🇫🇷グルメなフランス旅気分『チーズ屋さん』でお買い物vol.1

✒︎ リリアーヌと行くグルメなフランス旅気分
『お買い物』シリーズ第４話
今回は、本場フランスで『チーズのお買い物』

フランス人にとって、
食とは「会話」と共にあるもの。
私が旅して出逢った食は、
様々な感情や人々との「思い出」と共にある。
一緒に過去にタイムスリップして、おいしいフランス旅気分を！

やみつきチーズへの道

◎チーズの記憶
幼稚園くらいだったかな。
三角のアルミ箔は剥がすアレ。「なんか歯にくっ付くしぃ。あんま好きじゃない。」っておぼろげに感じた、50年近くも昔の話。

◎フランス料理屋さん
小学校高学年の頃。
暮らしていた某都内の駅近に、小さなフレンチレストランがオープンした。今では驚きもしないことだけど、なんたって時代が時代。都心に行かずとも食べられるなんて画期的なことだった。どうしても行ってみたくて母と二人で。漆喰の淡い色した壁の２階建て。それだけで妙にワクワクした。

◎マカロニグラタン
運ばれてきたグラタンは、横長の取っ手が付いたオーブン皿。「お熱いのでご注意ください」って、グツグツし立てじゃん！サラッとしたホワイトソースからすくったマカロニは、真っ直ぐに長くてやけに大きかった。日本のとは明らかに違う。

そして、とろ～り伸びる濃厚チーズにバキューン！
こ、こ、これがチーーーーーーズ？！
子供ながらに「知らないって、なんて人生損なんだ！」と。こうして“やみつきチーズの道“へと進み始めた。

◎チーズ尽くし
学生時代は、グラタン＆ドリア生活。何でもチーズかけてトースターで焼いて、ファミレスではお決まり注文で山盛りの粉チーズ。
社会人になると、夜の酒場で「チーズの盛り合わせ」たる神々しいものと出会った。サラミと薄くカットされた数種類のチーズ。やがて本場おフランスが進出してくると、鼻に抜ける香りはもはや快楽。

◎チーズ仲間
娘が小学校に上がると、誕生日のプレゼントは専門店のお高いチーズが欲しいと言うほどのチーズ好きに。私の相棒に相応しい成長を遂げた。色んな種類をちょこちょこ買っては至福の時を共有。こうして、私にとってチーズは、この世で最も好きな食べ物Best３をキープし続けている。

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チーズ屋さんの敷居

いつか本場のフランスに行って好きなようにチーズを選んでみたい。そんな夢が叶う念願のフランス旅。チーズ屋さんを前に、いざお買い物！のはずが…なんと買わずに、いや買えずに去ってしまった…何気にハードルが高い買い物。情けなかった私の話はこちら ↓

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チーズが買えるお店

１．スーパーマーケット
２．チーズ専門店
３．マルシェ

◎ スーパーマーケット
日本のスーパーで売られてるのと同じように、既に箱やパック詰めされてるのがずらりと並ぶ。フランス人がいかに日常的に気軽に食べてるかがよく分かる。カマンベールやラクレット等のお馴染みの王道が目に止まる。こんな値段でいいんですか？くらい安くて、旅の途中でも利用しやすい小ぶりなのも多い。

スーパーでのお買い物は簡単！
欲しいのをレジに持っていくだけ。じっくりゆっくり吟味して、フランス語が分からなければ携帯の翻訳カメラって手もある。

翻訳カメラって？
１．Google翻訳のアプリを開く
２．上部の【フランス語】⇆【日本語】に設定
　　※【⇆】これをタップすると翻訳が逆になる
３．中央付近にある【カメラ入力】をタップ
４．訳したいフランス語を撮影するように近くでかざすと、自動で日本語に翻訳された言葉が表示される

こんな便利な神機能、ホント感謝感激。メニューだって切符だって大抵のことは何とかなる。公の場では、周りを見て注意は必要だけど。KYだったり、観光客って見透かされて、レジに行ったら財布がない！なんてあり得るから。

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◎ チーズ専門店
チーズだけを扱うお店。路面店か大型スーパーの中に特設されてるか。どっちも拘りの品揃え。直径50㎝？ありそうな原型だったり、出来立てほやほやのフレッシュタイプに、カビ生え放題の熟成タイプだったり。価格は上がるけど、それでも日本の半分、3分の１、もっと安いのもある。

全て裸売り。買うには店員さんに依頼しないといけない。これがハードルが高い理由のひとつ。

想像してみて。
小さなお店で、対面の店員さんと二人きり。
大量の種類を目の前にワクワクしてると…
「買うの？買わないの？」っていう無言の圧。
見た目じゃどんな味かは分からない。
プライスはフランス語のチーズ用語だらけ。
そこに次のお客さんが入って来た…
「先？後？買うの？」圧は２倍！3倍！
「あっ、入る店間違えました…」

