見出し画像

【開催レポート】目的のない読書会 (えぬ会) 第9回 2023年4月21日(金)

ゆる~く、気さくな紹介型読書会
目的のない読書会、通称「えぬ会」第9回が開催されました。

目的のない読書会 (えぬ会) 第9回
2023年4月21日(金) 19時20分~21時
水野ゼミの本屋
主催:鳩麦開卓所

参加者4名と、見学者が2名。
ゆったり、まったりと進行しました。

紹介された本

伊坂幸太郎『クジラアタマの王様』(2019年、NHK出版)
佐藤究『テスカトリポカ』(2021年、KADOKAWA)
山口謠司『面白くて眠れなくなる日本語学』(2023年、PHP研究所)
山口謠司『日本語を作った男 上田万年とその時代』(2016年、集英社インターナショナル)
アサウラ『ベン・トー』(2008年、集英社スーパーダッシュ文庫)

最初に紹介されたのは、伊坂幸太郎『クジラアタマの王様」。
夢で一緒に戦いましたよね?と声を掛けられるところから始まる物語だそうです。
様々な出来事が伏線となって結末を迎える、伊坂さんお得意の手法で描かれているとのことです。

次は、私が紹介しました、佐藤究『テスカトリポカ』。
メキシコ、川崎、インドネシアを舞台に、麻薬戦争と臓器売買が、グローバルな資本主義の中で冷徹に進められ、貧困と暴力を加速させる、という内容の作品。
500頁を超える大部でしたが、一気読みしてしまう面白さでした。

次に紹介されたのは、山口謠司先生の2作。『面白くて眠れなくなる日本語学』と『日本語を作った男 上田万年とその時代』。
恥ずかしながら、上田万年という方を初めて知りました。明治期の言語学者だそうで、日本語の新仮名遣いを提唱されたそうですが、旧仮名遣い派の森鴎外に一蹴されたそうです。
水野ゼミでは明治から昭和初期の埋もれた小説を復刊していますので、仮名遣いにはいつも苦労しています。ぜひ拝読したい一冊です。

最後は、アサウラ『ベン・トー』。
TVアニメ化もされた有名な作品だそうです。
「ベン・トー」は弁当。閉店間際の半額弁当の争奪戦を、ヤンキー漫画の世界観を借りて描いたライトノベルとのこと。
「ハーフプライサー同好会」という高校のクラブ活動として、このバトルを行っているそうです。
水野ゼミの本屋のお店番から帰宅するときに、天神橋筋商店街でいつも、半額弁当争奪戦が繰り広げられています。彼らがハーフプライサーだと思うと、足を止めて観戦してみたくなります。

えぬ会は、参加者間相互のコミュニケーションを重視されている読書会です。
主催者から「ええやんカード」が配られて、参加者は紹介された本についてのコメントを書き、紹介者に渡します。私もたくさんのええやんカードをいただきました。

この日、見学をしていたのは、水野ゼミの新人学生2名。
お一人は普段、全く本を読まないとのこと。読書会を見学後、「みなさん楽しそうに本の話をしているのが印象的でした」と。
彼にとってはこれまで、読書は苦行だったのでしょうね。
本はコミュニケーション・ツールでもある、ということを「えぬ会」が彼に教えてくださったのだと思います。

次回開催予定

2023年5月19日(金)19時20分~21時
水野ゼミの本屋
詳しくはこちら

次回は記念すべき、第10回です。
初めての方も、常連の方も、ぜひお越しください。
どうゆう雰囲気なの、どんな人が集まっているのか不安、という方は、過去の開催レポートをご参考に。

過去の開催レポート

第8回の開催レポートはこちら
第7回の開催レポートはこちら
第6回の開催レポートはこちら
第5回の開催レポートはこちら
第4回の開催レポートはこちら
第3回の開催レポートはこちら
第2回の開催レポートはこちら
第1回の開催レポートはこちら

文責 水野五郎

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?