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第23回|エム・アール・ピー 増渕隆宏さんインタビュー【後編】

こんにちは。
「大谷でできることを増やす場所」OHYA BASEの管理人ですよ。
花粉症がひどい。本当にひどい。そんな毎日です。

気を取り直して。
今回のnoteは OHYA UNDERGROUNDを運営するLLPチイキカチ計画から、アウトドアアクティビティ事業者 有限会社エム・アール・ピー代表・増渕隆宏マスブチタカヒロさんインタビュー【後編】です。
増渕さんが子ども向けの野外活動をやっている理由につながる道草の話などを聞かせてくれた【前編】もぜひ読んでからどうぞ。

それでは早速【後編】へ!


初めてのラフティング。

ラフティングを始めた頃の貴重な写真!

ラフティングやったこともないのに、まずボートを買っちゃったんだよね。
調べてみたら群馬県のみなかみでラフティングやってるのがわかったから、会いに行ってボート見せてもらって、ぼろぼろの中古を譲ってもらって帰ってきた。
その後やっとラフティングを体験しに長瀞に行ってみて「なるほど、すげぇ楽しい!」と実感した。
さて、自分たちはどこの川でできるかな?と試行錯誤が始まる。
最初、宇都宮ぐらいまで下ってきた鬼怒川でやってみたら、なんとなくラフティングらしいことはできて、盛り上がって。
で、次は那須方面の山の上の方の、今なら「なんでそんなところで?!」って思うような急流を下って。
その頃なんて怖いものなしだから、全然余裕じゃんっていうノリだったんだろうね。
そしたら一緒に行った友だちが川に落ちて、今だから言えるけどちょっと危ない目に遭って、笑、ここはできないな、と判断。
那珂川の中流あたりも試してみたけど、釣り人からの冷たい視線を感じたりして、邪魔になっちゃうからちょっとここはまずそうだね、とかって、笑。
で、やっぱり最初に考えてたように、ライン下りとラフティングっていうセットで鬼怒川温泉辺りの鬼怒川でやるのがいいのかもねー、って戻ってきた。
既に営業してるライン下りの運営が、たまたまスノーボードスクールをやってたスキー場の運営と同じ会社だったからそれを頼りに相談して、最初は事業としてじゃなく遊びとしてやらせてもらうことが叶って、のちに営業に至る、と。
オープンしてすぐは誰も来なくて、ワンボックスカーの上にボート乗せて鬼怒川温泉の温泉街をぐるぐる回って、時にはちょっと声をかけて「こんなことやってます」って白黒コピーの手作り感満載のチラシを手配りして。
それでもね、最初の年に600人ぐらいはお客さんが来てくれて、あ、これいけるんじゃない?って手応えはあった。
初めは3人ぐらいの友だちと遊びで始めたようなところから、今は総勢60人ぐらいのスタッフが関わってくれてなんとかやってます。

NAOCファミリー!


スキーとサーフィンが好き、その環境に身を置くことが自分には必要。

お仕事の話はこのぐらいにして、休日とか何してます?
最近ハマってることとか。

もともと趣味だった、っていうのが先なんだけど、やっぱり山を滑ってるのが好きです、スキーで。
実は俺、自分の趣味は仕事にしてないの。
サーフィンと、山スキー。

それは仕事にはしない。

しない?

絶対しなーい、笑。
仕事にするとなんかブレーキになっちゃうようなところがありそうだから。
趣味は趣味でやりたい、笑。

波乗りなゴリさん、カッコいいッ。

あと、スキーとかサーフィンは、やってることが好きっていうのはもちろんなんだけど、そういう環境に身を置くっていうのが自分に必要なことなのかもしれない。
冷たい真っ白な雪山に立つ。
海に浮かぶ、漂う。
それで自分を解放するっていうかリセットするっていうか。
そのためにそういう環境に身を置きに行ってるのかもしれない。

山スキー=バックカントリーというんだそう。

雪山とか海には、どんな気持ちで挑むんですか?

もう挑むっていう年じゃないもん、笑。
楽しませていただく、遊ばせていただく。

同じものは絶対ないし、毎回違うから飽きない。
上手くなろうとかそういうのもないから、純粋にそこに行くことが楽しい。
心地よく行って、心地よく帰って来られるぐらいに遊ばせてもらう。
海は、波がいい日と悪い日あるしね。
良くないときは塩分補給だけして帰ってくる、笑。
でも、こてんぱんにやられたくはないっていう思いはちょっとはあります、笑。


幼少期遊びに来ていた大谷町に再び関わる。

ここらでOHYA UNDERGROUNDの話も。

ネイチャープラネット坂内さんがお話ししてくれたところは割愛しますが。
そもそも増渕さんと坂内さんって知り合いだったんですか?

自分がNAOC5、6年目ぐらいのときに「川治でこんなこと始めようと思ってるんです」って坂内さんが連絡くれて、それで初めて会った。
「狭い地域の同じような業態だし一緒に盛り上げていきましょう」って話をしたね。
坂内さんとは同じような道を歩んできてる、という感じです。

ほほぅ。
それからだいぶ経って、OHYA UNDERGROUNDを一緒にやることになったんですね。
大谷にはもともと関わりがあったんですか?

