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「要求される仕事の期待値」

知人に何人かの建築家がいて、それぞれタイプは違うが天文学的に尊敬している。

建築家のクリエイションが特殊なのは「感覚と同時に実務が伴う」点なんだよね。そこだけは俺なんかには到底想像できない。想像する能力すらない。

ミュージシャンやダンサーのように肉体一つで勝負するカッコよさとは違う凄さ。力学的に正しく、予算と工期と法規を守り、その上でいいデザインを完成させる。

写真を撮って、好き勝手な仕上がりで、自分が決めたサイズにプリントして、10枚用意したけど「会場の広さからすると4枚減らしてもいいか」なんつって、我ながらテキトーだなあと思う。

別の側面から言えば建築は数億、数百億かかるってこともある。ポイントはそれだけの予算をかける仕事を誰に頼むか、には決定的な根拠が必要だってこと。

ここはどんな仕事にも共通していて、ギャラが10万円の仕事を10年やっていてもキャリアにはならない。10年頑張ったから能力が上がったかというと上がっていない。

「要求される仕事の期待値」が変わってないからだ。

それより、100万円の仕事を5回した方がいい。相手が会社の経費としてそれだけ払う価値があるかを、目を皿のようにして見ている。その中で仕事をしていれば能力は上がると思う。

「うちのネコちゃんの写真、素敵」は、写真に対する評価じゃなくて、うちのネコや子供が写っている喜びってことだ。だから、写真の勉強のために結婚式場の派遣カメラマンみたいなのをやろうと思っているという人には、やめておいた方がいいと助言している。相手に喜ばれる錯覚がやりがいだと思い込むような、変な癖がつくから。

ギャラリーから写真展をしてくれと頼まれるのもいいけど、社運を賭けたギャラリー建設を建築家に頼む方がハードルが高い。失敗したらシャレにならないしね。

結論が雑になったところで今日も調子の良さを実感しながら、おはようございます。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。