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黒猫るどん

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我が家のさくらねこ「ルドン」のおはなし。
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黒いさくらねこと妹

関東に住んでいる身内に不幸があり、葬儀の用意の間妹がうちに泊まることになった。金曜の夜中にやってきて、月曜の朝まで滞在することになる。 妹はわたしとは10ほど年が離れている。現役の女子高生だが、生まれた頃から世話を焼いているのでいつまで経っても小さな子供という認識が抜けず、ついあれこれ面倒を見てしまうのでよくないと思う。 妹が暮らす実家では、2匹の猫を飼っている。父の知人の家から貰い受けたツン9割デレ1割の典型的な猫!といった白黒ハチワレと、妹が学校に捨てられていたのを拾っ

黒いさくらねこと1か月・後半

かぜをひいたよるーが我が家にやってきて一番大変だったのが風邪をひいたことである。 おなかゆるゆるは薬を飲ませた所2日間の便秘を経て改善されたが、その頃からやたらくしゃみをするようになった。くしゃみだけで鼻水は出ておらず、何かアレルギー症状的なものか……?と様子を見ていたら、あれよあれよという間に鼻水が出始め片目が腫れてしまった。猫風邪だ。 ゆるゆるの時に連れて行った病院に、今度は風邪でかかることになる。まだ子猫だし、程度としては軽いとのことでひとまず抗生物質を1週間分処方され

黒いさくらねこと1か月・前半

黒いさくらねこが我が家にやってきて、1か月経った。 さて、この1か月、ルドンと我々の日々はというと、決して穏やかで平和とは言い難いものだった。 このnoteはそもそも「猫飼いたいな~飼おうかな~でもな~~」という知人の背中を押すために始めたのだけれど、最初の1か月からトラブル続きで「猫ええで!飼うやで!」と言いにくくなってしまった。だが今後のためにも記しておくこととする。 お風呂に入れるよやってきた日の午後、シェルターの方が帰った後。我々は遅めの昼食を摂り、新参者をかわる

黒いさくらねこと住む

前の話の続きです。 名前をどうしよう、というのは、シェルターに伺う前からずっと考えていたことだった。あまり二人であれこれと候補を出し合ったりはしなかったように思う。というのも、私が以前から「ルドン」という名前を推していたからだ。 「ルドン」とは19世紀のフランスの画家、「オディロン・ルドン」のことだ。白黒の奇妙で不思議な作風の版画などを描き続けたが、それが一転途中から色彩溢れる鮮やかな油彩やパステル画を描いた。私が学生時代研究していた画家だった。 初めて恋人とルドンを見に行

黒いさくらねこと出会う

「一緒に暮らしたら、猫を飼おうよ」 「猫を飼うなら、保護猫を飼いたい」 ということを、言い続けて数年。 この春から恋人と共に暮らすことになり、ついに本格的に猫を迎え入れようということになった。 初めは「とりあえず今里子に出されてる子を見てみよう」という軽い気持ちで、スマホで里親募集中のねこたちを見てみた。 情報収集にはペットのおうちを利用した。ピンポイントで好みのねこを探せるという利点はあるが、正直もっとゆっくり譲渡会を見たりシェルターを探したりしてもよかったかな、と思う