世界最古の共和国 平和を愛したサンマリノ
サンマリノは301年に創設された世界最古の共和国である。皇帝から迫害を受けたキリスト教徒の石工が現在のイタリア北東部にあるティターノ山に逃げてきて建国をしたという。中世でも人口が増えすぎたフランスからイギリスに渡った人がイギリスの基礎を作ったというし、世界史を見渡せばこのようなこと自体は別に珍しくなかった。
しかし、サンマリノの最大の特徴が行政を司る大統領が2人いることである。選出方法は後で述べる一院制の国会から選ばれ、4月から9月(夏期)または10月から3月(冬期)の半年間だけ国を治めることができる。立法を司る国会は60人の国会議員から構成されていて、専業ではなく兼業の政治家である。そのため、サンマリノ人は誰でも国会議員や大統領になれると思ってサンマリノ人のほぼ全員が政治に参加している。だからインスタント食品が1個400円とか寝ぼけたことを言うT. A. 大臣のような王族じみた政治家がいない。司法を司る裁判官はえこひいきを防ぐためにサンマリノ人ではなくイタリア人がサンマリノの裁判官である。
資源は乏しく、一応農業国であるが、食料は主に輸入である。では食料を輸入するためにどうやってお金を稼いでいるかというと、観光業である。サンマリノをワインの名産地にすることでワインを貿易に使えることもできる。美しい石造りの街並みもサンマリノの魅力の一つである。
サンマリノが1300年にわたる平和を築いた秘訣が外交である。かつてナポレオンからサンマリノの土地を広げるといった提案がされているが、サンマリノ政府はそれを拒否している。理由は簡単で、もしサンマリノがアドリア海までに土地を広げていたら戦争をするための軍港を立てていたかもしれないし、その軍港は敵国から狙われるかもしれないからである。同じ理由で、もしサンマリノがティターノ山から平地までに土地を広げていたら戦争をするための空港ができたかもしれないからである。理由は前にも述べたが、その空港は敵国から爆撃されるかもしれないからである。そのため防衛は主にイタリアに任せている。また、先ほどサンマリノには資源がないと述べたが、これはサンマリノを攻めてもくたびれ儲けの骨折り損となるからである。このように、サンマリノは平和を守るために政治、経済、外交などを色々研究して平和を守ってきたのである。
参考サイト
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