夏は和室で
つい先日迄、私の部屋はこの通り、カウンターの様な造作の有る洋間でした。
これにつきましては下記記事にて詳しく申し上げております。
…さてそんな訳でありますが、立秋を過ぎたとはいえ今や夏も真っ盛り。
やはり日本の夏は日本の部屋、即ち和室で過ごしてこそ趣のあるものだと勝手に思い込んでいる身の上でございまして、この度この「森の隠れ家」を解体してお部屋を模様替えしておりました。
そして、私の部屋は「森の隠れ家」から「いつかどこかで見た田舎の家」になったのであります。
部屋には特製ノンスリップマット附きの茣蓙を敷き、そこに例の囲炉裏と座椅子を置きます。
更に日除けのすだれなんかを掛けて「いつかどこかで見た田舎の家」をイメージ致しました。
以前造った枕屏風に扇風機。
カラカラと少しうるさい音を立てて廻る扇風機は風情のあるものです。
(後ろの方でビデオのケーブルがヒッチャカメッチャカになっているのを氣にしてはいけない)
「田舎の家」で且つ「昭和のアパート」のイメージなので、14インチのAQUOSもこの通り、お化粧してもらいます。
自作の「レトロテレビジョンフレーム」はノートパソコン以外でも活躍中なのです。
テレビの下には20年以上稼働し續けているソニーのビデオデッキの姿も。
老いたりと雖も未だ現役です。
ちょこんと乗っている零戦の模型がチャームポイントです。
漫画もこの通り。
私の子供時代は午前中にやっていたテレビはこれで決まりです。
年によっては前座が『ウルトラマン』の場合もありましたが『アシベ』と『ダイの大冒険』は夏の思い出です。
學校のプールに行く前によく観ていたものです。
自分で作ったクリームソーダも夏の風物詩。子供時代の幸せが蘇ります。
ベランダに出てみればお向かいさん家の櫻の巨木から溢れんばかりの蝉の声。
嗚呼、日本の夏って良いものです。
正しい日本の夏の過ごし方の一例。
蝉の声と風鈴の音を聴き乍ら、蚊遣り器のミニブタ君と一緒に夏の贅澤を堪能するのであります。
この時期の夕方は一瞬だけ辺り一面が茜色に染まる時があります。
この瞬間にただそこに佇むだけで私は幸せなのです。
さあ、晩酌をしましょう。
折角の囲炉裏、わざわざ餅焼き器を出して罐詰を暖めるのが良いのです。
昔は夏の夜といえば野球のナイター中継(主に巨人戰)を観ていたものでしたが、イマドキのテレビは低俗でちっとも面白くない番組ばかりを放送するので不貞腐れてビデオを観る事に致します。
日曜日の夜に観るものといえば…
イマドキの人には解らないこのアナログ映像の乱れ。コレが味なのです。
そう、御幼少の頃に撮った『キテレツ大百科』の生き残りです。
絶えず画面上に横線のノイズが入る画質ですが、お馴染みの發明品の効果音も健在です。
尚、この回は銭湯が舞台の個人的にとても好きな回で勝手に「神回」としております。
ずっと昔、このエピソードをリアルタイムで録画して今も尚現存している事がとても嬉しく思えるのです。
尚、大部分を和室に致しましたが、部屋の一角にはこの通りカフェコーナーを設けておりまして一寸した喫茶店氣分を味わう事も出來ます。
一人掛けのソファーに腰掛けて、ゆっくりと『キテレツ大百科』を鑑賞するのです。
『キテレツ』が終わった途端にこんなものが入っておりました。
まさかの『加トケン』しかも視聴者からの投稿ビデオの特集回です。
お二人とも若いです。
ビデオ送って最優秀作品に200萬圓、優秀賞3本に30萬圓、ノミネートされただけで3萬圓、その他に番組で放送されたら漏れなくビデオカメラが貰えたというのですから、あの頃は凄いのです。
今日で言うトコロの動画サイトのご先祖様の様なものですが、矮小な今日とは次元そのものが違うのです。
そんなものを酒や珈琲を飲み乍ら樂しんでおりますと、あっと言う間に時間が過ぎていくものです。
お風呂に入って寝る準備を致すのであります。
…とその前に………
囲炉裏の下に格納されている脚を展開する事で「四角いちゃぶ台」にします。
そして寝る前の小一時間、密かに作り續けている「RPGツクール」を遊びます。
(この画像は鉱山のダンジョンを作っている最中で現實の鐡道に見られる「三角線」をモチーフにしたトロッコのパズルを作成しているところです)
…と云う訳で夜更かしせずにキリの良いところで作業を終えて寝床を用意するのが賢い創作活動のやり方だと考えております。
部屋の隅にはこうして蚊帳が畳まれております。
拡げるとこんな感じになります。
この蚊帳はこの様に毎年夏になると必ず設置するものでございまして、この通り今年も實用と風情の兩面から活躍しております。
寝床を用意して一日を終えます。
浴衣は何を隠そう工マークのびっしり並んだ「国鉄の浴衣」です。
ブルートレインで使われていた物のレプリカです。
これを着ると遠い遠い旅路へ行ってしまったあの寝台特急の旅の思い出が蘇ります。
今ではすっかり無くなってしまった物がここには有るのです。
二度と戻らぬ時を夢見て就寝するのであります。
それでは皆様、おやすみなさいませ……。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?