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仕事ができる男は料理もうまい

仕事ができる男は料理もうまい

はじめに

最近、家内が両親と旅行に出かけることが多くなりました。そうすると、どうしても「強制執行」で料理をする機会が増えてきました。

料理番組やネット上のレシピなどが気になり、色々と試してみたりします。また、料理に関連する本をいくつか読んだりします。

よく料理とは仕事の段取りとにていると言われます。これは知識の整理やアウトプットにも共通するものです。

確かに、料理と仕事の仕方には共通点がありそうです。

仕事ができる男は料理もうまい

例えば、男子料理研究家で「メンズキッチン」を運営する福本陽子さんの著書「料理ができる男は無敵である」では、彼女は「仕事ができる男は料理もうまい」と言います。

料理ができる男は無敵である

なぜならば、「男の料理には無敵の男になるためのエッセンスがたくさん秘められているからだ」といいます。

福本さんは成功している経営者には、料理が上手な人が多い、とご自身のメンズキッチンを運営されている中で発見されたそうです。

料理をすれば仕事の五感が磨かれる

彼女曰く、料理をすれば仕事の五感が磨かれるとのこと。

フランス料理の哲学

別の視点でフランス料理を考えてみます。

フランス料理の哲学の中の一つと言えるらしいのですが、「miese-en-place」という言葉があります。

この言葉自体の意味は、設定する、セットアップする下準備をするというようなものです。

もう一つの言い方としては、「あるべき場所にあるべきものがある」。つまり、「いつでも取り出せるような状態」になっているというようなことも指すようです。

よく料理番組を見ていますと、3分の番組とかあります。

キューピー「3分クッキング」は、軽快なタイトルミュージックと簡単簡潔にできる料理の長寿番組です。

キューピー「3分クッキング」

このプログラムでは、もう見ている前でのほんの短い間に、カメラの前で程度料理されたものが準備されていて次々と動いていきます。

小皿というか、小さなボールの中に材料がもうそこに入っています。

例えば、椎茸を切ったものとか、野菜を切ったものとか、そういったものが、それぞれの材料ごとに器に入って並んでいます。

そして順番に従って、フライパンや鍋の中に入れて作業していく。こういうのをよくご覧いただくことがあると思います。

そんなイメージでしょうか。あるべきものものがあるべきところにある。つまり下準備ができていて、あとは料理をするだけというような状況です。

料理のシステムが生産性との共通点

ジャーナリストのダン・チャーナースという人は、彼の著書で「Work Clean」、つまり「綺麗に仕事をする」「整理された仕事をする」という意味のタイトルの本です。

Work Clean: The Life-Changing Power of Mise-En-Place to Organize Your Life, Work and Mind

この本では、「フランス料理人が持つ料理のシステムと知識の管理や仕事の進め方、生産性と共通点がある」という言い方をしています。

チャーナス氏は次の4つの共通点を挙げています。

  • 下ごしらえと段取り

  • プレースホールダー

  • スピード

  • 仕上げのメンタリティ

まず第1に重要なポイントとして彼が挙げているのが、下ごしらえ、下準備と段取りであり手順です。

第2にプレースホルダ。つまり、置き場所ですね、どこに必要なものが置いてあるか、いつも取り出せるような状況になっているか

第3としてお客さまの食事の進行に合わせたスピード。つまり適切なタイミングと終了点です。

そして最後に、仕上げのメンタリティ。逆向き思考により終着点で全てがうまく完了するという逆残思考のプロセスです。

ホスピタルティと料理の現場

これをレストランの現場をイメージしてみます。

フランス料理の厨房

料理人というのは、お客さんが入ってきてテーブルで、もう今か今かと、料理が出てくるのを待っているわけです。

しかも、コース料理であれば、最初に何が出て、次に何が出て、お客さんがどれぐらいのスピードでそれを食べていて、など様子を見ながら料理を進めていかなければいけません。

つまり、アウトプット、例えば締め切りという言い方もできるかもしれませんが、それに合わせて全ての作業が、仕事が進んでいく

そしてお客さんがデザートを食べ終わった後には、そのお客さんの仕事の全てが終了している。

お客さんはその後満足をして、コックさんにお礼を言うかどうかわかりませんが、お金を払ってお店をあとにするということになるわけです。

そしてお客さんが本当に満足をして、また来たいと思ってもらえるかどうか、が料理人の勝負ということになるわけですね。

Adobe Stock / Gregory Lee

こういった完璧に整理された料理は、スムーズな段取りと、料理に必要なプレースホルダ。それから料理の順序と材料の調合、お客の食事の進み方に合わせたコース料理の仕上げのタイミングがあります。

そしてプラスアルファ、後片付けというものが待っています。

というのも、翌日来て作業をしたままの散らかった状態で仕事を始めるわけではありません。仕事が終わった後は、綺麗に片付いているということになるわけです。

料理は日々の仕事やプロジェクトに共通する

そしてこういったこと、全て、私達日々の仕事やプロジェクトにも共通すると言えないでしょうか。

ということは、こういった何か料理にも共通する、そういった整理の仕方、仕事の進め方、それから、締め切りやアウトプットのタイミング、そしてクオリティ、などなど。

そういったもの、知識・情報の整理、そして、例えば執筆をしたり何かクリエイティブなものを作ったりプロトタイプを作ったり、企画書を書いたりといったようなところと共通する部分が少なくありません。

何か共通点があるとすれば、この後からも、その辺のところをもう少し詳しく探っていけたらなと思っています。

とにかく明るいやまけんがお届けした人生後半戦のハーフタイムでした。次の配信もお楽しみに。


第2の脳: ナレッジブレイン・ニューズレター

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