インサイド・アウトという考え方
こんにちは、OGSコンサルタントの深石です。
このnoteでは、マネジメントの考え方や知識、テクニックなどを中心にお伝えしていますが、テクニックはあくまでビジネスという樹木で言えば枝葉だと思っています。
綺麗に整えれば、見栄えも良いですけど、手入れし続けなければいけないし、枝葉だけでは弱いものです。
ビジネスで強くなろうと思えば、枝葉では無く「根」や「幹」の部分を強くしなければなりません。
私の好きな本の1つに「7つの習慣」があります。
「7つの習慣」とは、アメリカのスティーブン・R・コヴィー博士がアメリカ建国以来、成功した人についての200年分の文献を緻密に調査・分析して、導き出した考え方です。
これは個人と人間関係のあり方の原理原則を提唱したもので、一つの指針を現代に生きる我々にも示してくれるものです。「7つの習慣」は、人間の成長過程に照合して、体系立てられてわかりやすくなっています。
この本の著者のスティーブン・R・コヴィー博士は、根や幹の部分は「人格」であると言っています。
謙虚・勇気・勤勉・節制など「人格主義」の発想で、自分を変えることを伝えています。コヴィー博士の伝えていることは、物質主義でも社会主義でも資本主義でもなく「人格主義」が真の意味での成功を招くという考え方です。
この代表的な考え方で、「インサイド・アウト」というものがあります。
「インサイド・アウト」とは?
自分のパラダイムに問題があると考える事を、「インサイド・アウト」と言います。大前提として、人は自分の見たいように世界を見ているという事があります。
人の言動を見て「正しい」「間違っている」と批判したくなる時がありますが、実は相手のほうが正しい可能性もあります。
いかに「自分は客観的である」と考えている人でも、過去の経験や学んだ知識という自分のフィルターを通して、その事象を見ています。この真理に気付くか気付かないかによって、成長の機会を逃します。
例えば、仕事で失敗すると職場や同僚、上司のせいにしたり、自分が理解されないことを人のせいにしたりして、相手を責めて周囲から避けられて成長の機会を逃すこともあります。
SEE(物の見方) → DO(物の見方からの行動) → GET(行動の結果)
というような流れで、人の結果は変わります。良い結果を得るためには全ての出発点のSEE(物の見方)から変えるしかありませんが、このSEEの事を「パラダイム」と言います。
パラダイムとはトーマス・クーンが唱えたもので、世の中を見る時の基準となる自分の考え方の事を言います。
人はみんな自分のパラダイムを持っているため、これが言動に表れます。もし自分が思うような生活を送れていない時は、このパラダイムに問題があるかもしれません。
人格主義の中で、国や時代を超えても変わらない原則のパラダイムとは、
「公正さ」「誠実」「真面目」
などの事です。
自分のパラダイムが間違っていたと気付いて転換する事を、「パラダイムシフト」と言います。
間違ったパラダイムは、最後にはこの原則のパラダイムに戻るべきであると、コヴィー博士は言っています。
なお、余談ですが、大きく見ると世の中にあるパラダイムシフトの例としては、天動説から地動説への変化や、ニュートン力学からアインシュタインの相対性理論、大量生産・大量消費から最適化された持続型社会、大手企業神話の崩壊などがあります。
自分は正しい、自分は間違っていなくて相手が間違っていると考えることを、「アウトサイド・イン」と言います。お気付きの通り、この考えでは人生はなかなか好転しないのではないでしょうか。
逆に、自分の内面(インサイド)の考え方や物の見方、人格や動機やパラダイムに問題があるのではないかと考えて律することを、「インサイド・アウト」と言います。
「アウトサイド・イン」は下記のような人です。
・SEE(物の見方)
自分には出来ない、誰かに助けを求める、甘える、疑う
・DO(物の見方からの行動)
努力しない、挑戦しない、人を批判する、怠ける
・GET(行動の結果)
結果が出ない、学ばない、自信を持てない、妬む、ひがむ
一方、「インサイド・アウト」は下記のような人です。
・SEE(物の見方)
自分にも出来る、やってみよう
・DO(物の見方からの行動)
努力する、創意工夫する、勉強する、挑戦する
・GET(行動の結果)
結果が出る、学ぶ、成長する、自信を持つ
まとめ
全ては、SEEのパラダイムを変えることから始まります。
文句を言いたくなることが多くあるのが経営者ですが、それでもどのような事象が周囲に起ころうとも「矛先は他人」ではなく、常に「矛先は自分」であり「インサイド・アウト」の考え方であると思います。
常に何かのせいにしている経営者と、自分の中に原因を探している経営者のどちらが成功しやすいかは、一目瞭然でしょう。
組織内のトラブルも、自分ごととして捉えていますか?
組織内でも、従業員と経営者の間で、何らかのトラブルや認識のズレを感じることはあるかと思います。
そこで、単に従業員のモチベーションの問題だ!などと他人に矢印を向けるのではなく、自分にも矢印を向け、いかに自分ごととして一つひとつの課題と向き合えるかは、非常に重要なポイントとなります。
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