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○○年前の自分へのアドバイス

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店舗設計を仕事にして10年超え。就職、独立、結婚、育児。人生中盤スタート地点、キャリアも中堅を迎えた今だからこそ伝えたい、昔の自分へのアドバイス。
運営しているクリエイター

#写真の部屋

17459以下の頂上。

17459以下の頂上。

今できることって全然どうでもいいんです。

いつかできるようになればいいだけだから。でも、理想が低いとダメなんです。もう結論は言いましたから、忙しい人はここから先を読まなくて大丈夫です。天丼で言えば海老を食べたことになるので、かぼちゃなどは残してもいいです。

あるヨーロッパの国の入国審査の時、仕事は何かと聞かれたことがあります。Art Directorだと答えると「そうか。じゃあ、うちの国の美し

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「デカメロン」

「デカメロン」

どんな人に「才能」を感じますか、という質問をされることが多い。30年仕事をしてきた経験で言うと、ひとつしかない。

単純だけど、「自分に足りないモノを知っている人」だと答えている。能力が足りないとわかっていて、それを素直に認められる人は向上する。

今持っている能力でどうにかやりくりできると過信して努力をしない人の仕事は、元が小さいのに時間が経つほどさらに縮小していく。年齢にしては能力がないなと思

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「ギャラなしでもやります」は、アウト。

「ギャラなしでもやります」は、アウト。

「ギャラをどうやって決めていますか」という質問があったので、参考になるどうかは知らないけど、「写真の部屋」の記事を無料で公開する。

俺が20代の頃。駆け出しのデザイナーだったある日、今まで仕事をしたことがないプロデューサーに会議室に呼び出された。名の知られたグローバル・ブランドの企業広告を作るにあたって日本からもアイデアを出して欲しいらしく、手伝えと言われた。

巨大なブランドの仕事だから、俺に

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今回は無料公開。「写真の部屋」

今回は無料公開。「写真の部屋」

写真を仕事にしたいと名乗りを上げた14人のメンバー。
クローズドなグループページでオンライン勉強会をしているんですけど、そこで気づいたことを「写真の部屋」購読メンバーの皆さんにも共有したいと思います。

クアラルンプールのコンテスト

メンバーに課題として参加してもらったポートレートコンテストですが、誰もファイナリストには残らなかったようです。

https://www.klphotoawards

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サファリパーク。

サファリパーク。

今日はある仕事のミーティングのため、金沢に行ってきた。

訪れる場所は、回を重ねるごとに近く感じるようになる。おそるおそる行く道は遠く感じ、同じ道を戻る帰り道は時間が短く感じる、あの原理だ。

未知のモノは情報処理に時間がかかる。目の前に現れるすべての要素に反応するからで、すでに体験したことに対しては無視できるから、意識の労力を省ける。

金沢に行く二時間半という距離がどんどん短くなっていく。すで

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「他人が興味を持つ」

「他人が興味を持つ」

優秀な写真家を間近に見てきたから、自己評価では丁稚感覚が抜けきらない。しかし否応なく年齢だけは重ねていて、考えてもいなかった「審査員」というオファーをいただく。

内なる恥ずかしさと戦うために引き受けたけど、あと50年写真を撮り続けたとしても、決して「写真とは」なんて語ることはできないだろうな。

「始めたばかりではヘタなのが当たり前で、恥ずかしいと思う必要はない」という人がいる。たとえば本を出す

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「毎日、記憶喪失」

「毎日、記憶喪失」

普通は、撮影の前にスタッフだけでロケハンをして、撮影場所を決める。撮影の前日にももう一度ロケ場所の最終確認をして細かいところを詰める。

そして撮影の本番になるんだけど、俺はその風景を見るのが三度目だから、最初に驚いた新鮮さが薄れている。驚いていないというのは冷静であるということで、仕事においてはそれも必要なんだけど。

撮影当日に初めて現場にやって来たモデルやヘアメイクたちはその絶景を見て「おお

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「見る、と、作る」

「見る、と、作る」

SNSが生んだ一番大きい変化が、「批評」のあり方だと思っています。

目の前に現れたモノに対して、ネットの言葉でいう「脊椎反射」で何かを言う。資格なく誰でも言える権利を、民主的で開かれた、と好意的に受け取ることもできるんですが、反面、ピント外れなただの攻撃も増えました。

太宰治が小説を発表すると文芸評論家や他の作家がそれに痛烈な批判、批評を与える。どこに書かれるかというと、一般誌や文芸誌です。そ

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写真の部屋・スパルタその4

写真の部屋・スパルタその4

写真を仕事にしたいと名乗りを上げた14人のメンバー。
一度全員で実際に集まったあと、クローズドなグループページでオンライン勉強会をしています。今回は彼らがどんなことをしているか、「写真の部屋」購読メンバー以外にも読んでもらおうと思うので全文を掲載します。

漠然と写真を撮っていても上達はしません。

メンバーのそれぞれの自主練習によって、アップされる写真が格段によくなってきています。驚きました。正

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「要求される仕事の期待値」

「要求される仕事の期待値」

知人に何人かの建築家がいて、それぞれタイプは違うが天文学的に尊敬している。

建築家のクリエイションが特殊なのは「感覚と同時に実務が伴う」点なんだよね。そこだけは俺なんかには到底想像できない。想像する能力すらない。

ミュージシャンやダンサーのように肉体一つで勝負するカッコよさとは違う凄さ。力学的に正しく、予算と工期と法規を守り、その上でいいデザインを完成させる。

写真を撮って、好き勝手な仕上が

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料理とラグビーと高速道路。

料理とラグビーと高速道路。

「狭き門より入れ」という言葉がありますけど、これはやはり真実を突いているなあと感じます。

「昔の人はいいことを言う」っていうんじゃなくて、膨大な言葉の中で時間というふるいにかけられて残るのが真理なのでしょう。

真理は真理ですが、それに目をつぶって気づかないふりをする方法もあります。それが現在の「広き門でも大丈夫」という考え方で、これは単純に言ってしまうと心が弱い人を相手にしたビジネスです。「勉

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どんなレンズを買うか。ブタに真珠。

どんなレンズを買うか。ブタに真珠。

初心者がレンズ交換式のカメラを買うとき。

だいたい中級機までは初心者・ファミリー向けに標準ズームと望遠ズームがついてきます。キットレンズというヤツです。ある程度の広角から標準、そこから連続した焦点距離の望遠というダブルズームがオーソドックスで、万能で便利そうに見えるんですけどこれがクセモノ。

これらのズームレンズは安価にコンパクトに作りたいのでレンズが暗いのです。暗いとどうなるか。シャッタース

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