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退職面談では何を気を付けるべき?

退職前に人事担当者から面談を設定されたことはありませんか?

「退職は決まっているのに一体なにごと!?」

こう驚くこともあるでしょう。なぜこのような面談が行われるのでしょうか?


退職面談は、組織を改善する手がかりを得る重要な場


退職面談、あるいはエグジットインタビューと呼ばれるプロセスは、会社と退職者との重要な対話の場です。

年金や社会保険などの手続きが終わった後、人事担当者によって行われるこの面談の狙いは、退職者の本音を聴き出し、組織の状態や課題を明らかにし、改善につなげることにあります。

退職者の直属上司が退職理由を尋ねても、退職者は本音を言いにくいことがあります。そのため、中立的な第三者がヒアリングを行うことで、その本音を聴こうとしているのです。

退職面談のインタビュワーは、多くは人事担当者が担っていますが、場合によっては、退職者本人と信頼関係のある現場社員などが指名されることもあります。したがって、人事でなくとも、インタビュワーになる可能性があるのです。

では、退職面談のインタビュアーに選ばれた場合、何を意識して面談に臨むと良いのでしょうか?


退職面談のインタビュワーに選ばれたら、意識したい4つのこと



1. 場作りの重要性を理解し、工夫する

まず、退職者が落ち着いて率直に話せる環境を整えることが不可欠です。当日の雰囲気はもちろんのこと、意外と漏れがちなのは退職面談の「場所」やその「タイミング」です。

「場所」に関しては、当然ながらオープンスペースだと話しづらいでしょう。その内容が聞かれない会議室などを選ぶことが大切です。また、「タイミング」は、最終出社日など慌ただしくしている日は避けた方が良いです。退職者が話しやすい場所やタイミングをうまく作り出し、正直な気持ちを引き出すことが大切です。



2. 質問などの事前準備を怠らない

あらかじめ質問すべき事項や流れを準備しておくことも重要です。というのも、たびたび退職面談は、インタビュワーも自然体で臨むことが推奨されますが、それは"何も準備せずに場に臨む"という意味ではありません。むしろ、綿密に準備することで、当日どんな場になろうとも、動じずに自然体で臨むことができるものです。

では、何を準備すべきなのでしょうか? ポイントとしては、① どんな質問項目にするか?、② その質問項目をどんな順番で行うか?、③ それぞれの質問をどんなトーンで投げかけるか?、の3つです。質問も、詰問にならないようにオープンクエスチョンとしておくことがポイントです。こうした事前準備をしっかりしていれば、当日どんな状況になっても落ち着いて自然体で場に臨むことができるでしょう。



3. 退職者体験の向上を意識する

退職面談は、退職者が会社に対して本音を伝える最後の場です。その場の印象は、退職者にとって、その後の会社のイメージに大きく影響する可能性があります。そのため、良い印象を持ってもらうことが極めて重要です。

ただ、会社を去る退職者にここまで配慮する必要があるのかという疑問を持つこともあるでしょう。たしかに退職者が会社を去りますが、離れた後も彼らとの関わりは続くことがあります。たとえば、退職者が将来のお客様として関わる可能性があるかもしれません。また、彼らが外部で経験を積み重ね、最終的には再び会社に戻ってくる可能性も考えられます。こう考えると、その場で退職者の感情も含めて受け止め、これまでの活躍に感謝を示しつつ、退職者の将来を応援する姿勢を示すと良いでしょう。



4. 透明性と秘匿性を同時に実現する

最後に、退職面談は透明性を保ちながらも、個人情報保護に細心の注意を払うことが極めて重要です。人事主導で行われる退職面談は、時にはクローズドに実施されることがあります。しかしながら、退職面談で得られる情報には、組織改善の重要な手掛かりが含まれています。そのため、その情報を一部の人だけで秘匿してしまうと、せっかくの情報も無駄になってしまいます。

他方で、悩ましい問題なのが、退職面談には個人情報が多く含まれていることです。個人情報の保護は、法的な規制に従うだけでなく、個人のプライバシーを尊重するためにも非常に重要です。退職面談においてこの透明性と秘匿性を同時に実現することが、もっとも難しい問題だと言えます。



エグジットインタビューのプロセスを適切に実行することで、組織は価値ある情報を得るだけでなく、退職者との良好な関係を維持し、人と組織の課題を改善する手段を見つけることができるでしょう。退職者の意見や退職の背後にある理由を理解することは、組織の成長と発展に不可欠な要素と言えます。

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