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らしさの武装と嗅覚 (小説)

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#創作

らしさの武装と嗅覚 1

どうしてヤツはモテるんだろう? あの頃、ずっとそう思ってた。決して高いとは言えない身長、…

苧環
2年前
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らしさの武装と嗅覚 3

まずかったな 左肩に薄い温もりと重みを感じながら、俺は久しぶりに悔やんだ。完全に体を預け…

苧環
2年前
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らしさの武装と嗅覚 4

したんだよね、私…キス。 されたんだよね、昨日。 信じられなくて、あれから何度も何度も反芻…

苧環
2年前
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らしさの武装と嗅覚 5

おめでとうと言われる。ありがとうございますとお辞儀をする。エレベーターホールで、通路で、…

苧環
2年前
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らしさの武装と嗅覚 6

膝の上に置いた光沢のあるグレーのショップバッグの中には、紺色のリボンが掛けられた箱。 昨…

苧環
2年前
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らしさの武装と嗅覚 7

長野君が結婚するらしい。 社内に彼女がいるのは知っていたけど…。この前お相手の植野さんが…

苧環
2年前
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らしさの武装と嗅覚 8

勝手なことするなよな。 俺の声なんかまるで聞えていないかのように、加納は素知らぬフリして、ムシャムシャとホットサンドを食べている。 ちょっと付き合え、と加納を早めのランチに外へ連れ出したのは、俺だ。奢りだっ!奢りだっ!と、スキップしながら後をついてくる。社から少し離れた路地裏にある小さな店。2人ともオススメにあったホットサンドを頼んだ。違うのにすればシェアできたのにっ!と加納は向かいで頬を膨らませた。相変わらずのやつだ… あのなぁ、お前分かってるのか?自分のやったこと。

らしさの武装と嗅覚 9

有給を消化して二日ぶりに出社した私が目にしたのは、空になった隣のデスクだった。もともと物…

苧環
2年前
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らしさの武装と嗅覚 10

私のせいかなって思って…… そう言う田中さんの瞬きの回数が半端ない。緊張してるからなのか…

苧環
2年前
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らしさの武装と嗅覚 11

加納を連れて出掛けようとしていたところ、すれ違いざまマネージャーに声を掛けられた。何が、…

苧環
2年前
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らしさの武装と嗅覚 12

あのっ、これ、どうしたら良いか悩んでて… 田中さんが私のデスクまでやってきて、白い封筒を…

苧環
2年前
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らしさの武装と嗅覚 13

いいかおりぃ~。 ハーブティのカップを顔に近づけ瞼を閉じて、ふぅっと頬を緩める彩ちゃん。…

苧環
2年前
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らしさの武装と嗅覚 14

ベランダで洗濯物を干していると、後ろから圭が抱きついてきた。 ままー、きょう、ぷーるいこ…

苧環
2年前
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