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ビジョンノート

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シェフとして日々考えていることなど。
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#食材

新しいFarm to Table構想-農業とレストランの一体化

新しいFarm to Table構想-農業とレストランの一体化

新鮮な食材を農場から直接レストランに運び、シェフがその素材を活かした料理を提供する「Farm to Table」という概念。このFarm to Tableの進化系を僕はいつか実現したい。

「農業とレストランの完全な一体化」

この構想では、食事だけが目的ではなく、お客さまが農業を深く理解し、体験し、心と体の健康を実感できる場所となる。

例えば、農場には環境に優しいリジェネラティブ農業を取り入れ

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食材への「火入れ」への想い

食材への「火入れ」への想い

食材との出会いから料理の発想が生まれ、それが形となってテーブルに運ばれる瞬間まで、料理すると言うことには多彩な一連の流れがある。それはデザイナーがデザインすることと似ていて、クリエイティブなことだと思う。その中でフランス料理では「火入れ」を重視する傾向にある。

たしかに火入れは、食材の持つポテンシャルを最大限に引き出す魔法のような瞬間だ。それぞれの食材が持つ、繊細な風味や食感、色や香りを知り尽く

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地産地消の限界と地方創生へのさらなる挑戦

地産地消の限界と地方創生へのさらなる挑戦

僕はフレンチレストランのオーナーシェフとしてだけでなく地方創生シェフとしても活動している。料理人として地方創生の活動をしているとよく耳にするのが「地産地消」だ。地産地消こそが食で地方創生する最も重要なキーワードだとよく耳にする。だけど、本当に地産地消が地方創生に繋がるのか、僕は最近そんな疑問を持っている。

確かに地産地消は、地域の食材や特産品を活かし、地元の経済を活性化させる素晴らしい取り組みだ

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