※選び方、買い方は次号で。

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◎ マルシェ
地元の暮らしを支える庶民の台所。野菜や果物、パンやお肉、お惣菜などと並んでチーズ屋さんも出店してたりする。田舎へ行くほど、農家産のココでしか買えない手作り直売にも出会えるのが魅力。

「試食してみな」って気前よく、声をかけてくれてフレンドリー。（じゃない人も当然いる）日本ならこれでいくらよ？ってくらいに大きなカットで渡してくれることも。

チーズの保存方法によって、冷蔵ケースに入ってる場合とそのまんまの場合と。ホコリ？衛生？それ、必要？と言わんばかりに。でも、これぞフランスの食文化の原点。気取った高級レストランのチーズワゴンだってそんなもん。

パンだって小皿の上じゃない、テーブル直置きも普通。パンくず？全く気にしませんが何か？テーブルマナー？何ですかそれ？の世界。

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チーズを買うフランス旅

［１回目］
仕事の出張で、チーズを食べるタイミングは何度もあったけど、個人的に買う時間は一切なく、いつか自分で買ってみたい！って夢だけが残った。

［２回目］
その4年後。ゼロだったフランス語もかじり、次女との母娘旅で、念願のマルシェでお買い物するもチーズを前に買えず。

［３回目］
その2年後。長女の結婚を機に、母娘旅でフランスへ。フランス語は、全然上達してないけど、チーズの知識や単語は少し増えていた。

さて、３度目の正直なるか？

◎行き先は？
長女からは、取り敢えずパリでしょ！って、そりゃそうだ。それが大多数の女子ってもんよ。

私はと言うと、どうしても田舎に行きたい少数派。自分の行きたい、やりたいを並べて、調べては組み立ててく旅計画。それもまた旅のお楽しみ。

◎世界遺産モンサンミッシェル
足を伸ばして田舎へ。
一生に一度は訪れたい場所。パリから高速列車＋バスで約3時間ほどで行けるけど、日本人ガイド付きの往復直通バスにした。移動が楽なのと歴史や説明を聞きたかったから。日本からネットでチケット手配。何でも簡単にできる時代になったもんだ。

◎ノルマンディー地方のチーズ屋さん
道中に途中下車が付いてるコース。段々田舎らしく私好みになってきたところで…

ガイド：「間もなく中間地点に到着致します。道なりにお菓子屋さんやパン屋やさんにチーズ屋さんもありますので、是非お買い物してみてくださいね。」
私：「なぬっ、チーズ屋さん？やっと買える！」
ガイド：「停車時間は、20分です！」
私：「に、に、20分？お店探してる間に終わるわ！マズイ！また買えないかも（焦）」
「ママ、絶対チーズ屋さん行くからね！あと、パン屋さんも！」（朝食抜きで腹ペコ）

優雅なフランス旅行なんて悠長なことは言ってらんない、もはやバリバリの戦闘モード！

ピーーーッ
バスの扉が開いた！行けーーーっ！
競馬のスタートダッシュかってくらいの鼻息！

暖かい南フランスとは全然違う、寒い北の地域の家並み。へ～、写真撮ろ撮ろっ。早歩きでパシャパシャ。結局イマイチの写真が数枚だけ。

チーズ屋さんどこ？あった！

お店に入ると、ぷ～んと思わず深呼吸。

・・・

・・・多すぎる・・・

タイムリミットはあと10分。
ノルマンディー地方の「Pavé d’Auge」（パヴェ ドージュ）500ｇ。重っ！カマンベールのような白カビチーズ。木箱入りでカット依頼不要。迷ってる暇はない。真空パックもお願いして、あっけなく任務完了！

あっ、パン！
急げーーーー！

先着のお客さんがモタモタしてる。早く早く早くー！！！
この地域はリンゴが名産。タルトレットノルマンディー（リンゴのタルト）と、パンオショコラ（チョコデニッシュ）に狙いを定め、ギリギリで順番がきた！フランス語で買ってみたいとか、もうどうでもいい。コレとコレ！指さして終わり。

ガイド：これよりバスは、モンサンミシェルへと向かいま～す。

ガイド：町見学は楽しめましたかぁ？
私：・・・（細目）集団ツアー、十分理解いたしました。
チーズ屋さんのレジでとっさに追加したヤギのチーズ（ロカマドール）が、私の眉間のシワを一瞬でほぐしてくれ、感無量。タルトも激旨！

こうして、悲願の「チーズ屋さんで独りでお買い物をする」っていう、6年越しの、いやぁ長すぎた！大人の小さな夢が叶った瞬間。

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最後までお付き合いありがとうございました。少しでもフランスを身近に感じ、楽しんでいただけたらうれしい限りです。

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次回のテーマ

✒︎ リリアーヌと行くおいしいフランス旅気分
『お買い物シリーズ』第５話
次は、カット依頼するチーズのお買い物。
・チーズを素早く選ぶ方法
・カット依頼と買い方
・保存と日本に持ち帰る方法

◎『お買い物シリーズ』では
普段使いのお店のこと、フランス人のお買い物術、私が暮らすように旅したおつかいシーンへと続きます。どうぞお楽しみに！

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