緒形 雄太(Ogata Yuta)

宮崎県在住/茨城県出身/羊/マンゴー/農学博士

緒形 雄太(Ogata Yuta)

宮崎県在住/茨城県出身/羊/マンゴー/農学博士

最近の記事

チームオベリベリを読んで

乃南アサさんの著作 チームオベリベリを読んだ。 内容はぜひ読んで知ってほしいと思うのと同時に、この本を読んだ人達とお話をしたい衝動にかられている。 原野を開拓してその土地に根付くような時代ではないかもしれないが、開拓するのは何も土地などの物理的なものに限らないと思うし、この本を読んでどんな感想を持つ人がいるのか興味があるからだ。 自分は農業や畜産業への関心が強いし、地元 茨城から宮崎に移住して農畜産にチャレンジしているのでなおさら楽しく読むことができた。 ぜひ読んだこ

    • 黄金の蹄

      羊の蹄は黄金の蹄と言われることがあるらしい。羊を放牧させていると、豊かな牧草地になっていったかららしい。そして、豊かな牧草地でお金が得られていたからなのかな?なんて思ったり。 羊は草食動物の中でも何でも食べる傾向があるらしく、色々な植物の生えている荒野で放牧をはじめて、適宜管理していくと豊かな牧草地になっていくのだと思われる。 ど素人ながら羊と牛の草の食べ方的に、羊は移動しながら食べる傾向があるように感じている。その為、蹄で踏み固められる回数が多いのと、体重が100kg程

      • 羊のうんち

        ご存知の方も多いかと思うが、羊のうんちはコロコロしている。羊は資化する能力が高いからあれだけコロコロの小さなうんちになるのではと素人的には思っている。 あれだけコロコロにできる腸の仕組みが興味深い。木質バイオマス発電では、木質をペレット状にわざわざしたりしているが、木質ペレットほどではないが、羊のうんちもまあまあ密度が高いように思える。それを生体内で無数のコロコロにできる腸の仕組みはやはり興味深い。 水分含有率もそんなに高くなさそうだし、コロコロしていて埃も舞いずらいので

        • 羊のごはん

          羊は草食動物なのて、草を食べる。当たり前であるが、食べる量をまかなえるくらいの草が生える土地を用意するのが、1つ障壁になっている。 また、羊のストレスフリーを勘案すると放牧の方がいいと思われるが、人獣共通感染症などを防ぐ観点から放牧を自由に行うことを規制する動きもある。 私が羊を飼っている宮崎は約10年前に牛の口蹄疫が発生した県である。 さて、話は戻るが羊のごはんについては、完全に自給するよりは分業した方がリーズナブルだと考えられるし、草食動物と言えども多少の穀物を与え

          しっぽとる

          お気づきだろうか。 羊はしっぽがある生物であるが、しっぽが無いに等しいくらい短くなっていることに。これは、遺伝的に短くなっていった訳ではなく、生後たいした時を経ずにしっぽを切り落としているのである。牛や馬のしっぽと異なり、羊のしっぽはブンブン振り回せるほど動かせる構造をしていないため、しっぽがあると蛆がわきやすくなるらしい。疾病予防ということだ。どうやって取るかというとゴムリングを付けてポロリとしっぽが落ちるまで壊死するのを待つという方法でだ。 同様の方法で雄羊は睾丸をと

          北から羊がやってきた

          私は今、宮崎で羊を飼っていてその羊は北海道からやってきました。生後10ヶ月くらいのある程度体が出来上がってきている羊7頭である。 羊の代表的な疾患に腰麻痺というのがあり、それを引き起こす微生物は北海道にはいないらしい。しかし、宮崎にはいる。そこが飼う前から特に気にしていたポイントである。蚊が媒介するので、屋外で飼う限り完全に蚊を遮断するのは難しく新型コロナウィルス騒動でも一時注目されたイベルメクチンで予防する方法が広く行われている。しかし、このイベルメクチンは注射で投与した

          北から羊がやってきた

          ど素人が羊を飼い、ど素人が絵本をつくる

          2020年12月に北海道から7頭の羊を連れてきて宮崎県で飼い始めました。 それから半年が経ち、色々なことがありながらも1つの節目を迎えました。 死んでしまった羊もいれば、元気な羊もいる。 ペットとして飼ってるわけではないので、経済合理性と生き物としての羊との向き合い方など色々経験させて頂いています。 1つの節目を迎えて、これまでの経験を何かしらの形で残したいと思っていて、自分ができるのは文字を書くことくらいなんですが、絵本という形で残します。

          ど素人が羊を飼い、ど素人が絵本をつくる

          方法は色々ある

          マンゴー栽培をしてると、そこにはセオリーなりこうでなければならないみたいなことがある。私は、そこから自分の方法を取捨選択したり、時にはオリジナリティを出したりするようにしている。 というのも、マンゴーだけではないだろうが、栽培方法は農業試験場とかの誰か達が作ったマニュアルが農家に伝搬してるようなので、そのマニュアルはベターな部分もあるだろうが、ベストではないはず。 それに、伝搬する間に洗練もされるだろうが、やらなくてもいいことが増えていたりもすると思われる。様々な農業資材

