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蛇の花 【奥入瀬 24/5/31】
一風変わったデザインの花が
森のあちこちで目立つようになりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1717245324864-mBxZxO1Lb8.jpg?width=800)
その名もマムシグサ※。
花の部分が蛇の頭を思わせますが、
名前の由来として広く知られているのは
茎(偽茎)の部分の模様が蛇に見えるというもの。
![](https://assets.st-note.com/img/1717246322345-UxWb2b3meL.jpg?width=800)
奥入瀬渓流で本物のマムシに出くわすことは
ほとんどありませんが、このマムシには
比較的いろんな場所でよく出くわします。
花のデザインとネーミングが相まって、
食虫植物のようにも思えてしまいますが、
そういうわけではありません。
花粉を運んでもらう為のお手伝いとして、
花の中に虫を招き入れています。
![](https://assets.st-note.com/img/1717246686069-crVwigpwd0.jpg?width=800)
中から突き出ている突起から虫にだけわかる
フェロモンのようなものを放っているのか、
小さなハエの仲間が誘い込まれていきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1717247483747-lOZWqof67i.jpg?width=800)
一度中に入ってしまうと上から脱出することは
困難な構造になっていて、ハエは出口を探して
花の奥深くへと潜り込みます。
突起の部分は花ではなく、本当の花は突起の
根元のあたりに隠されていて、出口を探すハエが
この花の上を歩き回ることで花粉まみれに。
雄花の写真の根元、白い部分をよく見ると
わずかに隙間が空いていることがわかります。
これが花粉まみれのハエを逃す脱出口です。
雌花を見てみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1717247692397-QUoC901gQD.jpg?width=800)
なんと雌花には脱出口が用意されていない!
雌花に迷い込んだハエは雄花と同じように
出口はないのかと探し回りますが、その間に
花粉まみれの身体で雌しべに接触することで
受粉が完了するわけです。
お手伝いと言うと聞こえが良いのですが、実情は
そんなかわいいものではありませんでした。
しかし、雄花からの脱出の時点で相当に
苦労しているはずなのに、懲りもせず
また雌花に誘い込まれてしまうとは、
それほど魅惑的な何かがあるのでしょうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1717249801849-eg76zT0lc1.jpg?width=800)
この動物の爪を思わせるような透かしの部分。
下から覗くとすごく綺麗なんです。
虫の目線から見た時にも、
おっ!?綺麗だな!何アレ!?
みたいな事が起きてたりしないかなぁ?笑
この花には虫の誘い込みだけでなく、他にも
面白い生態があるのですが、実りの秋にも
また紹介することになると思うので、
その時にお話したいと思います(^^)
※マムシグサの仲間にはよく似た種がたくさん
あるのですが、この記事内では仲間の総称として
マムシグサとだけ表記しています。
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