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最近の記事

平凡を恐れない

2020/10/30 生活が荒れ、心もささくれだっていた。今月は本当に荒れ果ててしまって、本を読むだとかラジオを聴くだとかちゃんとしたご飯を作るだとかが全然出来なかった。そしてまた生活を再開した。 いま長田弘の『なつかしい時間』という本を読んでいて、乾燥して炎症さえ起こしていそうな心に言葉が染み入る。なんてことはない、よく聞く言葉なのに。「もっとも平凡なもの。平凡であることを恐れてはいけない。わたしたちの名誉は、平凡な時代の名誉だ。」明日戦争だからと駆り出させることもなく、

    • 母の影

      2020/09/18 親の背中を見て子は育つ、などと言われているがわたしは見すぎたのかもしれない。自分の中に母の影を感じる瞬間がものすごくある、ということに最近気づき始めている。 午前中にしか洗濯してはいけない。床掃除は毎日しなければならない。トイレは汚れたら都度掃除しなければならない。夜ご飯のおかずは多くなくてはいけない。24時間以上ご飯を保温のままにしてはいけない。布団は休みの度に干さなければならない。体調が悪くても学校や仕事に行かなければならない等々。 これらが守ら

      • 心が綺麗、とは

        2020/09/01 今日から9月、夏は終わりだよと言わんばかりに曇り空でちょっと雨の匂いもする。休みだった今日は、夕方までやる気が出なくてシーツを換えたてのベッドでゴロゴロしていた。全然いいよね。 先日、お店でお客さんに見た目も心も綺麗で好きです!憧れちゃう!と言われた。26歳の女の子にはどんな風にあたしが映っているのか、不安にかられて素直にありがとうと言えなかった。 ありがたいことに、外見を褒めてもえる機会が多い人生だった。でもその度に、みんなの言っている褒め言葉の1

        • 超個人的身の上話

          2020/08/28 ここが、どれほどの人に見られてるのだろう。『人に見られてもいい日記』くらいのつもりでタスクにならぬよう続けてきたつもりだけれど、最後の投稿から1年以上離れてしまった話をしたいと思う。 まずは大きな変化があった。離婚してちょうど1年くらい経つ。何かを発信するにあたって、めちゃくちゃ個人的なことで且つ明るくもない話でだから胸の内?を言葉にすることを避けていた。 それと、古着屋で働いているのだけどお店のInstagramだったりネット販売だったり仕事でSN

        平凡を恐れない

          普通の完備

          2019/06/14 大人になれば子供が欲しいだとか愛しく思えるようになると思ってたし、ご飯を作ったり掃除洗濯したりを何の疑問もなく続けていけるものだと思ってた。自分の親がそうだったように。 でもどうやら違うらしいと最近気付き始めた。そういうことは普通のスペックとして備わっているわけではなくて、得意不得意があるものらしい。子供だって特に持ちたいと思っていない夫婦もいるらしい。 あたしは基本的に面倒くさがりで、自分のことをいちばんに考えてしまう。または自分の評価が下がらない

          普通の完備

          肌言葉世界

          2019/05/08 昨日読み終わった本にあった言葉があたしを包み込んで全身に染み入った。「肌から世界が始まるような」ラジオネームにしたいくらいいい言葉だと思う。シャッフルで聴いてた音楽が懐かしい気持ちを思い出させたり、雨が降りそうな匂いを察知したりする。日が眩しいと目を細めたり、毎日作る自分のお弁当に飽き飽きしたりする。去年はなかった腕のほくろを見つけたり、そろそろ羽毛布団暑いなと思ったりする。目に見える世界は言葉や気持ちで溢れていて、自分の気持ちも誰かの言葉も全部が混ざっ

          肌言葉世界

          偽善の先

          2019/05/06 高校の英語の授業中に、ひどく心を動かされたことがあってそのことを黒柳徹子のインスタ投稿を見て思い出した。久しぶりにこんな気持ちになったので書き留めようと思う。 肝心な授業内容がまるで思い出せないのだけど、宗教の違いによって迫害された当時の記録を英語で読むようなものだったと思う。宗教も、迫害も、差別も自分には縁遠い言葉ばかりで何でなの?という薄い感情しかわいてこなかったのだけど、授業が回を重ねるうち何でなの?という気持ちが憤りに変わって、出来る限り起きた

          偽善の先

          仮面仲良し

          2019/04/10 職場に、同じ職場じゃなかったら仲良くなることがないであろう女子がいる。じわりじわりとあたしを侵食してきているので、言葉にして吐き出すことにする。他に出会ったことのないタイプで結構興味深い。 まず自分が大好き。鏡を何度も見る、常に自分の話をする。全然いい、自分が好きで何が悪い。問題はあたしってかわいいよね?と承認欲求してくるところ。これはサブリミナル的で本当に怖い。ダメ、行き過ぎた承認欲求。 次に、主体性がないという人としてアウトなのではという要素。髪

