#25-06 新若人におくることば①「雑誌は会社の先兵である」
こんにちは、採用担当レイです。
ここ数日、一気に冷え込み秋がないまま冬が来たような感覚です。
そんな中、私は夏休みを取得し軽井沢に行っておりました。冬が来たと書いておきながら夏休み??となりますが…実は弊社、7月から11月末までの間に5日間の夏期休暇を取得することができます。オフシーズンに旅行など計画できるのは個人的には大変嬉しい制度です。
さて先日より、「社員は語る」を開始していますが、本日からもうひとつ新コーナー「新・若人におくることば」をお送りします。
これは、当社の代表取締役会長である生駒大壱が、社内報に定期的に寄せていたコラム「新・若人におくることば リラックス」を再編集して構成したものです。
なお「新・若人におくることば リラックス」というタイトルは、当社の創業者・赤尾好夫がかつて出版したエッセイ『若人におくることば』のオマージュなんだそうです。
それでは第1回、始まります!
今回から、旺文社90周年記念誌に載っている創業者・赤尾好夫が制定した「旺文社 事業の方針」の中から、いくつかを取り上げてコメントをしてみようと思います。いつ頃制定されたのかはわかりませんが、1977年の社報には載っていますので、それより前に作られたのでしょう。この27箇条は、ほぼ全ての内容が今でも立派に通用するものばかりです。これをしばらく私のエッセイのテーマにしてみようと思います。まず最初は「雑誌は会社の先兵である」(*)です。
*「事業の方針」のこの項の全体は、「雑誌は社の事業の尖兵であり、強力な媒体である」となっています。
雑誌から成長してきた出版社
日本の出版社は2つに大別されます。雑誌を持つ出版社と持たない出版社です。基本的に大手出版社というのはすべからく雑誌を持っています。小学館、講談社、集英社、角川、学研、文藝春秋…。歴史的に見ても、日本の出版社の多くは雑誌からスタートしています。「雄辯」からはじまり「キング」「少年倶楽部」の講談社。学年別学習雑誌の小学館、少女雑誌の集英社、「学習」の学研など。
そして旺文社は、創業の翌年には通信添削事業の会員誌として「受験旬報」(のちの「螢雪時代」)を創刊しています。やはり初期から雑誌の事業が会社の中核をなしていたのです。その後旺文社は、「豆単」や「英文標準問題精講」などの学参で大ヒットを連発して、今の教育出版社の地位を確立しました。
かつての旺文社と子どもたちの関係
旺文社の雑誌の黄金時代は、1970年代、私が中高校生の頃です。当時の子どもたちは、小学生の時は小学館の「小学〇年生」と学研の「科学」か「学習」を購読して、中学生になったら旺文社の「中一時代」か学研の「中一コース」のどちらかを定期購読するというのが普通でした。山口百恵をキャラクターにした「時代」と桜田淳子の「コース」というふうに「『時代』か『コース』」で、両社は覇権を争っていたのです。
その頃の子どもたちの情報ソースは、テレビ、「時代」(コース)、深夜ラジオ、少年少女マンガ誌というようなもので、雑誌の持つ力は凄かったのです。そういう時代背景を踏まえると、「雑誌は会社の先兵である」の意味するところがよくわかると思います。
信頼と共感を得るメディア
今の子どもたちは、旺文社を参考書などの本の出版社として最初に知ることが多く、あまり出版社に特段の親しみを感じていない場合が多いと思いますが、当時の子どもたちは、愛読している「時代」の旺文社ということでとても親しみを覚えていたはずです。「時代」の他にも、「大学受験ラジオ講座テキスト」や「百万人の英語」など多くの雑誌を発行していました。
その雑誌の中で旺文社は、勉強法や大学選びの方法などを提案したり、受験生の悩みに答えたりして、まさに中学生や高校生の生活に入り込んでいました。当時の「螢雪時代」で「受験生の悩み相談」などの記事を見ると、旺文社が子どもたちにかなり信頼されていたということがわかります。
「先兵」というのは、新しい勉強法や生活スタイルの提案というような意味だけではなく、参考書や通信添削、模試などを利用してもらう前に先兵として、子どもたちの信頼と共感を得ようという意味だと私は思います。
そのような役割をこれからは何が果たすのかと考えると、SNSやYouTube、アプリなどのインターネットメディアなのではないかなと思っています。「雑誌は会社の先兵」を今風に言い換えると以下のようなことが言えると思います。
「ネットメディアは、会社の先兵である」
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
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