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伝説のつるぎ 大熊健司
2022年8月14日 10:39
いくら厚着をしていようとも、凍てつくような寒さが体を刺した。冷たい風が吹く度に体がブルっと震えるのを感じた。そういえば今朝のニュースで、季節外れの寒さに気をつけて、と言っていたことを思い出したが、時すでに遅し。家を出た時はまだそれほどでもなかったし、何より気づかないフリもしていたのだが、さすがに外にいれば嫌でも気づくものだ。この極寒の中、公園で人を待つというのはなかなかに辛いものだ。もう少し
2022年5月8日 09:52
都心から少し離れた、とある郊外の駅。 そんな郊外の駅前にあるファミリーレストランは、お昼時ということもあり、それなりには賑わっていたが、やはりベッドタウンということもあり、都心にあるファミリーレストランに比べればそれほどの賑わいではなかった。 そしてここに、二人掛けの席に座ってちらちらと扉の方を見る男が一人。 年は二十代半ばに見える彼は、若者らしい普通の格好をし、机の上には水の入ったコップ
2021年11月7日 00:32
「ういっす。」「おお、ういっす。」「ああ、眠い。」 敦は席に着くなり、大きな欠伸をしながらそう言った。「あれ、夜勤明けだっけ?」「そうそう。まあでも今夜はバイト休みだから、帰ったら寝るわ。」「そっか。」「はい、じゃあこれ。」 そういうと敦はカバンから紙っぺらを出してきた。「おお、ありがとう。」 そう言うと、光一は敦から渡された紙を受け取り、その紙に目を通し始めた。 眠気を忘れ