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音楽が好きです。時々歌います。ことばが好きです。

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記事一覧

おばちゃんあり遠方よりさいたまに来る~岡崎体育と0/100思考の話~

0/100思考だと自覚していた。 どうせやるなら100パーセント、そうでなければ0、という思考回路は、精神論としてはストイックな美しさをもつけれど、生きるためには端的に…

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3年前
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梅田丸ビルの「くるり」体験、もしくは「明るめの平岡公威」について

くるりというバンドを知ったのは、学校帰りに梅田丸ビルの黄色いレコード屋に少なくとも週4で通っていた頃のことだから、もう20年以上前になる。 隔月発行のフリーペーパ…

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4年前
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わたしは、自己紹介ができない

はじめまして。JUneといいます。何か気の利いたよい名前を、と考えに考えてもひとつも浮かばず、結局6月生まれなので適当につけた名前です。自己紹介が何より苦手です。本…

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4年前
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もうだめだ、と思った夜の1万8千円のイヤホンと2500円のアダプタの話。

この声でえぐられたから、もうだめだ。 ひとが笑う。ゆれる。息を吸う意思に満ちた音とさっき吸ったその息を同じく意思を持って吐く音かすかな音が確かに聴こえて、誰かの…

JUne
4年前
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おばちゃんあり遠方よりさいたまに来る~岡崎体育と0/100思考の話~

0/100思考だと自覚していた。

どうせやるなら100パーセント、そうでなければ0、という思考回路は、精神論としてはストイックな美しさをもつけれど、生きるためには端的にしんどい。自分の退路を断ってしまうし、小休止を許さない許せない。あぁこのインターバルですべてがゼロに水泡に、と頭を抱えてしまう。

必然的に、自己肯定感が低い。100に届かなかった試みの「プロセス」を評価するシステムが脳内に存在し

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梅田丸ビルの「くるり」体験、もしくは「明るめの平岡公威」について

梅田丸ビルの「くるり」体験、もしくは「明るめの平岡公威」について

くるりというバンドを知ったのは、学校帰りに梅田丸ビルの黄色いレコード屋に少なくとも週4で通っていた頃のことだから、もう20年以上前になる。

隔月発行のフリーペーパーの後半ページ(あるいは、前半だったかもしれない)、デビュー直後の新進気鋭バンド、くるりのインタビューが数ページにわたって掲載されていた(あるいは、1ページだけだったかもしれない)。首元がよれよれのTシャツと帽子、たしかベルボトムみたい

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わたしは、自己紹介ができない

わたしは、自己紹介ができない

はじめまして。JUneといいます。何か気の利いたよい名前を、と考えに考えてもひとつも浮かばず、結局6月生まれなので適当につけた名前です。自己紹介が何より苦手です。本が好きです。音楽が好きです。時々歌います。

自己紹介が苦手で子供のころから損ばかりしてゐる、と気づいたのは、当時流行りはじめたmixiに友人から招待してもらった大学1年生の時。

mixi招待しといたからプロフィール書いといてー、に盛

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もうだめだ、と思った夜の1万8千円のイヤホンと2500円のアダプタの話。

もうだめだ、と思った夜の1万8千円のイヤホンと2500円のアダプタの話。

この声でえぐられたから、もうだめだ。

ひとが笑う。ゆれる。息を吸う意思に満ちた音とさっき吸ったその息を同じく意思を持って吐く音かすかな音が確かに聴こえて、誰かの長袖ボーダーの袖が擦れ合う音がおぼろげに聴こえて空気が震えて、定員100名の空間が膨らむ瞬間をみた。

YouTubeの画面越しではあったけれど、確かにみた(もしかしたら長袖ボーダーでさえ、なかったかもしれない)。

中村佳穂さんを知った

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