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図書館というシステムが教えてくれること - ある近隣の図書館での出来事から考える・・・知識の近未来

図書館というシステムが教えてくれること これまでの「ジャストインケース」の知識システムには限界が訪れています。本日に図書館で起こった事件から「ジャストインタイム」の知識管理の考え方を探ります。


今回は、本日、私大山自身に実際に起こった事件について書いてみようと思います。

私が日常的に通う場所に、近隣の図書館があります。

コロナの緊急事態宣言で休館となっていましたが、他の公共施設と同様、ここが段階的に再開を始めました。

こういった都内施設は、緊急事態宣言の1ヶ月半の期間は全くのの休業状態でした。


私の大好きな場所、近くの図書館

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以前も書きましたが、休館中は本の返却さえ認めてもらえません。借りた本の貸出期間はその休業期間がそのまま延長となっていました。

そして先日、やっとのことで一部開業となりました。

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ということは、借りていた30冊の本のリストには、再開後には一気に貸出期限が訪れることになります。

はらはらしながら待っていましたが、「やばっ」と思い早速返却に向います。

返却の対象となったのは全部で24冊・・・!あまりにも重そうなので、写真に撮ってみました。

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えっ、また本が返せない?

仕事から帰宅後の返却です。

この10キロにもなろうかという紙の塊を、最近活躍している(有料となったスーパーの対策用に購入した)ショッピング袋に入れ肩にかついで問題の図書館へ向かいます。

しかしなんと、時すでに遅し。時短で段階的に開業した図書館は午後7時には閉館!

一瞬落ち込みましたが、入り口横になんと「本の返却口」を発見。

そこで、抱えた本を次々と返却口から投げ込むことになりました。全てを投函し、やれやれと帰宅します。


さて、翌日の朝、早朝に目が覚め朝飯前の一仕事・・・。

パソコンを開き、ふと次の借りたい本をチェックすると、なんと返したはずの中の一冊が滞納となっているではありませんか!

これは納得いきません。そんなことはないと考え、本日夕方の仕事帰りにクレーマー状態となって図書館へと向かいます。


本日図書館で起こったこと

本日、その後に期限となったもう一冊を持って図書館のフロントへ。飛沫対策で透明な膜の中の司書さんとお話です。

一冊を返却しながら、滞納となっている本をクレームします。

すると、フロントからバックオフィスの書棚まで確認に消えていきます。しばらくしていったん戻り、引き続き確認中と、今度は区内の他の保管図書館の担当者と確認するとのこと。

この間、15分もの間待たされます。

そして最終的には、図書館の責任者と一緒に現れどこにも見つからないという説明となりました。

自宅にあるかもしれないので、確認してほしいとのこと・・・。

一瞬戸惑いましたけれど、仕方なく、帰宅して確認します。

すると、先日返却した24冊の内の3冊シリーズで借りていた本を二冊返却した内、なんと、一冊を間違って返却ボックスに投函していたことが判明しました。

しまった、と思いましたが時すでに遅し。無責任なクレーマーとなっていたことに反省です。

翌日に返却ボックスに黙って返却することもできたのですが、自責の念が湧き上がりました。

自分自身に納得がいかなかったので、その場でいつもの作務衣に着替え、サンダル履きで今来た図書館へときびすを返すことにしました。


私は文京区の本郷に住んでいます。昔の帝国大学(今の東京大学本郷キャンパス)があった場所の近くで、この界隈には多くの文豪が住んでいたといいます。

いつも通る道ですが、樋口一葉が一時期住んでいた菊坂下を通り、横道にそれて急な炭団坂を上がり、坪内逍遥の常磐会跡をくぐり抜け図書館へとたどり着きます。

まだ閉館前、先ほどの図書館の司書さんは忙しそうに作業中です。

すぐにこちらに気がついてくれました。先ほどは「勘違い」だったことを謝り本を返却しました。

これでなんとか、一件落着です。

しかし、ふと、考えたことがあります。


図書館というシステムが教えてくれること

今回の事件を通じて、改めて考えたことがあります。

図書館というシステムは、産業革命の申し子と言われます。日本では明治時代から、当時の教育がない時代に全ての人に等しく知識や教育を与えることを目的に増えてきました。

これは、ものや情報がない時代の大衆へものを生産する大量生産のアプローチに似ています。

この図書館というシステムは、基本的にはあらゆる嗜好を持った人の要求を満たすように作られています。

何万冊何十万冊という紙の本をそろえ、多くの人を雇って紙というものを詳細に設計された本棚のあるべき場所に日々格納し、貸出、回収します。

私が住む文京区内でさえ10の図書館があり、何十万冊の書籍を扱うために数多くの人が働いています。

しかしこれが、コロナ感染のために2ヶ月近くも全く機能していませんでした。もし知識の情報源がこれだけに頼るものであったなら、かなりの大打撃だったはずです。

一方で、全く同じ情報はデジタル化された本でも読むことができます。(一部デジタル化されていないものもありますが。)

また、もしこれが電子化されていたとしたら、緊急事態宣言期間中も閉館とならず、返却で訪れる時間も必要なく、もちろん返却した本の間違いもなかったことでしょう。

しかも、デジタル化されていれば、テキストをデータとして抽出して仕事やプロジェクトですぐに使う方法にはこと欠かないはずです。

この図書館というシステムは「ジャストインケース」と言えます。

これは、大がかりな生産システムのような、最初から設備や人員をそろえ、あらゆるケースを想定して計画され運営される形態を指します。

これに対して、日本の製造業が誇るトヨタのカンバン方式に代表される形態が「ジャストインタイム」です。

これは、世界中の生産方式を大きく変革させました。その後のアジャイルやリーン生産方式などとへと発展し製造業や流通業などに大きな影響を与えてきています。

しかし、日々の仕事のプロジェクトマネジメントやナレッジマネジメントにこれが適用されるまでには至っていません。

私たちは、デジタル情報の洪水の中で流される木の葉のように右往左往牛ながら流されています。

たった今進行中のプロジェクトやタスクに、今すぐ必要な知識、過去の経験値、ケーススタディ、研究論文、成功から失敗事例まで、自由自在に活用できる知識管理の方法とは一体どのようなものでしょうか。

本日起こった日常のちょっとした事件の中で思いました。

ジャストインタイムのパーソナル・ナレッジ・マネジメントの方法論が今求められてるのではないでしょうか。

これに対して、セカンドブレインのアプローチは非常にジャストフィットするシステムを提供してくれます。

一体それはどのようなものか、Building a Second Brain(BASB )の日本エバンジェリストとして、その詳細をお届けしていきたいと思います。

この後からもよろしくお願いします。


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それでは、次回をお楽しみに。


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