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おもひでボロボロ

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ボロは着てて心もボロ
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2021年4月の記事一覧

子供の自己責任 ー私の高校受験ー

子供の自己責任 ー私の高校受験ー

最近、子供の自己責任について思うことがある。最初に言うと、答えはない。

これも人を傷つけない、ただの自分の思い出話だ。

私が生まれた地域は、保育園から中学校までは選択の余地がない。高校受験でこの町の子供達は、人生で初めて横並びが崩れる。

必然、思春期の心は動揺し、盗んだバイクで走り出す奴も出てくる。暗い夜の帳の中へ、覚え立ての煙草をふかす。

私はと言えば、単純に偏差値で身の丈に合っていた高

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上役のコート

昔々のことだ。

実家でまったりと朝御飯を食べていると、父親がやってきて、本をくれると言う。

それは『サピエンス全史』(ユヴァル・ノア・ハラリ)、店頭でよく見かけていた本だ。

「高い本だ。1,900円する。厚くて内容はちょっとわかりにくいかもしれないが、世界で500万部売れているベストセラーだ」とか何とか言っている。

えっ?大丈夫なのか、この人。

1,900円程度の本が高いとか、俺、コロコ

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サンタウン汗だく事件

サンタウン汗だく事件

母が、「あなたに関して一番感動したエピソード」として、壊れたレコードのように何度も何度も持ち出す話がある。

一言で言えば、子供の頃、友達の家に遊びに行って帰りが遅くなった僕が、汗だくになって走って帰ってきたという、それだけの話だ。

終わってしまった。

中身がない話だが、それでも母が一番感動したエピソードだそうなので、ここに記録しておきたい。

それは確か小学校1、2年生の時のことで、と思うの

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自信がなくても勇気があるよ

昔、『プリティガール』というTBSのドラマがあった。

視聴率が取れずに途中で短縮になった、テレビ的には失敗のドラマで、今見たいと思ったらVHSしかない。動画配信以前に、DVD化すらされていない。おそらくもうレンタルショップからも駆逐されているだろう。

キャストは主役に稲森いずみ、他も米倉涼子、片瀬那奈、田辺誠一、吉沢悠、長谷川京子、渡辺いっけい、宇津井健とかなり豪華な顔ぶれだ。

しかし何故不

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見義不為、無勇也

義を見てせざるは勇無きなり。

そうするのが正しいとわかっていながら、実行しないのは、勇気がないからである、という意味の言葉。孔子。

確か『学研の学習』だったと思うが、小学校の時に読んだ漫画で、生意気な子どもの侍みたいなキャラがいちいちこのセリフを言うのである。

「義を見てせざるは勇無きなりっ!」とか言って。

その時以来この言葉は時々ふっと降りてきて、トラウマ的に忘れることができないのである

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