マガジンのカバー画像

WE Run | Write, Eat, Run

267
私たちが(そして誰かが)走り続けるためのリレーマガジン
運営しているクリエイター

2020年3月の記事一覧

継続すること、孤独になること~村上春樹のランニング本の「スタイル」から学ぶ

僕は、村上春樹の小説を中学の時からずっと読んでいますが、2007年に出たランニングについてのエッセイ本『走ることについて語るときに僕の語ること』は、小説を書くとランニングをすることは切っても切り離せないものであるなど、仕事やライフワークをするための姿勢(スタイル!)についてたくさん気づきや学びがたくさんあるものでした。 この記事では、僕自身の村上春樹体験も踏まえながら、どのような学びがあったかを書いていきます。 ランニングをテーマとする本ではありますが、「早く走れる方がす

皇居で『境界』を走る " 旅先で「日常」を走る 〜episode 1〜 東京編 "

前回のあらすじ旅先で『日常』を走る 〜episode 0 〜 “ 淡々と繰り返されていく日常の単調さに息苦しさを感じ、(主にスマホの中で日々展開される)非日常の世界に逃避することによってやりすごす。皆さまにも多少の心当たりはあるのでは?しかし生活に根付かない非日常への逃避は、問題の解決にはならないだろう。自分自身の人生をより豊かにするためには、「ちょっとだけ違ったかたちの日常」を自ら用意する必要がある。たとえば、『旅先で走る』のはどうだろうか? ” -- 皇居で「境界

吾輩はいい人である。|マラソン大会のススメ

「たなくらさん、走るんですか」すごいですね。 僕がハーフマラソンに参加していると知って、10人のうちほぼ10人がそう言ってくれる。そして話はそこで終わる。自分のエクササイズ経験を話してくれるのは、50人に2人程度、みんな身体を動かしていないんだなぁとつくづく思う。 かく云う自分も、走ることが心の底から好きだというわけではない。ハーフマラソン大会に参加したいのだ。開催日が晴れて風がない日であればなお良い。 マラソン大会の楽しさを、僕なりに話そう。 第一に思い浮かぶのは、地

水曜朝を走るひと

なぜ水曜朝に走ると決めたのか2019年12月初めてPLANETSCLUB定例会に隣県メンバーと一緒に参加しました。 ↓その会がこちらです↓ PLNETSCLUB定例会#22 「これからのサードプレイスの話をしよう」 12月のPLANETS CLUB定例会は、朝活コミュニティ「朝渋」 代表の井上皓史さんと、「前田デザイン室」主宰の前田高志さん、 そして、宇野常寛の3名で、 これからのサードプレイスのあり方を考えます。 この時の5時こーじこと井上さんの早起き一択の姿勢が多い

ちょびラン、ゆるラン、走るひと。

走るって楽しい。              こんなこと言っちゃう日がくるとは。 マラソン?ジョギング?ランニング?よくわからないけど走らなくていいです、私。わざわざ苦しいことをする意味がわからない…長年、そんな風に思ってた。でも宇野さんが話す走るは何だか楽しそう。ちょっと興味を持ち始めていた。実際に走り出したのはPLANETS vol.10の特集を読んだのがきっかけ。 「上田宇野対談のポイントは「走る」ことの価値をランナーの内面でなく、世界への関わり方に置いたことです。ここ

走る私と日々のこと

小中学校が一斉に休みになってから、ランニングをする子供達をよく見かけるようになった。 運動不足解消や体力作りだったりするのだろう。 とりあえず外に出てできる手軽な運動にランニングを選ぶ人は多いようだ。 私もかつて、産後ダイエットにはランニングを選び、善福寺川沿いを何度か走ってみたこともある。 たまに走ってみるという行為は、日常に取り込みやすい。 しかし継続して走り続けるとなると、いきなりハードルが上がるものだ。 私は、日常的に走ることを想像すらしたこともなかったし、そもそ

ランコースとしての横浜、場としてのランニング部

PLANETS CLUBランニング部で共同noteを書くという企画が始まり、私も参加することにしました。 市川と申します。よろしくお願いします。 ■初志 この私のnoteのシリーズ(連載)の中では、「なぜ、私は走るのか?」「走ることは、どの辺があなたにとって素敵な体験なのか?」といったことを、様々な角度で、40歳の平凡なおじさんランナーではありますが自分なりの視点でお伝えできればと思います。 ■素敵な景色をたくさん見よう! 私は横浜市保土ヶ谷区に住んでいますが、余裕のあ

