きりう

ねこ様の奴隷/趣味嗜好が散らかっている

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  • 黒猫るどん

    我が家のさくらねこ「ルドン」のおはなし。

  • アートあれそれ

    美術館・展覧会・アートのことなど

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表現力の化物:ミラクルエッシャー展鑑賞日記

28日土曜日、世間は東から西へ向かうという異例の台風に惑い、私が住む地域も避難準備警報を知らせるアラームが鳴り響き、隅田川の花火は延期した。そんな日に私は、タオルと傘を用意して午前勤務に行った恋人の帰りを待っていた。雨に濡れた彼を迎えるためではない。そもそもその時間はまだ雨は降っていなかった。出かけるためである。 エッシャーという画家をご存知だろうか。 とても著名なイラストレーターなので、知っている方も多いだろうし、知らないとしても彼の作品を見たことがあるという人はすごく多

    • 黒いさくらねこと妹

      関東に住んでいる身内に不幸があり、葬儀の用意の間妹がうちに泊まることになった。金曜の夜中にやってきて、月曜の朝まで滞在することになる。 妹はわたしとは10ほど年が離れている。現役の女子高生だが、生まれた頃から世話を焼いているのでいつまで経っても小さな子供という認識が抜けず、ついあれこれ面倒を見てしまうのでよくないと思う。 妹が暮らす実家では、2匹の猫を飼っている。父の知人の家から貰い受けたツン9割デレ1割の典型的な猫!といった白黒ハチワレと、妹が学校に捨てられていたのを拾っ

      • つみれのこと - ③

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        • つみれのこと - ②

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        表現力の化物:ミラクルエッシャー展鑑賞日記

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        記事

          つみれのこと - ①

          とても個人的な内容を、とりあえず整理のため書きなぐりたかっただけなので、あまり人目にさらさないという意味合いで有料にしています。ご容赦下さい。 2歳でこの世を去ったハムスターのつみれと私の話です。

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          つみれのこと - ①

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          トゥービー オアノットトゥービー

          前ドライブをしていた時、「尼寺」という地名を見た。「尼寺っていうと、高校の時見たお芝居思い出すなあ」と呟くと、運転していた恋人が「なにそれ?」と乗ってきた。 高校生の頃、年に一度芸術鑑賞会というものがあった。全生徒で演奏なり観劇なり芸術に親しみましょう、というよくある行事だ。当時の私はアートがクラシックが、という割に演劇にはいまいち興味がなかった。寺山修司にはかぶれかけていたけれど戯曲を本で読む程度だったと思う。 その時のお芝居も、事前に配られたプリントを見たときは大して興

          トゥービー オアノットトゥービー

          黒いさくらねこと1か月・後半

          かぜをひいたよるーが我が家にやってきて一番大変だったのが風邪をひいたことである。 おなかゆるゆるは薬を飲ませた所2日間の便秘を経て改善されたが、その頃からやたらくしゃみをするようになった。くしゃみだけで鼻水は出ておらず、何かアレルギー症状的なものか……?と様子を見ていたら、あれよあれよという間に鼻水が出始め片目が腫れてしまった。猫風邪だ。 ゆるゆるの時に連れて行った病院に、今度は風邪でかかることになる。まだ子猫だし、程度としては軽いとのことでひとまず抗生物質を1週間分処方され

          黒いさくらねこと1か月・後半

          黒いさくらねこと1か月・前半

          黒いさくらねこが我が家にやってきて、1か月経った。 さて、この1か月、ルドンと我々の日々はというと、決して穏やかで平和とは言い難いものだった。 このnoteはそもそも「猫飼いたいな~飼おうかな~でもな~~」という知人の背中を押すために始めたのだけれど、最初の1か月からトラブル続きで「猫ええで!飼うやで!」と言いにくくなってしまった。だが今後のためにも記しておくこととする。 お風呂に入れるよやってきた日の午後、シェルターの方が帰った後。我々は遅めの昼食を摂り、新参者をかわる

          黒いさくらねこと1か月・前半

          嘘つき姫と盲目王子

          最後にテレビゲームをした記憶を手繰り寄せると、64が最初で最後だったと思う。 当時子供がやるゲームなんて複数人でやるゲームが多くて、まだ一人っ子だった私はあまりテレビゲームに楽しさを見出しきれなかった。 確か持っていたのはぷよぷよSUN、ディズニーのレーシングゲーム、ポケモンスタジアム、あとはピカチュウげんきでチュウとか。(今思うとピカチュウげんきでチュウって、今のAIスピーカーとかの先駆けみたいな感じだなあと思う) でも近所に住んでいる友達は少ないし、きょうだいもまだいなか

          嘘つき姫と盲目王子

          アートとオタ活と私

          転職活動をしていて履歴書を書く時、もちろん志望動機だとか「書きたくねえ~」と思うものはいろいろあったけれど、地味に頭を悩ませたのが「趣味・特技」欄だった。 無難に「読書・料理」は書いておいたが、正直言うほど最近できていない。読書好きだけど本読む時間取れなくなってきたし、料理だって前ほど手の込んだものは作らなくなった。楽器演奏……もしていたけれど、今もなお趣味と言えるレベルで弾いているものもない。 さて、じゃあ今の私の真の趣味は?というと。恐らくは「美術館へ行くこと」と「オタ活

          アートとオタ活と私

          大人になりたくない

          「大人になりたくない」なんていうとアラサーが何言ってんだ、という感じもするけれど、あまり「社会のジョーシキ」なるもので思考を固まらせたくないな、と思っている。 春から初夏くらいにかけて、ネットでは「ヤバい新人」や「ヤバい会社」の話題がたくさん出てくる。 例えば終業後にある職場の親睦会をさらっと欠席して早々に帰る新人に「協調性ない」ってリプがつく反面、「給料も出ないのに親睦会なんて先輩にこびへつらうようなの行きたくない」というツイートに同感を示すRTが集まる。みたいな。 そう

          大人になりたくない

          黒いさくらねこと住む

          前の話の続きです。 名前をどうしよう、というのは、シェルターに伺う前からずっと考えていたことだった。あまり二人であれこれと候補を出し合ったりはしなかったように思う。というのも、私が以前から「ルドン」という名前を推していたからだ。 「ルドン」とは19世紀のフランスの画家、「オディロン・ルドン」のことだ。白黒の奇妙で不思議な作風の版画などを描き続けたが、それが一転途中から色彩溢れる鮮やかな油彩やパステル画を描いた。私が学生時代研究していた画家だった。 初めて恋人とルドンを見に行

          黒いさくらねこと住む

          黒いさくらねこと出会う

          「一緒に暮らしたら、猫を飼おうよ」 「猫を飼うなら、保護猫を飼いたい」 ということを、言い続けて数年。 この春から恋人と共に暮らすことになり、ついに本格的に猫を迎え入れようということになった。 初めは「とりあえず今里子に出されてる子を見てみよう」という軽い気持ちで、スマホで里親募集中のねこたちを見てみた。 情報収集にはペットのおうちを利用した。ピンポイントで好みのねこを探せるという利点はあるが、正直もっとゆっくり譲渡会を見たりシェルターを探したりしてもよかったかな、と思う

          黒いさくらねこと出会う