ohako

20年以上介護の仕事に従事。心を揺さぶり続けた人々との関わりをエッセイ小説にしたためています。(※一部フィクション)苦しくて痛い…でも人は温かい。

更紗のストール(後)

彼女の仕草は洗練されていた。 バナナシェイクを音を立てることなく飲み干し ストローについたリップの跡を 細くキレイな指でスマートに拭き取った。 笑顔も健康的で話…

更紗のストール (前)

私は今、大阪で暮らしている。 どうしても広い世界を体感したくて地元を飛び出した。 今後の暮らしや仕事のことなどを相談した人には上京を勧められが 私にとって東京は…

首筋の熱さ

ここの所、私はとても疲れている。 尋常ではない。 夜勤明けの日は起き上がれない。 匂いがしない。 味がしない。 どんな好物も美味しくない・・・ 身体的な部分も確…

無情な月

私は夜勤明けの連休を利用して隣県の地方都市に来ている。 目的はホスピスに入院中の友人を見舞うため。 見舞う・・・と言うよりも今生の別れを告げられに行く。 承知の上…

ごめんね・・・ミケ

肩に猫がいると言われ・・・ そう言う人は必ず女性で・・・ そう言った後に終の郁に旅立って行かれる・・・ 戸惑いを隠しながらでも何人か看取っていくと慣れていく。 そのよう…

芙美子さんの指

私はその頃、200床規模の病院で介護福祉士という国家資格を持ち 長期療養型という介護の要素が強くなった高齢の方々が入院する病棟で 介護従事者として勤務していた。 …