使い続けることができない靴を、使い続けたい/On Cloud Dip

白いソールのスニーカーが苦手だ。 正確に言うと。 新品に限りなく近い、真っ白な靴底がそのスニーカーのデザインを完成させている…そんなスニーカーを美しく履き続けることが苦手である。 特に耐えがたいのが、黄ばみである。モノトーンの美しいスニーカーの白いソールが黄ばむというのは、白いシャツにカレーの染みがついたように感じてしまう。 他人の所有物の状態は特に気にならず、自分のモノではとことん気になるのは何故だろう。隣の芝生は青く、隣の経年変化は美しいのは、何故なのか。 自分の

考えないために走る

白、赤、青、さまざまな色の屋根や車が、茶色い濁流にのまれる映像が、面前の大きな画面に映し出されている。そしてその数日後には、テーブル脇の小さな画面のまたその先にぼんやりと映し出された原子力発電所の建屋が、白い煙を吐き出していた。私たち家族が住む東京から北にわずか200km離れた原発だ。 それから、ちょうど49日後、東京から西に250km離れた北信州に妻と3歳9ヶ月の娘を伴った自分は、はじめて滞在する村営ホテルの部屋から、縁あって自分だけが見慣れたゲレンデを見つめていた。 山菜

" 旅先で『日常』を走る ~episode0~ "

簡単な自己紹介 こんばんは、「蒲公英」こと大野です。都内在住、飲食業を営む46歳のおっさんです。40代のうちにフルマラソンを完走したい、できればサブ4を達成したい、というのが目下の目標です。 このnoteを書く理由 このnoteでは、私の趣味である「旅先で走る」ことの楽しさであったり意義であったりを綴ることによって、見知らぬ誰かに少しでも興味を持ってもらえたらいいなと思っています。 しかし軽い気持ちで書き始めてみたものの、なにから書いたら良いものなのか、またどんなふう

ランニング落書き帳-00

(予定)このシリーズは僕自身のランニング体験について 好き勝手に書き散らしていく落書き帳になります。今後書いていく可能性のある項目をいくつか挙げると、 ・走る理由 ・今のランニング環境 ・今年の目標 ・ランニングはライフスタイル ・歩いたり走ったり ・一人で走る。みんなと走る ・速く走ることをやめた ・競技としての陸上、趣味としてのランニング ・ランニングでの思い出話 ・今までに出場したマラソン大会の思い出 ・自然のアスレチックを走る ・トレイルラン など。 これだけで終わる

きっかけはオンライン・ラン

「ROM専から、積極的に走って報告するようになったきっかけ」初めまして自分はPLANESCLUBの分科会であるランニング部に地方より参加しております。 このクラブはランニング部なのに走らない人も入って良い、観るだけでも良いというPLANESCLUBの流れをくむなんともゆるいクラブで、自分はお言葉に甘えて入部したときはいわゆるROM専でした。しばらくROM専していたのですが、ある企画をきっかけに自分は走り始めます。そのきっかけがオンライン・ランでした。 内容はクラブメンバーの結

グッドフォームグッドマナー

「グッドフォームグッドマナー」 僕が師匠と仰ぐ小野寺さんの言葉だ。 小野寺さんはカイロプラクティックドクターだ。 カイロプラクティックとは、アメリカで生まれた手技療法で脊柱や骨格のアライメント矯正をメインとした治療法だ。100年以上の歴史がある。(興味のある方は、WHOが定めるガイドラインを参照して欲しい) 「人間の身体は動くように出来ている」 小野寺さんの哲学だ。いや、勝手にそう僕が思っているだけかもしれない。 「は? そんなの当たり前でしょう?」 と怒られるかもしれ

日常の延長線上で、ゆるやかに交わる。

2020年2月23日、日曜日、9時23分から走った。 この日は元々、3月1日に開催予定だった三浦国際市民マラソンに向けての、最後の調整日として考えていた。 しかし、このご時世、大会は中止となった。 様々なイベントが中止になるこのタイミングで、我々ランナーは何を学び、何を自分の日常へ持ち帰るべきなのだろう? ・・・ 3月8日に開催される「名古屋ウィメンズマラソン2020」は、オンラインマラソンを実施するという。 今回、名古屋に集まってご参加いただくことのできないラン