          仮面仲良し

          くだらない子供時代

          2019/04/03 誰にも分かられたくない、という気持ちがある。分かるよ、大丈夫だよみたいなこと言わないで。親でも旦那でも仲の良い女友達でも、こっちに入ってこないでというモードがあたしにはある。 そういう時って本当にすべてが自分から遠くて、ものすごくくだらないことに思える。小学校の修学旅行の時とかもそんな気分で、卒アルの写真は全部疲れた様子で早く終われって顔してるあたし。 中学の頃、数学と社会は特に苦手だったしだからあたしは毎日反省ノートを書いてた。週5、6で習ってた新

          くだらない子供時代

          原体験はユーミン

          2019/03/08 昨日、ユーミンのライブに行った。母とふたり武道館。感動して泣いちゃうんだろうなと思ってたけど想像の5倍は泣いた。母にハンカチを借りて鼻水も拭いた。母は終始楽しそうで曲のイントロであ、何々だとか言ってはしゃいでた。チケット取れて良かったよ。 春よ、来いには特に思い出があって前奏が始まった瞬間、その頃に引き戻された。幼稚園の卒園式。最後にピアノ演奏されたのが春よ、来いだった。 家ではずっとかかっていた曲だったからああユーミンか、くらいの気持ちだったのだけ

          原体験はユーミン

          おばあちゃんを思う孫

          2019/03/07 随分大きくなったねえって言ったのよ。久しぶりに腕相撲しようかって。そしたらわざと負けてくれるのよねえ、そうなの。大きくなっちゃってって。この間背比べもしたのよ。柱に印付けてるんだけどね、もう一緒くらいなのほとんど。そう、早いわよねえ。 病院で順番を待ってる間ってぼんやりしているから、色んな話が耳に入ってくる。すぐ横に座っているおばあちゃんふたりは控えめな声で孫の思いやりが泣ける、という話をずっとしている。 井の頭線沿いに住んでいるあたしの母方のおばあ

          おばあちゃんを思う孫

          最後の通学路

          2019/03/04 3月に入ってから、働いてる古着屋の前をたくさんの中学生や高校生が胸に花のコサージュみたいなのを付けて歩くのを見かける。卒業シーズン。 女子ふたりで自転車をおしながら帰る子たち、微妙な距離感で歩く彼氏彼女、この後プリクラ撮ろうとか言ってそうなグループ。染めてない髪や着慣れた制服や、くたびれた鞄やちょっと冷たい風さえなんだか胸を締めつける、気がする。 通ってた中学は1、2年と3年の下駄箱が分かれていて校門も別だった。1、2年の頃はテニスコートの裏の誰かの

          最後の通学路

          初めて泣いた日

          2019/02/15 人は泣きながら生まれるのだけれど、そうではなくて感情の揺さぶりによって初めて泣いた日って覚えてるだろうか。あたしは4歳かそれくらいの時にかわいそう、と思って泣いたのを覚えてる。 テレビでセーラームーンを見ていた。5人の戦士のうち4人が氷の女王かなんかに凍らされてしまって、残ったセーラームーンも瀕死っていうシーンだった。あたしが声も出さずに泣いているのを母が台所から見て、駆け寄ってきたのも覚えてる。悲しいの?大丈夫?と言って。 ケンタッキーの店の中で号

          初めて泣いた日

          どうしてもピアノ

          2019/02/05 ピアノが弾ける子に憧れていた頃ってないだろうか。合唱コンクールでピアノ伴奏する子。卒業式でピアノを弾く子。女子でも、男子であってもその繊細な指の動きや体より大きな楽器に堂々と向かい合ってる姿は憧れ以外の何物でもなかった。 あたしは小学2年から新体操を週5か6くらい習っていて、習字や美術もやっていた時期もあったのでピアノを習う時間も体力もなかった。それでもピアノへの憧れは消えず、小学5年の時に調子に乗った。 「6年生を送る会」というのが2月だったか3月

          どうしてもピアノ

          再会

          2019/01/30 小袋成彬(おぶくろなりあき)って知ってる?小袋成彬が歌う、再会という曲を聴いたことある? 歌詞のある曲を、音楽と詞に分けて考えるなんて邪道なのかもしれないけれどこの曲の詞がすごすぎるので紹介したい。 まずAメロ 止まない花吹雪 踏んで固まる道 隠していたキスの傷 思い出すふり 3月か4月かな、春先で。生きていく道なのか、桜の木なんかが埋まった土の地面なのか、踏んで固まる道とくる。本当は忘れてなどないけれど、あなたとのキスの傷を思い出すふり。ふたり

          2019/01/22 もう何年か経つ。ある日突然連絡が取れなくなってしまった友達がいる。かばちゃんというアパレル時代の女友達。 新卒で放り込まれた職場は渋谷西武の大人なフロアだった。かばちゃんは隣の店の子で同じく新卒だった。初めの頃は湿疹が出たりトイレで泣いたり色々忙しかった。大人ばかりの職場はつらいことが多くて、でも毎日のように会うかばちゃんが心の支えだった。会社の同期よりも近い存在だった。 仲良くなるのに大して時間はかからなくて、遅番でお互い自分の店を閉めたあとご飯を