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鑑賞*散り敷きて雨呼ぶ萩となりにけり

 西浦
 この日は雨が降りそうで止みそうで微妙な天気が続いた。吟行の時は晴れているのが望ましいが、俳人であらば雨なら雨の句を作ることができる。雨は「天気悪い」とは言ってはいけないのである。
 ただ、バスを降りて傘を持って歩くとなると片手が塞がる。ペンを持つが紙が持てない。不便ではある。
 この雨は誰が呼んだのか。参加者の誰のせいでもない、花のせいにすることができる。これもまた俳句の効用である。
 放光寺は「花の寺」。参道に沿って紅白の萩が横一列に滝のように垂れ下っていた。ただ、花の盛りを過ぎたこともあってか雨に打たれて一層寂しく哀れに見えた。

(俳句雑誌「風友」平成二十四年一月号 「風友」五周年記念大会吟行記「笛吹川の風美しく」)

☆放光寺の萩・・・動画の開始33秒に一瞬だけ映ります。『放光寺参道に市が立つ - YouTube』(かつぬま朝日放送)

放光寺の位置。
山梨県甲州市塩山藤木にある。笛吹川の左岸沿い。

(岡田 耕)

*参考文献
放光寺 (甲州市) - Wikipedia
放光寺トップページ - 真言宗智山派 高橋山 放光寺 (hokoji.org)

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