも含む。仕事関連のものは全てこれらに属し、麻雀プロになって挑戦することもその一つだと整理できる。
これらの変化を起こすと、人間関係の変化と2つ目の変化ともつながる部分があるが収入の変化があった。

2つ目は物欲を持ち続けて、満たすことだ。
仕事を頑張ることで自分の可処分所得を爆発的に増やすことができた。それらを利用することで、憧れを自分で所有するということができた。
「あの車に乗りたい」、「あのブランドの服を着たい」みたいな物欲は自分にとってはとても明確な目標にしやすく、かつ仕事を頑張ることで叶えることができる変化の一つだった。
更に難易度が上がれば上がるほど(基本的には値段が高くなる)、それらは自分にとって大きな変化の振り子を揺らしてくれるもの、のはずだった、、、

3.物欲が変化の振り子として脆弱だと気付いた瞬間

自分は今32歳になったが、2回転職活動をし、2回家を購入し、3回車を購入している。しかもそれぞれの経験ですべて幸運なことにジャンプアップをすることができている。

転職では新卒の会社を辞める時に当時の給与よりも高いオファーをもらって2番目の会社にいき、そこでも給料を上げいただきつつ、3番目の会社ではそれよりも高いオファーをもらい、その中でも給料を上げていただいている。新卒の時から考えると信じられなくくらいの給料を今ではもらっていて、十分なジャンプアップができているのでは無いかと自分でも思う。

家購入についても、1回目で組んだ数千万前半のローンは当時の自分で組めるMaxで、それでも物件価格にはほど遠かったので奥さんとペアローンを組まないと購入できなかった。その後自宅を売却した時に出た利益や上がった給料を元に2回目の購入では1人で1億を超えるローンを組み、都心に近いエリアに家を買うことができた。車も同じだ。毎回買い換えるたびにグレードを上げてきた。

この経験を通して自分の中で明確気付いたことがある。

転職,不動産購入,車購入の全てに共通して、最初の経験が圧倒的に自分にとって大きな変化だった。

2回目の転職,2回目の自宅購入,2,3回目の車の購入は全て1回目以上にジャンプアップできたのに変化は小さかったのだ。

それはなぜか今日分かった。

1回目の経験は自分にとって、New Placeへのとても大きな1歩だったのだ。
それに対して、それ以外の経験は全て自分の物欲を満たすための変化だった。

同時に物欲を使って変化を生み出すアプローチの脆弱性を理解した。

例えば自分がポルシェのカイエンが欲しかったとする。
男にとって「憧れの車に乗るという夢」は一度は叶えたい夢の一つだと思っている。毎日のようにYouTubeでカイエンオーナーの動画を見てみたり、カーセンサーで中古車を調べてみたりして、毎日ワクワクが止まらない。それは憧れのカイエンを乗り回して、悦に浸っている想像だけで白飯を食べれるほどであろう。

そしてついに憧れの車を購入することができた。憧れのカイエンに乗っている自分。興奮はおさまらない。

ただその熱は1ヶ月も持たない。気付いたらカイエンはすっかり日常に溶け込んでいて、初日に感じたあの興奮は薄まっているのだ。

それどころかカイエンではなく、ベンツのゲレンデを街中で見るたびにそっちの方が欲しくなっている自分に気付く。

そう、物欲は
・得るまでの過程が変化の振り幅
・満たした瞬間がゴールとなり、得てしまうと変化は終わってしまう
・それどころか更に高いところ新たな物欲を求めてしまう
という終わりなき旅をループしているだけなのだ。物欲の先にはNew Placeは存在しなかった。

4.自分の今後について

自分は今日「変化をしないと生きていけない生き物」という自己理解と、今まで行ってきた変化の加え方、そして一つのアプローチが誤った方法だと気がついた。それを踏まえて下記をやっていきたいと考えている。

それは「新しい場所に行きたいと思った時に行きやすくするための準備」

これから生活をしていくと、さまざまなことが原因で新しい場所にいけないことが増えるのでは無いかと思っている。
自分の話に置き換えると、物理的には「出社が強制されている職場」、「持ち家」、「大きめの駐車場が必要な車」だったり、心理的には「生活をしていくための余裕資産」、「時間」だったりするのかなと思う。
現時点では大きな問題にはならないものの、自分の人生にとってはそれぞれが足枷になってくることはあるのでは無いかと思う。

ただこの足枷たちを外して今すぐ新しい場所に行けるかというとそれは難しくって、なぜならまだ十分な準備が全然できていない。

この準備を着々と進めていくことが30代の自分がやらないといけないことなのではないかと考えている。

表参道のおしゃれなカフェで食べる1500円のランチ、初めて行った海外の国、新しい環境で新しい人たちと過ごした会社など20代までは日常や人間生活の延長線上にNew Placeがたくさん存在していた。

しかし、これからはNew Placeを自分で作っていく必要があって、それらを得るために綿密に練られた準備が重要だと考えている。

おそらく新しい場所を求め続けることは変えられないし、それが楽しいと感じているならそればっかりで人生を埋めていきたいからこそ、今はまるでアリとキリギリスのアリのようにせっせと働いて、いろんな準備をしていこうかな。

5.あとがき

まずここまで読んでいただきましてありがとうございました。
最後に2つのことを書きたいと思います。
1つ目はここまで書いたものの物欲というのは恐ろしく気付いたらあれ欲しいなとか考えちゃってるんですよね。
最近出会った本が物欲との向き合い方を教えてくれる本だったのでそれを紹介できればと思います。(アフィでは無いので、リンクではなく画像にします)

「欲望の見つけ方」
Amazonなどで売っております。

更なる自己理解の解像度を上げたい方は読んでみてください。

2つ目は最後に書いた「新しい場所に行くための準備」について、これは決して「色々なものを所有しない」という意味ではないということです。
今の時代「所有しなくても生きていける」とは思っていて、沢山のものがシェア出来る時代になりました。

一方で所有することで得られる体験あると思っていて、先日自分でもあえて所有することについてTwitterでも言及しました。

なのであくまでも「新しい場所にいく」ために所有することが必要なら、それは積極的にやるべきだと思っています。
ただ持ちすぎていると身動き取りづらいよねというこれもまた難しいお話だなと思っています。

以上です!ありがとうございました!

P.S. サムネイルの画像はこの記事にピッタリくるものが見つからずに画像生成AIに依頼して作ってもらいました。

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