新卒就活の記憶｜エッセイ

今日は、妹が疲れ果てた様子で帰ってきた。
どうやら友達に連れられて
就活説明会に行ったらしい。

エントリシートってなに？
というレベルから分からなかったらしく、
干からびていた。

これも分からなかった、あれも分からなかった
と解説を求められたが、
就活経験がないので私に分かるわけがない。

「一瞬リクルートスーツ着てたじゃん！！」
と言われて、ふと思い出した。
高い金を払って、スーツを着て
履歴書用の証明写真を撮影したことを…

時は遡り、大学3年が終了した春休み。
美大だったこともあってか
就活の雰囲気は全く漂っていなかった。

どうしようと思ってたんだ！という感じだが
本当にどうしようとも思ってなかったのだ。
就活に興味も関心もなかったのである。

大学4年生になろうとしているのに、
大学1年から変わらない春休みを過ごしていた私に激震を走らせたのは、なんとさはちゃん。

「就活しなきゃやばいよ、4月からよーいドン」

というメッセージを送りつけてきた。

それっきり音沙汰はなくなったので
サハちゃんは就活で大忙しなんだなぁ、、
と思い、とりあえずマリアに
「どうやら就活をしないとやばいらしい」
と、コンタクトをとった。


サハラが就活を、、！？とマリアも目から鱗の様子。
とりあえず
就活支援センターへ行くことにし、
春休みだというのに学校で待ち合わせをした。

就活支援センターには、
美大のせいか（デジャブ）
職員が1人しかおらず、
エントリーシートの添削待ちの学生が数名待機していて、大変忙しそうだった。

私達の番になり、
「就活って、、なにをすれば、、、？」
と聞くも
こいつら今更何言ってんだ？という感じで
入りたい会社も添削するモンもないなら
忙しいから相手できませんよ、と追い返されてしまった。

そのまま、なんの収穫もないまま帰宅。

とりあえず履歴書を送れば書けばいいのだろう
と考え、
金髪だった髪を黒染めし、
就活用の証明写真を撮りに行った。

妹が言う、リクルートスーツ姿の私は
この時の私だろう。

写真を撮るだけ撮り、
特に就活もしないまま春休みが終わり
新学期となった。

身体測定で、久しぶりにサハラに会うと
酷くやつれたようだった。

すごい、、就活頑張ってるんだ、、、
と感心したのも束の間、

焼肉屋のバイト始めたんだけど、、しんどい、、
と口を開いた。

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え、、？就活は、、、？

バイトが辛すぎて就活なんてしてる場合じゃない、、らしい。

こっちはアンタがやばいって言うから
黒染めして証明写真撮ったよ！
就活はしてないけど。

合流したマリアも
「え、、？やばいって言ってたから
証明写真撮ったよ、、。
就活はしてないけどさ、、、。」
と言っていた。

そのまま、みんな揃ってニートになったのは
言わずもがな。

美大卒業を振りかざして、
自分はアーティストなんだと周りに洗脳をかけながら、フォトナ廃人生活を1年ほど送った。

フォトナのために早起きして、
フォトナして、夜更かし。

あれはあれで、良き時代でした。。。

そんなこんなで、
就活について質問されても
なんにもお答えできない。不甲斐なし。

なんとか妹にはしっかり就職していただきたい
もんですわ。

おしみ
1998年3月生まれ、AB型
甘いものは、しょっぱいものを美味しく食べるために食べます。
極楽に生きたい！

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