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料理とラグビーと高速道路。

「狭き門より入れ」という言葉がありますけど、これはやはり真実を突いているなあと感じます。

「昔の人はいいことを言う」っていうんじゃなくて、膨大な言葉の中で時間というふるいにかけられて残るのが真理なのでしょう。

真理は真理ですが、それに目をつぶって気づかないふりをする方法もあります。それが現在の「広き門でも大丈夫」という考え方で、これは単純に言ってしまうと心が弱い人を相手にしたビジネスです。「勉強しなくても英語が話せる」という本は「死ぬ気でやれば英語ができる」よりも売れます。なぜ売れるかというと、大多数の人は努力しなくてもいいと言ってくれる本を買いたがるからです。

でも、それを買っても何も変わらない。

その証拠に「勉強しなくても英語が話せる」という本を買って英語が話せるようになったよ、という人に、今まで一人も会ったことがないはずです。

人生は思ったより短いです。英語が話せないんだよなあ。話せるようになったらいいなあ、どんな勉強法がいいと思いますか?と友だちとしゃべっている間に一つでも単語を覚えればいい。何かをしようとしている人、できた人は、共通して学ぶことにおいて「孤独」です。

限られた時間を有効に使うには、他人と仲良くやっている時間はない。もちろん多くの人と出会って学べることはあるんですが、そこで得られるモノはヒントであり素材で、実際の料理方法を学ぶのは孤独な時間。

何かをしたいときは「高速道路の入り口を間違えないこと」だと思っています。入り口で通行料金を払って正しい目的地の標識が出ているところから乗る。そこでお金を払わない人や、裏道から行ってもいつかは合流するから大丈夫だろうと考える人は永遠に高速道路の行き先にはたどり着かないものです。

だから最初にいくらキツくても高速道路という狭き門をくぐるべきで、気がつかずにずっと裏道を走っていると、横に高速道路が見えていてもいつかは方向がズレて行きます。

今は様々な職業が乱立して混沌としています。医師や弁護士などは国家資格がありますが、アロマセラピストです、と言われても能力を示すフィルターが何もないので「ああ、そうですか」としか思えない。アロマセラピスト育成アドバイザー指導者なんて、どんどん枝葉が増えるばかりで何のこっちゃわからない。

そこでひとつの指針になるのが、その能力にどれだけの尊敬と対価が支払われているか、です。これも「広き門」と同じで勘違いされやすい部分。

カラオケに行く前に何か食べていこうぜ、という店と、彼女の両親と初めて食事をして結婚の挨拶をするときに行く店は同じですか。同じだという人とは話しても無意味なんでこの際無視しますけど、ほとんどの人が無意識に気持ちを切り替えて店を選んでいるでしょう。

これがある意味での高速道路です。「いい食材でインテリアも立派でサービスがよくて両親との会食に使える店」を始めようとしなければ、決してそうはならないってことです。ラグビー部のヤツらが腹ぺこで来ていた汗臭い店が途中からそんな店になるのは不可能で、それは役割が違います。

だから、一生ラグビー部の胃袋を満たすぜという店のおっさんみたいな人以外が、あとで方向転換する予定で「手っ取り早いラグビー部向けの店」を始めるのは時間の無駄だってことです。

ごくわずかですけどジャンプアップした人もいます。でもそれは例外中の例外で、だから俺もできると思ったら大間違いで、寝ていても英語ができた、と同じです。

最初に我慢して狭き門にグイグイ肩を押し込んでモールやラックを抜け出せば、むしろそれからあとは走りやすい広々としたフィールドが広がります。

ラグビーに適当に結びつけようとして失敗しながら、おはようございます。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。