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歳時記を旅する46〔左義長〕前*炎柱に闇おしよせるどんど焼

土生 重次
(平成十一年作、『刻』)
 どんど焼は全国で行われる正月行事。左義長、賽の神、道祖神祭などいろいろの名称がある。国指定重要無形民俗文化財に指定されている大磯の左義長もその一つ。
その歴史は四百年と言われているようだが、その名前は初めから「左義長」ではなかった。賽の神祭や道祖神と呼ばれていたものが、文献によれば、「有名な某氏がどんどん焼の行事を見て左義長祭だと言った事が名の起り」で、大正十四年頃から左義長祭と言う様になったとある。
 大磯海岸では、一月十四日十八時三十分、砂浜に作られた九つの部落のさいと(柴灯・火塔)に世話人たちがひうち石で聖火を切り、その年の恵方に火をつける。
 句は、明るい炎が、夜が更けていくのを実感させる。
 
(岡田 耕)

(俳句雑誌『風友』令和六年一月号「風の軌跡ー重次俳句の系譜ー」)

☆大磯町の左義長で、matsuritripさんが写真を寄せられています。

写真/岡田耕(大磯町)
*参考文献
『大磯文化史』大磯町文化史編纂委員会 1956年
『大磯町史』  大磯町 2003年




   


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