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尾田わらば
2021年3月9日 23:19
写真をいつのまにか飾ることをやめてしまった。目の前に立ち塞がる世界や悩みは大抵いつも変わらないというのに、過ぎ去っていく時間の中で見た目も思考も随分と変わってしまった自分が、写真の中に窮屈にとらわれているのを見るのが辛いからだ。それでも、どういうわけか写真立てだけは、テレビの横に置いてある。剝き出しのコルクの背板が、形而上学的な問いを投げかけてきそうだ。目の前で踏切が降りてきてカンカンカンと音