春を誘う鳥 【奥入瀬 24/3/24】
朝の奥入瀬渓流が鳥の歌声でどんどん賑やかになってきました。
奥入瀬渓流の谷のあちこちからミソサザイのさえずりが聞こえてきます。
ちょっと前までは縄張りの主張の為か短い声が少しだけ聞こえてくる程度でしたが、今ではもう本調子で「お嫁さん募集してまーす!」と高らかに
さえずりまくり。
これからが恋の本番!
であることは間違いありませんが、実はもっと前から準備は始まっています。
子育てをする為の巣を作っておいてからメスにアピールを始めるんです。
でもこの巣は外側だけしか完成していない状態。
メスが内見してその巣を気に入ったら無事にカップル成立なんだとか。
巣の内側を作るのはメスのお仕事。
「家具は全部私が選ぶからアナタは口出ししないで!」的な?笑
大事な卵を抱えるスペースですから、こだわって仕上げたいんでしょうね。
もう何年も前ですが、運良くミソサザイが巣を作っている様子を観察できたことがあります。
苔や小枝をせっせと集めてきては、くちばしひとつで器用に編み込むように作っていきます。
人間のような器用な手を持たない鳥がどうやって巣をこしらえるのか。
この巣作りを観察できた時に、なるほどな!と思えたことがありました。
この巣作りの様子は動画にも収めてあるので、是非ご覧になってみてください。
※音量注意。滝のすぐ側なので水音がデカいです。
ドリルのようにくちばしをグリグリしながら苔を絡ませていることがよくわかります。
この様子が羊毛フェルトの作品づくりとよく似ているなと思ったんです。
羊毛フェルトは専用のニードルで繰り返し刺すことで、羊毛の繊維が絡まり合い固まります。
ミソサザイのグリグリしながら苔をさしこむ様子はまさにこれなんじゃないかと。
よく見ると巣材に使用している苔のほとんどが細長い繊維状のもので、絡めやすい苔をちゃんと選別していることが分かります。
すごいなぁ。考えられてるなぁ。
この巣が子育てに無事に使われたのかどうかはわかりませんが、奥入瀬渓流に歌声を響かせるミソサザイの中にこの巣出身の個体がいるかも?
たとえこの巣ではなくても、次世代に命が繋がっていたなら嬉しいですね。
ミソサザイはこれで終わりではなく、またどこかで登場する予定です。
その時には美しい歌声を動画でお届けしたいっ…!
乞うご期待!
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