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"ピンクカラージョブ"ってどんな仕事?

「ブルーカラー」は工場や建設現場で働く方々のことを言い、「ホワイトカラー」は主にオフィスで働く方々のことを言います。

では「ピンクカラー」はどんな仕事に従事する方々のことを言うのでしょうか?




ピンクカラーの"ピンク"の由来は?


「ピンクカラージョブ」とは、女性が多く従事する仕事や職種を指す言葉です*1。

この用語は社会評論家のルイーズ・カップ・ハウ氏によって提唱されました。代表的な職業には、看護師、保育士、介護士、秘書などがあります。

ここで一つ疑問が浮かびます。

なぜこれらの仕事の総称に「ピンク」という色が使われているのでしょうか?

例えば、工場や建設現場で働く人々の総称である「ブルーカラー」は、青い作業服を着用していたことに由来します。また、オフィスで働く「ホワイトカラー」は、白い襟のシャツを着用する姿から名付けられました。

いずれの呼び名も服装の色に由来していますが、看護師や保育士などの仕事に従事する人々の服装に共通の色があるわけではありません。では、「ピンクカラージョブ」の「ピンク」は何に由来しているのでしょうか?

諸説ありますが、ホワイトカラーやブルーカラーとは異なり、ピンクカラーの"ピンク"は女性らしさなどを表す色からきているとされます。


ピンクカラーが抱える人材不足問題、その背景にあるのは?


さて、このピンクカラージョブの多くが抱える深刻な問題の一つが人材不足です。

これらの職業はかつては「女性が多い」仕事と見なされていましたが、今の時代、この考え方は古い価値観の一つと考えられます。また、AIが進化し続ける中で、これらはAIでは代替できない領域を担っており、人々の人生や生命に深く関わるため、社会的な意義も非常に大きいです。

こうした大切な仕事であり、需要も高まる一方、深刻な人手不足に直面しているのが現状です。

この背景のひとつは、激務で重い責任を伴うにもかかわらず、報酬や待遇が見合っていないことに起因していると考えられます。

実際、看護師の平均年収は約508万円*2、保育士の平均年収は約397万円*2、介護士の平均年収は約397万円*3と、決して十分とは言えません。

このように、ピンクカラージョブは社会にとって不可欠な役割を果たしているにもかかわらず、その待遇の悪さが問題となっています。これを改善しなければ、人材不足は解消されず、今後も深刻な課題として残り続けるでしょう。


(参考情報)

*1 日本の人事部「ピンクカラージョブ」https://jinjibu.jp/keyword/detl/477/(2024年5月26日アクセス)

*2 令和5年賃金構造基本統計調査 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/index.html

*3 令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/22/

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