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猫のように暮らしてみたい その8

うつ病体験記1


少し長い話になるけど、できればドン引きせずに読んで頂けたらと思う。


忙しい毎日。人間関係。

中間管理職だった私は上からも下からも責められ、
何とか上手くとりなしたい、
軋轢を回避したいと自身をすり減らす日々。

愚痴を話せる相手もおらず、
酒を飲んでは常連客とカラオケではしゃぎ、
薬を飲んで泥酔し、起きられずに遅刻を繰り返す。

上に睨まれ下に侮蔑されそれでも這いつくばるような気持ちで出社した。

最初からそうだった訳ではない。

夢や希望に溢れ、プライベートな時間も顧みず働いた。

目指す先があると信じていたし、それなりの成果もあった。

やる気も向上心もあり勉強して資格を取ったり、
仕事仲間達ともよく一緒に飲食したりしながら
仕事の話で盛り上がったりもした。

それがいつからなのか何処からなのかはっきりとは分からないが、
どこかで歯車が狂ったとしかいいようがない。

やることなすこと裏目に出で上手くいかず、
あちこちで不協和音が聞こえるようになった。

何かがおかしい、壊れそうだ、
何とかしなければと必死になった。

しかし私の話は誰にも受け入れてもらえなかった。

言葉は空しく空中分解して相手には伝わらなかった。

充実感は絶望感に変わり、自分が無力で情けなくて、
何もかも放り出して辞めてしまいたいと何度も思った。

ただ無意味な責任感だけで動いていた。



表情もなく生きている実感もなく、
私の心は真っ黒で固く重い石のようになって
体のどこか奥の深いところに沈んでしまった。

抜け殻の自分を少し離れたとこから冷めた目で見る自分を感じた。


現実感がない。

心と体が乖離している感じだ。

眠っても仕事の夢を見る。

社員たちがこっちを見ている。

急いで走ろうとしても前に進まない。

叫んでいるのに声が出ない。

もう夢なのか現実なのか区別がつかない。


眠っていようが起きていようがすべてが曖昧模糊として
もうどっちでもいいと思った。

いつからか食べても味がしない。
おなかも空かないけど何か食べないと。

自分の心も体もバラバラに散らばって
元の形に戻らなきゃと思っているけど、
散らばった自分を見つけられず、
自分がどんな形だったかどんな形になればいいのか
見当もつかなかった。


この頃の私は、体重も落ちて日にちや時間の感覚も麻痺して、
薬を飲んで朦朧と高速道路を運転し、
いつ交通事故を起こしても不思議じゃないくらいの状態だったので、
今生きているのが奇跡だと思う。

自分の存在に疑問を感じ、
いつ死んでもいいなどと命を軽んじてしまう危険もあった。

処方された向精神薬や睡眠導入剤を全部飲んだら死ねるかなどと
お酒で酩酊しながら頭の片隅でいつもぼんやり思っていて、
そうなっていてもおかしくない状態だった。

実際に薬で自殺未遂する人も居るし、
リストカットを繰り返す人もいる。

妄想や妄言、感情の抑制ができず暴れるなど
個々の事情によって感じ方も痛みも症状も違うので
自分の話が参考になるかどうか分からないが、
心が壊れた状態がいかに危うくて
命に係わる問題だということを知って欲しいと思う。

この体験は私の病歴の中で最も苦しく、
もう二度と思い出したくもない時期であり
おそらく3年間くらいの間の出来事だったと思う。

最終的に会社は倒産し無職になった。


もう私は社会生活ができる状態ではなかった。


                       つづく。。。

今回は猫の話ができずにスミマセン。
今日も読んでくださった方ありがとうございます。



                   

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