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初めて泣いた日

2019/02/15
人は泣きながら生まれるのだけれど、そうではなくて感情の揺さぶりによって初めて泣いた日って覚えてるだろうか。あたしは4歳かそれくらいの時にかわいそう、と思って泣いたのを覚えてる。

テレビでセーラームーンを見ていた。5人の戦士のうち4人が氷の女王かなんかに凍らされてしまって、残ったセーラームーンも瀕死っていうシーンだった。あたしが声も出さずに泣いているのを母が台所から見て、駆け寄ってきたのも覚えてる。悲しいの?大丈夫?と言って。

ケンタッキーの店の中で号泣したのも覚えてる。小学3年か4年の時、新体操の初めての個人種目別の試合に出たとき。ズタボロな結果になんだか息もうまく吸えなくて、家に帰る前に母とケンタッキーで夜ご飯を食べたのだけど食べながら泣いた。ドラえもんの水色のハンカチで涙も鼻水も拭いたな。

中学3年の時、学校の職員室のベランダで泣いたこともあった。好きで付き合った同級生の家庭事情が複雑で、その子の感情も複雑で人に言えないような感じだったから苦しくて、唯一心を許していた先生に抱きしめられて泣いたな。なんでそうなったのかな、キャパオーバーだったんだろうけどな。

高校の部活の帰り、電車でしゃがみ込んで泣いたこともあったな。明日から1週間部活が休みですっていう夏の日の午後、なぜかもう皆と一生会えなくなってしまうような気持ちになって立ち上がれないような脱力感に襲われてナイキの部活バッグの上に座って少し泣いた。そんなことないのにね。

新宿の路上で別れる別れないって喧嘩して泣いたこともあった。新宿三丁目寄りのドトール前で、罵り合ってどうにもこうにも分かり合えないそんな夏の瞬間があった。秋になる頃トラウマになるような別れ方をして、1年は連絡も取らずにそして時は巡って今は結婚して一緒に生活しているけれど。

これから先どんな理由で泣くことがあるだろう。笑うことと同じくらい泣くことも大事だと思ってる。

#おやすみゆめであえたら
#エッセイ
#泣くこと

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