          ゴング

          2020年が始まりましたね。私はといえばマンゴーと共に元日を過ごしています。宮崎は今シーズン1冷え込んでいるのでボイラーも稼働。 今年は色々とチャレンジすることが決まってますので、あとはやるだけ。 ロケットスタート切っていくのでよろしくお願いします。 初詣で鳴らした鐘が僕にはゴングに聞こえました。 ではまた。

          農業を継ぐ〜カエル編〜

          後継者に農業を継いでもカエルは現れる。 別に何も変わってない。生産者が変わって経営が変わって、でもカエルは現れる。 カエルが現れると何だか癒されて、なんでもええやんとなる。無農薬にこだわって生産してきたこともあってカエルも心地よく葉っぱにいるのかなー。 カエルがいるってことはカエルにとって良い環境がそこにあると考えていいのかな。実はマンゴーにとってはあまり良くない環境だったらどうしよう。先人が検証済みのことを、また検証するのもどうかと思うので、マンゴー界隈を中心に、ちょい

          農業を継ぐ〜カエル編〜

          農業を継ぐ〜植え替え編〜

          文字通り、マンゴーの木の植え替えと農業を継ぐっていうのはどこか似ていますね。 木を鉢植えで栽培していると、そのうち大きな鉢植えに植え替える時が来る。 事業規模を大きくするには栽培面積、栽培量を増やすしかない訳ではないように感じています。 マンゴーをどうやって提供するかという、サービス、コミュニケーション、ブランディングが重要そう。 あと経営。農場にいるとのほほんとなってしまうから、メリハリつけるのがとっても重要そう。

          農業を継ぐ〜植え替え編〜

          農業を継ぐ〜タイミング編〜

          同じ作物、同じ株でも蕾が出るタイミングが違う。この蕾も出るのが遅かったからきっと実になる前に切り落とすだろう。 花を咲かせても育てるのは一部、他は摘果してしまう。なので早いうちから人の目にとまる必要がある。魅力的な見た目、スピード、タイミングが合わさって実になることができる。 結果的に食べられちゃうけど、種を残すにはまず実にならなければならないからしょうがない。 農業を継ぐのもタイミングはあるのかな。たまたま農業ができるところを探している人と、たまたま継ぎ手を探している

          農業を継ぐ〜タイミング編〜

          農業を継ぐ〜針金編〜

          農業を継ぐと一言で言っても、栽培、仕入れ、出荷などなど事業としてやるには見えていない部分はたくさんあります。 もちろん継ぐ部分は継ぐ。それだけでなく今の消費者思考とか新しい社会の仕組みとかは取り入れていく。 インターネットで田舎が都会と繋がりやすくなった。日本が世界と繋がりやすくなった。この部分はブレずに頭に入れておかないと。頭に入れておくだけで頭でっかちになってもいけませんが。 と…マンゴーに限らず大きな実がなる作物は人為的に支える必要があります。マンゴーは天に向かっ

          農業を継ぐ〜針金編〜

          農業を継ぐ〜ミツバチ編〜

          ミツバチの寿命が想像以上に短いことに少しびっくり。農家さんからしたら当たり前のことがとても新鮮に感じています。 果実が実らせるために受粉にミツバチを用いることは良くあること。 目前でそれを見ていると、事業承継という事業を繋いでいく者とミツバチが重なっているようにも。 そんな詩的なことは置いといて、農業を事業としてやることやっていくだけです。

          農業を継ぐ〜ミツバチ編〜

          農業の事業承継

          前回も書いた農業の事業承継について。 農業というと国策の面が強いですが、グルメというと嗜好品の色が濃くなります。農家は単に食糧生産に留まらず、各々が思い描く姿を目指せると考えております。皆が食べられるものを大量に作るのもありで、一部の人が好むものを少量作るのもあり。後者が嗜好品の少量高価格帯から始まり、継続しているとブレイクスルーが起きるだろうと。 こういった話をし始めると食糧自給率、飢餓といった話でカウンターされることがあるのですが、それはまた今度ということで。 農業

          農業を継ぐ

          農家の倅や孫が農家になるのはよく聞く話で、農家の倅や孫が農家にならないのもよく聞く話。 土地、農機具、栽培ノウハウは有志に引き継ぐ。倅でも孫でも他人でも関係なく有志に引き継ぐ。 農家にならなかったとしても色んな形で応援することはできる。 作物も代々米農家だから米である必要もなく、作りたいものを作る。土地とか農機具とか栽培ノウハウとかを考えると家業を継ぐのは効率は良い。 一方で、色んな出会いとかで見つけた機会から始める農業も一見効率は悪そうだけど、そうでもないような気が