いや、全然。
でも実は叔父が盤石荘(=OHYA BASEのお向かいに建つ旅館、現在は廃業している)で板前をやってて、幼少期にはよく大谷に連れて来られてたんだよね、本当にしょっちゅう。
今は住宅地だけど、当時はこの辺に冬になるとスケートリンクができた。
盤石荘の池には鯉やうなぎがいて、とかも覚えてる。
岩風呂に入らせてもらったりとか、他にも思い出はたくさんある。
その頃がきっと大谷の最盛期だったのかなぁ。
だから、この街に対する思いはちょっとあった。

その後は関わりもないし、意識してない場所だったんだけど、久しぶりに「大谷」って聞いたのが、このOHYA UNDERGROUND の話。
だから見てみたいっていう好奇心もあったけど、なんか関わる運命的なものはちょっと感じてたかもしれない。

大谷によく遊びに来ていた少年時代。
増渕少年も車もかわいい。

へええええ!
それは初めて聞きました。

採掘跡地を目の当たりにして、まずは「すごい!」って思ったけど、正直、最初はちょっと怖いような気持ち悪いような感じもあった。
今は照明をつけてあるけどその時は本当の真っ暗闇で。
どこに何があるか見えないし、音もない。

なんでそんなところ、やろうって思ったんですか?

幼少期の思い出もあったけど、直感的にここは面白いな、化けるかもな、っていう予感はあった。
どういうふうに見せたらいいんだろう?っていうのはすぐには思い付かなかったけど、面白いことになりそうだ、という思いはすぐに湧いた。

初期の調査に入ったときに他に覚えてることってあります?

照明も外光もない真っ暗闇。
ヘッドライトだけが頼りの調査。

真っ暗で狭くて、細い通路みたいになってて、これ本当に帰れなくなっちゃったらどうしよう、って思うようなところとかもあって。
ぶっちゃけ、狭くて暗いところ、俺、得意じゃないんだよね、笑。
LLPのメンバーと、富士の樹海の風穴に行ったときも「俺、あんまり好きじゃないんだよね」とかぶつぶつ言いながらついていったことがあった、笑。
だからそういうところは嫌だったの。
でもOHYA UNDERGROUNDで案内する採掘跡地はそういう感じじゃなかった。
広くて天井も高くて、外に通じる天窓みたいなのもあるし。
地下だけど抜けがあるよね。


大谷町の変化の時期に少しでも関われた喜び。

改めて大谷に関わるようになって、どうですか?

大谷って宇都宮市大谷町なんだけど、でも宇都宮じゃないみたいな場所。
人の雰囲気も町の雰囲気も独特で、大谷は大谷って感じ。
大谷は宇都宮エリアで自分たちらしい仕事ができるフィールド、と今は思ってる。
今まで俺らは主に県北にしか活動できる場所がなかったから。


あとは、現在形で街がどんどん変わっていってる。
我々の活動が街を変えたわけではないけれど、その流れの中に多少なりとも関われたことは間違いないと思ってるので、それに喜びを感じてます。

宇都宮市は自分の故郷だし、さっき言ったように大谷町には幼少期の思い出もあるし。
OHYA UNDERGROUNDを始めたときには人のいない街だったのが、大谷資料館さんがリニューアルして動き出したり、我々OHYA UNDERGROUNDツアーが始まったり、飲食店があちらこちらにできたりで、人がいる街に変わってきてる。

そんな流れの中でOHYA BASEもできました。

OHYA BASEが動き出したのは2020年2月。

アクティビティの拠点という機能もあるんだけど、もっと広い意味で居場所づくりができたということが大きい。
自分たちの基地って言える場所ができた。
そういうふうに思う人たちが集まってくることによってそれぞれの居場所になっていくのかな、これからさらに先の景色が見えてくるんじゃないかな、と。
ここは化学反応を起こせる場所なのかな、って思ってて。

いろんな人がここに来て何かが始まるっていうのが、今後の大谷の面白みや味になっていくんだろうな、って。
自分ももちろん関わりたいんだけど、でも化学反応で何かが起きるのを期待しちゃうっていうところがある。
関わらせてください。

こちらこそー!
NAOCとしてもぜひ活用してください、BASE。

NAOCはアウトドアアクティビティ事業なんだけど、会社としてはいろんなことやりたいなっていうのはあるから、もっと関われたらなと思います。
多分こういうところって面白い人が集まってくるから。
掛け合わせると面白い動きが作れそうだな、って思ってる。
OHYA UNDERGROUNDツアーもこれから変化していかなきゃいけないな、って。
これもまた「課題」を感じちゃってるんだけど、笑。
大谷に限らず、先々やっていく人たちとか後を継いでいく人たちがやりやすいような環境を作る、環境を残すっていうのを意識して行動したいな、とは思ってます。

また「課題」を見つけちゃいましたね、笑。
本日はありがとうございました!


〜インタビュー後記〜

NAOCのボス・ゴリさんこと増渕さんのインタビューでした。
こんなメンバーがOHYA UNDERGROUNDを運営してます、OHYA BASEにいます。
すごいでしょ、羨ましいでしょ?
仲間、待ってます。
ツアーの参加も待ってます。

では締めにいつもの。
管理人と独断と偏見による、エム・アール・ピー増渕さんを知るための3つのキーワード!

1. 課題を感じちゃう、責任感。
2. 直感を信じる、そして嫌なことは忘れる、笑。
3. 県内アウトドアアクティビティを牽引する、圧倒的リーダーシップ!

増渕さんのインタビュー、実は珍しくちょっと緊張したんですよ。
多分それは圧倒的な存在感の強さがあるからです。
NAOCの個性炸裂なガイドたちを束ね、県内アウトドア事業を引っ張ってるのが増渕さんだもの。
でも話し始めたら興味深い話ばかりで、すっかり引き込まれてしまいました。
面白かった!

さて、次回は日本山林再生株式会社代表・中村 純さんのインタビューを予定しています。
4月下旬投稿予定、乞うご期待。
OHYA BASEは「大谷でできることを増やす場所」を目指しまっす!
ではまた。


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