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都内小学校には特別支援級(情緒級)がない=普通級しか選べない問題

「特別支援学級」の種類とは?

特別支援学級は文部科学省によって 以下の7種類定められているが
どの特別支援学級を配置するかは 市町村に委ねられている

1.弱視特別支援学級
2.難聴特別支援学級
3.肢体不自由特別支援学級
4.病弱・身体虚弱特別支援学級
5.言語障害特別支援学級
6.知的障害特別支援学級
7.自閉症・情緒障害特別支援学級

都内には「支援学級(情緒級)」はほぼ存在しない

私たち家族は 都内のある区に住んでいる
長男の「特別支援学級への転籍」について
実際あれこれと動いてみるまで
住まいである区の「特別支援学級」事情について
恥ずかしながら しっかりと把握ができていなかった

勤めていた 他県の市町村では
特別支援学級には「知的級」の他に「情緒級」というものがあった

そのため 当たり前のように
住まいである区でも
当たり前のように「特別支援学級(情緒級)」があるものだと思っていた

ところが よくよく調べてみると
わが区の 特別支援学級の枠組みには
「特別支援学級(知的級)」しか存在しない
「特別支援学級(情緒級)」は存在しないのである

しかも わが区だけでなく
都内の区ではほとんど「特別支援学級(情緒級)」がないというではないか

「特別支援学級(知的級)」に入る条件

あれこれ調べてみた結果
その1種類しかない「特別支援学級(知的級)」に入るには
「WISCでの知能指数で一定以下に達しないと入れない」
という事なのである

長男の場合WISCの数値では「知的障害には当たらない」という
理由で「特別支援学級(知的級)」には 入れないことになる

ただし、他県の市町村ではほとんどと言っていいほど
「特別支援学級(情緒級)」が存在し

発達障害・自閉症スペクトラム・場面緘黙症などの障害をもつ児童は
教育委員会が認めれば
この「特別支援学級(情緒級)」に入ることができるはずなのである

「特別支援学級(情緒級)」の代わりに「特別支援教室」

住まいの区ではこうである
「特別支援学級(情緒級)」に入れたくても そのクラス設定がない 
・・・だとすると
「知的障害を持たない、発達障害児が学べる場所はどこですか?」
と聞きたくなる

答えはこうだ
「特別支援学級(知的級)」には知的障害がないと入れないので
「普通級に在籍」をして 週1~8時間を限度に
「特別支援教室(旧情緒障害等通級指導学級)」を利用することになる

具体的には 在籍校に 発達障害教育を担当する教員が巡回して
対象児童に指導をするということになる

出典:特別支援教室の運営ガイドライン (令和3年3月 東京都教育委員会)
出典:特別支援教室の運営ガイドライン (令和3年3月 東京都教育委員会)

週1~8時間程度の「特別支援教室」で足りますか?

誤解のないように書くが
現在長男は普通級に在籍し、言語の「通級指導教室」を利用している
通級担任には 大変お世話になり 利用してよかったと心から思っている

「通級指導教室」や、「特別支援教室」の存在は 
必要な児童にとってはとてもありがたいものだ
しかしながら
その二つを利用するには 普通級に在籍していることが条件である
普通級でも うまくやっていける子にとっては
そのまま利用し続けたいものである 

だが「普通級で適応できなくなった」長男のような子とっては
普通級+通級教室or特別支援教室(週1回数時間)の選択では
時間が足りなすぎるのだ 
週に1~8時間しか利用できない
残りの普通級での 毎日5~6時間授業は 負担が大きいと感じている
そういった子には 
特性を理解してくれる先生が居て 特性に合わせて教育が受けられる
毎日通う固定学級としての「特別支援学級(情緒学級)」が必要なのだ

問題提起はここでも

「知的障害はもっていなくても 様々な特性から
普通級では適応ができず それを機に学校に通えなくなった子は
他にもいるはず」
そう思って検索していると ひとつの記事を見つけた

【自閉症・情緒学級がないことについての問題提起の記事】
「自閉症・情緒障害特別支援学級を作って」増えるニーズ 都内の37自治体が設置せず |学習と健康・成長|朝日新聞EduA (asahi.com)

【東京都府中市に情緒障害支援学級の早期設置をおねがいします】
キャンペーン · 東京都府中市に情緒障害支援学級の早期設置をおねがいします · Change.org

都内の小中学校にも「特別支援学級(情緒級)」設置を!

普通級に在籍し 週1回通級等を利用しながら
取り出し授業でその子だけ 指導を受ける そして普通級に戻っていく

普通級でどんな子も 一緒に過ごす
それが インクルーシブ教育だ と言いたいのかもしれない
でも 戻った普通級が 
その子にとって 学びやすく 理解のある環境でなければ
それは「インクルーシブ」とは言えない

結果的に がんばって適応しければと思いながら
普通級に通っている特性のある子だけに 
しわ寄せがくる枠組みになっていないか??

例えば
担任も「特性に理解があり」、「必要に応じた合理的配慮」をする
「通級指導担任と連携」し、「介助員が配置」されている
「みんなと同じようにすることを強制しない」ことが約束されていて
クラスメイトも「特性のある子へ理解」をし「排除しない」 

もしも そんな環境だったら 
普通級でも 乗り越えられるのかもしれない
ただこの2年半 30名を超える普通級の運営を 
身近で見てきて 担任の負担もかなり大きく
普通級へは そのようなことを求められないと感じている
ねえ、普通級の担任の先生。そうでしょ?

だからこそ 都内の小中学校にも
「特別支援学級(情緒級)」を設置してほしいのだ

「現在のある枠組みに 子どもが合わせに行く」のではなく
他県と同じように「特別支援学級(情緒級)」があり
本人や保護者に「普通級」か「特別支援学級(知的級・情緒級)」かを選択させてほしい

~どうか 誰もが教育を 選べるようになりますように~

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「知的障がいがないと、知的支援級転籍は認められないのか」というテーマで書いています

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